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私の言語学

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満州語では文の後で
〜okini
というと
〜でありますように
という希望形だ。
日本では関西で、「大いにありがとう」という使われ方になっている。

アイヌ語とタガログ語など日本列島から沖縄、台湾、フィリピン、スンダ列島に至る海洋民族の先住民伝統言語がどういう関係であったか。
興味深いところであるが、なかなか1人の能力では研究するに広範囲すぎる。
アジアには国際的な学術組織に乏しいところがあり、研究が拡がりにくい。

ツングース言語とアイヌ語との相互の接触、借用関係もあり10⁴年の尺度で考えれば、そこそこ類似性、共通性がありそうである。
アイヌは日本列島新石器時代を担った民族である。アイヌ祖語が朝鮮南部まで拡散したことも考えられる。
伽耶言語と夫余言語はやや距離がありそうでもある。

アイヌ語とツングース言語を同時に調べていると、結構日本語と言うのはどちらからもことばを取り込んでおり、それらの混合言語だと言うことが見えてくる。
朝鮮半島からの渡来以前の日本列島言語は行政共通化されたものではないが、ある程度の共通性もあっただろうから私はアイヌ祖語と呼びたい。

ツングース言語全般の性質として終助詞の重要性を述べているが、日本語内部の地方語も終助詞が重要である。
終助詞の使い方によりどこの地域の出身なのかある程度推定できるほどである。
韓国 ジャ、ダ、(ハ)ンダ、ヨ
九州 サ、バ、タイ、バイ
近畿 ヤ、ヤネ、ハル、ユ
東北 サ、ンダ、ネ

日本語、朝鮮語を含め北東アジアのツングース言語は助詞、終助詞を特徴とする。
内容語は接触借用により入れ換わりやすいが、ことばの最後にくっつける〜ヨ、〜ダ、〜ネ
などと言う終助詞は数千年経っても保存されるとみられる。
特に深い意味はないが、ことばの癖は母語にしっかり刻まれる。

共通言語化について

共通言語化について

 ことばは身近な範囲では共通である。しかし場所が異なれば、離れれば離れるほどことばは別のものになっていく。多分1000km離れれば、結構,ことばは変わる。
 また時間経過によっても変わる。10年前のことばは今も通じるが、1000年前となれば、変化があり、学習しなければ理解できないだろう。
 ことばの共通性も物理学のように位置と時間という変数に従っているようである。
 ことばの変化については別に指数

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言語の違い度(言語間距離)を指数化する試み

言語の違い度(言語間距離)を指数化する試み

言語がどれほど異なるかを数量的に把握することは単純なことではないが、大雑把には確率的分散の理屈に従うとも仮説できよう。
地理的距離をdと書けば同時代的には言語間の距離Dは
d=10^D
また統語された時代からの時間的隔たりをtと書けば、時間的言語間距離Tは
t=10^T
td=10^T+D
log₁₀ td=T+D
単位はtが年、dがkmである。
このT+Dを言語間距離指数とする。
これが1〜2で

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