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雨が降ってわかること

日本の左官技術が高いことは、ご存知の方も多いはず。

自動化が難しい作業のひとつだが、出会ったこの職人さんもすごかった。

乾燥も終わった数日後に、雨が。

床に落ちた無数の雨粒は小さな流れを作りはじめ、やがて静かに左右の側溝に落ちてゆく。

歩いただけでは決してわからない、緩やかなカーブを手の感覚で作っていた。

「スゴイですね」と言いたくて、彼をあちこち探しても見つからない。やっと捕まえたお仲間に聞くと、もう他の現場で仕事しているよ、との答え。

ものづくりにたずさわる人の写真を撮ることが好きな自分は、こんな仕事ぶりの人や技に、何故だか惹かれる。

職種や働く場所を問わず、自身の技術を声高に誇ることなく、淡々とプロとしての仕事をしている皆さんにも、何か共通する事があるのではと感じる。

あなたの仕事の真価に誰かが気付くまで、しばらくは雨を待たないといけないかもしれないが、そのいつかはきっと訪れる。

ずべてのプロフェッショナルに、敬意を込めて。

あなたのことです。

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