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失敗しても良いじゃない人間だもの(個人見解を含む)2つめ👀

さて、前回続き失敗をした際について、詳しめ改善を考えるまでに何をすればよいのかをざっとかいてみました。
ソフトウェア開発プロジェクトにおいて、テストは品質保証の重要な部分を占めます。
しかし、テストプロセスにおける試験ミスは避けられないものであり、それが発覚した場合には迅速かつ効果的な対応が求められます。
本記事では、試験ミスが発覚した際の時系列調査、ミスの原因を究明するためのなぜなぜ分析、そして分析結果に基づく改善策について詳しく解説します。

調査

1. ミス発覚までの時系列の調査

1.1 ミスの発覚

試験ミスが発覚するのは、通常、以下のようなシナリオです:

  • テスト結果のレビュー中に異常が見つかる。

  • 開発者や他のチームメンバーからの指摘。

  • 顧客やエンドユーザーからのフィードバック。

1.2 時系列の調査手順

ミス発覚後、まず行うべきは時系列に沿った調査です。これにより、ミスがどの段階で発生したのかを明確にします。

  1. テスト計画のレビュー

    • テスト計画書を再確認し、テストケースの定義やスコープが適切かをチェックします。

  2. テスト実行の記録

    • 実行されたテストケースのログや記録を確認し、どのケースでミスが発生したのかを特定します。

  3. コミュニケーションの追跡

    • テスト担当者や関連チームとのコミュニケーションログを見直し、指示や情報共有に誤りがなかったかを確認します。

  4. ツールや環境の確認

    • 使用されたテストツールやテスト環境の設定を確認し、設定ミスやツールのバグが原因でないかを調べます。

  5. レビューのフィードバック

    • テスト結果のレビューで出たフィードバックを再確認し、見逃された点や誤った判断がないかを検証します。


なぜなぜを楽しく

2. ミスが起きた原因のなぜなぜ分析

2.1 なぜなぜ分析の基本

「なぜなぜ分析(5 Whys)」は、問題の根本原因を明らかにするためのシンプルで効果的な方法です。問題が発生した原因を5回程度「なぜ?」と問い続けることで、表面的な原因だけでなく、根本的な原因に辿り着くことを目指します。

2.2 実際の分析手順

以下は、試験ミスが発生した場合のなぜなぜ分析の具体例です:

  1. なぜ1:なぜテストケースが失敗したのか?

    • テストデータが不正確だったため。

  2. なぜ2:なぜテストデータが不正確だったのか?

    • テストデータの作成時に最新の仕様変更が反映されていなかったため。

  3. なぜ3:なぜ仕様変更が反映されていなかったのか?

    • 仕様変更の通知がテストチームに適切に共有されていなかったため。

  4. なぜ4:なぜ仕様変更の通知が適切に共有されなかったのか?

    • チーム間のコミュニケーションプロセスが確立されていなかったため。

  5. なぜ5:なぜチーム間のコミュニケーションプロセスが確立されていなかったのか?

    • プロジェクト開始時にコミュニケーションプロセスの定義が不足していたため。


結果からの改善

3. 分析結果からの改善策

3.1 コミュニケーションプロセスの改善

分析結果から、チーム間のコミュニケーションがミスの根本原因であることが分かった場合、以下の改善策を講じることができます:

  • 定期的なミーティングの設定

    • 開発チームとテストチーム間で定期的なミーティングを設定し、進捗や変更点を共有する場を設けます。

  • ドキュメントの共有プラットフォームの活用

    • ConfluenceやSharePointなどのドキュメント共有ツールを活用し、最新の仕様書や変更点をリアルタイムで更新・共有します。

  • 通知システムの導入

    • JIRAやSlackなどの通知システムを活用し、重要な変更や更新が全員に確実に通知される仕組みを整えます。

3.2 テストデータの管理

テストデータの不備が原因であった場合、以下の改善策が考えられます:

  • テストデータのバージョン管理

    • Gitなどのバージョン管理システムを使用して、テストデータの変更履歴を管理し、必要に応じて過去のデータを参照できるようにします。

  • 自動化されたテストデータ生成

    • テストデータの生成を自動化し、常に最新の仕様に基づいたデータが生成されるようにします。

3.3 テストプロセスの標準化

テストプロセス自体に問題があった場合は、以下のような改善策を講じます:

  • テストケースの標準化

    • テストケース作成の標準テンプレートを導入し、すべてのテストケースが一貫した形式で記載されるようにします。

  • テスト実行の自動化

    • 自動テストツールを導入し、手動によるミスを減らすとともに、テストの実行結果を迅速かつ正確に得られるようにします。

3.4 継続的な教育とトレーニング

人的ミスが原因の場合、チームのスキル向上が重要です:

  • 定期的なトレーニング

    • テスト担当者向けに定期的なトレーニングセッションを開催し、新しいツールや技術、ベストプラクティスについて教育します。

  • 知識共有の促進

    • チーム内で知識共有の場を設け、経験豊富なメンバーが他のメンバーにノウハウを伝える文化を醸成します。

まとめ

ソフトウェアテストにおける試験ミスの改善には、ミスの発覚から根本原因の特定、そして具体的な改善策の実施までの一連のプロセスが重要です。
時系列に沿った調査を行い、なぜなぜ分析で根本原因を明確にし、分析結果に基づいた適切な改善策を講じることで、品質向上とプロジェクトの成功に貢献することができます。
これらの取り組みを継続的に行うことで、ソフトウェアテストの精度と効率性を高め、最終的にはユーザーにとってより信頼性の高いソフトウェアを提供することが可能となります。
こうした場合には、試験ミスを行ったメンバーを責めるのではなく、今回の失敗をどう生かしていけばよいかを考える前向きな対応して行う必要があることだけ注意をしましょう。
間違えても「誰が原因だった」などといった非難をする結果を招かないように注意しながら改善対策を行うことが重要です。
さて、今日はのこの辺で。


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