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福岡県にブラジル遠征。

ブラジル遠征、やっぱ最高でした。

といっても、
福岡県内での中学生のトレーニングマッチの話し。

ブラジルを思い出させてくれるグラウンド。
ブラジルを思い出させてくれる選手たち。

そんな福岡県内のブラジル遠征は
うちにとっては得られるものがいっぱいなので
年に数回は試合を行ってもらっています。

まずは
ブラジルを思い出させてくれるグラウンドについて。

自分がブラジルでプレーしていた
サンパウロ州4部リーグ(当時)の試合でも多かった
グランダーでのダイレクトバスがとても難しい
草と土が入り混じったガタガタの硬いグラウンド。

ここで自然と求められていたことは
自分のイメージをどう実現していくかだけでなく
相手をどう不利にさせてプレーするのかいうことや
どんなリアクションを取っていけるのかということ。

例えば、バランスを崩した相手に
がっつり接触に行ってボールを奪取することや
イレギュラーしたボールを身体全体で守ることとか。


このnote記事に書いたように
いつもとは違う環境や
いつもより難しい環境でプレーすることで
様々な問題や変化が生まれていくと思うのです。

で、それに対しての
解決能力や適応能力を求められるので
結果、選手としての引き出しは増えていく。

だから、こういう環境も大歓迎です。


そして
ブラジルを思い出させてくれる選手たちはというと。

簡単にボールを奪われないスキル&身のこなしと
ギリギリで逆を取っていく目にとても優れ
戦闘意欲にも満ち溢れた「やんちゃ軍団」で
ブラジルのほとんどの選手に感じていた
「大人に矯正されていない自然さ」を
あちこちで感じさせてくれるような選手たち。

技術的な部分だけでなく
精神的なところも含めた様々な駆け引きを
試合のあちこちで次々に仕掛けてきます。

まぁ、審判をやってると大変ですが(笑)

このときの試合はというと
相手が仕掛けてくる駆け引きに
うちはただただ受け身になってしまい
それにリアクションするだけの展開に。

でも本数を重ねるうちに
攻守に渡ってこちらから仕掛けていくことができ
そうなるにつれてボールのある場面での
駆け引きの伴った肉弾戦が勃発。

両チームの選手ともに
人間から野性動物のように変化していっては
小さないざこざがあちこちで生まれていきました。

いやぁ、そうでなくっちゃ。


ここに書いたように
サッカーをプレーしてるときくらいは
(特に日本というクローズドになりやすい社会では)
思いっきり「野性の窓」をオープンさせて
「命を使ってる」実感をたくさん感じてほしい!

それこそが、サッカーだから。

今回のブラジル遠征を通して
普段ではなかなか感じることのできない
自分自身を、きっと、たくさん味わったはず。

それもまた自分。もっと知っていこう。


最後に、三浦和良選手のステキな文章をご紹介。

だからカズさんは年齢と共に
新しい自分にアップデートされていっては
さらに魅力的になっていくんだと思わせてくれる文章。

いつまでも
こんな風に年齢を重ねていきたいです。

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●「いい選手」は場所を選ばない
       三浦知良・サッカー人として

いい選手って
条件に左右されない人じゃないのかな。

日本フットボールリーグ(JFL)の
鈴鹿ポイントゲッターズに加わった僕は
仲間と一緒にゴールにネットを張り
練習後は自分たちで外して
ゴールも元の場所に片付ける。
小学生以来だろうか。

だからサッカーをしたくないなどとは思わない。
芝生もいいに越したことはないけれど
マラドーナが全盛期に泥だらけのグラウンドで
草サッカーをしている映像がある。

足元がぐちゃぐちゃでも関係なし。
心から楽しんでいる。
アルゼンチン代表で戦っているときと
まるきり同じ。マラドーナは場所を選ばない。
サッカー選手はこうじゃなきゃ。

去年のリーグ中断期間
個人コーチと僕らの「第1グラウンド」で
トレーニングに励んだ。
といっても場所は近くの公園、足場はデコボコ。

そこで何ができるか
どう練習の密度を高めるかに意識を集中する。
何でもない場所も、立派な自主トレ会場に変えられる。

僕が普段
粋な小料理屋や一流イタリアンにばかり
行っていると誤解されてはいないだろうか。

鈴鹿市の人口は約20万人。
僕はブラジルで1万人の町でも暮らしている。
バスが通っても住民が見落としてしまうほど
車を見かけず、鈴鹿のような町並みもなかった。

いい環境でプレーできるようになり
多少のぜいたくができる身になっても
当時の感覚は体のどこかに残っている。

お客さんが500人の試合も
5万人の代表戦もプレーして
バスでの雑魚寝にコインシャワー
ぬかるみも最高峰ピッチも味わった。
大抵のことは苦にならないよ。
もちろんミラノのカフェも最高だけど
鈴鹿でもチェーン店の定食に納豆を付ければ満足です。

環境が変わると「違い」に目が向きがちだ。
だけど違わないことも同じくらいある。

Jリーグと能力差はあっても
練習への姿勢や情熱は鈴鹿の選手も変わらない。
サッカーをおろそかにはしていない。
だから僕も今まで以上に1日を大切する。学んでいく。

ボールとスパイクを携えて
「おう、入れてくれよ」
と見知らぬ人の輪へ入っていく。

「あら、けっこううまいわね」
と不思議がられたりしてね。譲れないプライドはある。
でも、そこにすがってばかりでも得はしない。

色あせた芝生も
往年の国立競技場みたいだと思えば心は弾む。
勉強机がなくても勉強はできるし
いい奏者ならトランペット一つあれば
どこでもスイングできるだろう。
僕も、いいマイクじゃなくたって歌えます。

何年目になろうとも、そんな選手でありたい。

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