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Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Vintage Line Aspherical VMで出雲大社を撮る

今回のMy new gearは、『Voigtlander NOKTON 50mm F1.5 Vintage Line Aspherical VM』である。
なぜ買ったかというと流行り病に罹患したときの気の迷いと、愛する50mmレンズをストレスフリーかつ渋く使いたかったから。
初代ズミクロン50mmをすでに手にしているのだが、さすが半世紀以上前のレンズのため、シンプルに使いづらい。
スナップなんかではスムーズにピント合わせができない。フォーカスリングが動かしづらいのである。
「ライカなんだから距離計見てささっと合わせろよ」なんて聞こえてきそうだが、レンジファインダー機の楽しさと言ったらあのファインダーを覗いた世界じゃないのさ。

ライカモノクローム typ246

ということで、マニュアルフォーカスするくせに便利さを求めるというわがままには、やはりフォクトレンダーだろうということに。
なんせただの便利レンズを求めているのではない。見た目が大事なのだ。スペックなどどうでも良い、見た目である。
ライカに似合う金属製の質感漂う男子の大好物な姿でなくてはならない。
ライカと合体することで、マジンガーZやコンバトラーVみたいなシンデレラ男子心フィットしなければならないのだ。
ということで、そこまで迷わずに手にしたのがVoigtlander NOKTON 50mm F1.5 Vintage Line Aspherical VMだ。
フォーカスリングはスムーズでコンパクトながら質感バッチリ。もちろんライカ純正レンズが正解なのだろうが、我が家の財政的には不正解である。見習え日本の政治家よ!


稲佐の浜

My new gearしたらとりあえず出雲大社へ向かう。当方ド田舎在住のため、いわゆるストリートスナップするには出雲大社しかない。さすが神在の地である。
50mmは大好きな画角、見た目は古いがフォーカスリングはヌメッとした感覚で慣れれば最高、写りは絞ればカリッとして好み、これは良きレンズ。
ライカモノクロームでしか使わないので、とりあえずシャープに写れば良い。モノクロでボケ倒すとわけがわからなくなるし、ボケというのは色彩のまどろみがボケを「Bokeh」足らしめていると思うのである。

9月にも関わらず20年前の夏休み全盛期の暑さ、そして光。
ここまで明るいと黒つぶれしちゃいそうだが、ライカモノクロームの階調表現のすごさを犇々と感じる一枚。
絞れば本当にシャープだが、スマホの異常なカリカリベーコンではない絶妙さ、これくらいで良いんだよ。

押忍!

出雲大社、猛暑の中、たくさんの人々。
撮って出しJPEGでこの階調はやっぱりすごい。
かなりの明暗差の情景だが、大注連縄の影のグラデーションが素晴らしい。
ほいで、ご結婚おめでとうございます。

夕刻の強烈な西日だが、光と影のコントラストが強烈なことこの上ないのでモノクロを撮るのであれば好きな時間だ。
ピント合わせも慣れてきたが、やっぱりレンジファインダー機は難しい。
でもその「間」が良かったりする。

ここからは日陰に入っての写真。
F4前後でもけっこうなシャープさ。
クリアというか抜けが良いというか、とにかうモノクロ写真には本当に合う。

ちなみにF1.5の大口径炸裂するとこのようなBokeh具合。
暴れ玉であるズミルックス35mm2ndばかり使ってきてたので、最近の開放はこんなにきれいなのね〜という感想しか浮かばない。

しかしまあよく写る。
おかげでギリギリの階調の残渣みたいなものがほわっと写っている。
ライカモノクロームはこの漆黒のちょい前の限りなく黒に近い白がたまらないと思っているのだが、そこを狙うには最高のレンズかもしれない。
3枚目のような極端な明暗差の潰れ/飛びの限界ラインの上で反復横跳びするのが好きなのだ。

だいぶブレているけど、この写真が一番好きだ。
やっぱり50mmの画角は良い。こういった一瞬の景観にある「心地よい」という根拠なき判断が過ぎ去る時間においていかれるのが人生である。
それを「忘れないために撮った」という一枚を求めているような気がする。
そこがいつも50mmなのである。僕はね。

日差しがきつい。
逆光の写真でも耐えている。
そして日本の神社仏閣は逆光がええのう〜

松を開放で撮る。
一枚目はF1.5、あとはF2.8。
前ボケすごい。F2.8くらいが一番真ん中カリカリしている。

さすがに5時近くなると観光客も少なくなる。そのまま田舎の経済をうるわせておくんなまし〜

NOKTON 50mm F1.5 Aspherical VMのレビューとしては、
・シャープでクリアな描写がモノクロ写真と相性が良い
・金属製の質感漂う男子心をバンザイさせるデザイン
・ヌメッとした感覚のフォーカスリングがたまらん
悪い点はクラシカルな見た目だがしっかりちゃっかり写るしボケも単調、要するに個性的ではない。
だが僕のようにライカのセカンド50mmレンズとしてはこれ以上なく最適だろう。中古で6万円だ。
特にライカ純正レンズはそう何本も買えるものではない、手に入りやすいライカオールドレンズはクセ玉が多くスムーズに使いづらいものも多い。
気軽にスナップする際には見た目もライカに合っているし、最高の相棒だと思う。最近の令和っ子にわかりやすく例えるならば、野球選手でいえばバントの名手川相昌弘のようなレンズだ。我ながら例えがうまい!


以上、新しいレンズを買っていつもの出雲大社で50mm堪能してきたぜという話でした。
やっぱり50mmはええ。
マニュアルフォーカスはええ。
レンジファインダーカメラはええ。
モノクロ写真はええ。
そんな楽しい撮影でござんした。

同じ出雲大社を35mmで撮るとこんな感じ。

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