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ジーコ像と水戸黄門像〜フットボールの白地図 by OWL Magazine 【第6回】 茨城県

<茨城県>
・総面積
 約6097平方km
・総人口 約285万人
・都道府県庁所在地 水戸市
・隣接する都道府県 福島県、栃木県、埼玉県、千葉県
・主なサッカークラブ 鹿島アントラーズ、水戸ホーリーホック、流通経済大学ドラゴンズ龍ヶ崎、流通経済大学FC、ジョイフル本田つくばFC
・主な出身サッカー選手 鎌田光夫、宮本征勝、浅野哲也、鈴木隆行、本間幸司、曽ヶ端準、塩田仁史、カレン・ロバート

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「フットボールの白地図」を塗りつぶしていくプロジェクト。前回は「交通の要衝」「晴れの国」として知られる岡山県を取り上げた。今回、フォーカスするのは茨城県。言うまでもなく、J1の鹿島アントラーズとJ2の水戸ホーリーホックがある、Jリーグファンにはお馴染みの県である。

 本題に入る前に、ひとつお断りがある。今月から当プロジェクトは、OWL Magazineに月3本、コンテンツ共有することになった。理由は2つ。まず、月々の「フットボールの白地図」の本数をなるべく増やしたいこと。そして、当プロジェクトの目指すところが、OWL Magazineのテーマである「旅とフットボール」に完全に合致していること。

 以上の理由から、OWL Magazineとコンテンツ共有するのが最も理にかなっているという結論に達し、同編集部とも合意に達した。もっともOWL Magazineは会員制であるため、この「フットボールの白地図」を転載する場合、無料で読めるのは途中までとなる。あらかじめ、ご了承いただければ幸いである。

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「茨城県を代表するJクラブは?」と問われれば、ほとんどの人は「アントラーズ」と答えることだろう。1993年のJリーグ開幕時に名を連ねた「オリジナル10」であり、最も多くのタイトルを獲得し、一度もトップリーグから降格したことのない鹿島アントラーズ。その所在地は県庁所在地ではなかった。地政学的に見て、これは非常に興味深い現象である。

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 その後の「県内初のJクラブ」を目指すムーブメントでは、県庁所在地を本拠するケースがほとんどだ。しかし茨城県については、まず工業地帯の鹿島町(現・鹿嶋市)をはじめとする地元5自治体でJクラブが誕生。水戸市にもJクラブが設立された時、すでに県内における知名度は鹿島アントラーズの寡占状態にあった。

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 カシマサッカースタジアムを訪れれば、ジーコ像やレジェンドたちの足型など「歴史」を感じさせるモニュメントを、そこかしこで目にすることをになる。私の記憶では、これらは1997年にはすでに存在していた。それまで「工場以外は何もない」と揶揄されてきた土地に、Jリーグ開幕が契機となって一気に歴史化されていく。そのプロセスもまた、他のホームタウンでは見られない稀有な事例だ。

【以下、OWL magazine読者のみに公開】
OWL magazineでは、毎月12~15程度のサッカー記事や、旅記事が更新されています。Jリーグだけでなく、JFLや地域リーグ、海外のマイナーリーグまで幅広く扱っています。読んでいるだけで、旅に出たくなるような記事が盛りだくさん。すべての有料記事が読み放題になる、月額700円コースがおすすめです。

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