人類の脆弱性 前半

おはようございます。毎日投稿93日目になりました。今日も頑張っていきましょう!

人類は屈強か、それとも脆弱か

 現代を生きる私たちは、人類を過大評価しているかもしれません。次々に起こる科学的な進歩や技術の発展は、人類に乗り越えられない壁などないかのような印象を私たちに抱かせます。
 
   しかし、まさに今パンデミックという形で露呈しているように、700万年もの時代を経て進化し文明を興してきた我々人類の生活というのは未だ、極めて絶妙な社会のバランスにおいてのみ保たれています。人々の移動が制限されるという条件が加わっただけでも、世界規模での混乱が起こっています。人類は未だ脆弱な存在なのです。

エネルギーから見る脆弱性

 この人類の脆弱性というのはエネルギーの観点から考えるとより鮮明にイメージできるかもしれません。エネルギーを考える上で絶対に欠かせないのは、熱力学第2法則とも呼ばれる「エントロピー増大の法則」です。
 
   エントロピーという言葉を初めて聞く人にとってはいささか難しい概念のような印象を持たれるかもしれませんが、エントロピーとは要するに「乱雑さ」を意味し、秩序あるもの、無秩序なものをそれぞれエントロピーが小さい、大きいと表現します。熱いお湯が入ったコップを放置するとその熱はやがて周囲に分散してお湯は常温に変化しますが、その逆の常温からお湯への変化は自然では起こりえません。この不可逆性こそ、エントロピー増大の法則が主張する事実です。
 
   この法則を考慮すると、秩序あるものは新たには現れず、ただひたすらに世界は無秩序へと向かっていっているかのような印象を抱きます。しかし、そこに異論を唱えた人物がいます。ロシアのイリヤ・プリゴジンという人物です。彼は、散逸構造というものを発見し、1977年にノーベル化学賞を受賞しています。

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