プレスリリース、読み手が忘れがちな、たった一つのこと
日経電子版(公表媒体は日経クロストレンド)にこんな記事がありました。
従来、企業が報道機関に発表内容として出していたプレスリリース。わたくしも前々職時代、それこそ万に及ぶリリースを受け取り、読み、記事して、大半は捨てていました(笑)。
昨今はPRtimesをネットで誰でも見られるようになったせいか、企業だけでなく一般消費者も見ることが普通になりました。さらにネットメディアもそのまま転載するケースも多いですね。
1次情報としての信頼性は高い
記事では対企業、対消費者、対目っとメディアそれぞれを意識したリリースの仕方を提案していました。現役広報パーソンには有用ではないでしょうか(というより、実際はこの程度のことは考えて実践している広報パーソンが多いとは思います)。
そんな記事の中で唯一気になった個所がありました。
「プレスリリースなどを、フィルターを通っていない信頼できるソースとして認識し、活用しているとも捉えられる」
いわゆる1次情報ですから、信頼性はその通り。もし間違っていても発信した企業のせいにできるというわけですから・・・笑。
表に出したいことと…
ただ、「フィルターを通っていない」はどうでしょうね。
企業はもちろん、世に出したい意図があってリリースを出しています。「ここ取り上げてほしい」「この機能よりコレをぜひ」そして「実はこんな欠点もあるんだけど、そこはスルーで」。こういう検討は、リリースを作る時点で行われます。
これは企業がかけているフィルターです。
マスメディアがリリースをもとに記事を書く場合、必ず担当者に再取材します。そこでもっと話が膨らんだり、背景を詳しく聞いたり、別のテーマにつながるヒントを得たり。もちろん、「これおかしくね?」と感じた点をきちんと聞き出すことができます。メリット、(もしあるなら)デメリットの両方を知った上で、世に出すことができます。
ところが一般消費者や大半のネットメディアはそんなことしないでしょう。「へーそうなんだ」と額面通り受け取ります。もちろんそれで問題がないことがほとんどでしょう。
でも、企業が「出したいこと”だけ”」をリリースに載せている―。この事実は頭の片隅に置いておくといいと思います。もし読んで違和感を覚えたら、深掘りしようと思えますし、プラスマイナス問わず何か発見できるかもしれません。
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