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最も好きな地域はどこですか?〜世界的にミレニアル世代の"都会離れ"が加速している〜

おはようございます、てっせいです。毎日ブログを書こうとしている。今日も、私見たっぷりな日記をアップしようと思う。

TABICAで観光のお仕事をしていて、地方創生関連の仕事をしていて、家を持たない暮らしをしていて「最も好きな地域はどこですか?」という質問をしていただくことが多い。

地域には地域ならではの魅力が詰まっているものの、僕の趣味趣向も、もちろんあるので、書いておこうと思う。

世界のミレニアル世代の"都会離れ"が加速している

少し本題に入る前に、話は変わって、コロナ前にアントレプレナーシッププログラムで、ニューヨークに2ヶ月程度行っていた。その時に「アメリカには地方創生という概念がない」と言われて、そんなのうそだ!と信じられず、ニューヨーク周辺のいろんな田舎に行っていた。

どの地域も特色がありユニークで面白かったし、都心的なものから少し離れたすごくいけている場所がアメリカにもあってホッとしたのを覚えている。アメリカにはそもそも地域にはそれぞれの良さがある、という考え方があって、それを改めて創生する、という概念がなかっただけだった。

もちろん、世界的にみても日本と同様で、中心部への一極集中が進んでおり、都会に人が集まる傾向にある。ただ、その一方で、世界のミレニアル世代の"都会離れ"が加速している。SmartAssetの最新レポートによると、アメリカではニューヨークやシカゴなどの大都市に住んでいる若者たちの流出が進んでいるという。

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アメリカで最も人口流出が多かったのが、ニューヨーク州だ。かつては若者たちがこぞって憧れた街が、純移住者数が-5万445人という結果だった。面白いことに、この調査は、新型コロナウイルスの以前の、2018年の国勢調査局のデータに基づいているということで、これから変化が起こっていくんじゃないかと予想している。というか、ニューヨークのマンハッタンもこれから結構変わるのかなとも思っている。

では、一体、そんな彼らがどこにいくんだろうか。求める場所はどこなのか。何を求めているのか。やっぱり税金が安い場所に集まる傾向があるのか。僕の観点はそういうところにある。

僕は、ビーコン(Beacon)という街が、めちゃくちゃ好き

そんな文脈からお伝えすると「最も好きな地域はどこですか?」という質問をされた時に、お答えしている地域がある。アメリカのニューヨークの中心マンハッタンから、北へ約1時間半のところに「ビーコン(Beacon)」という田舎街である。昨今若者の移住者が増えているという噂を聞いて実際に行ってみたが、本当に魅力的な地域だった。最も好きな地域かもしれない。一度訪れたことがあるが、漂う空気がすごくいけてる。また行きたい。というか、いつか住んでみたい。

「ビーコン」に訪れて、こういう地域だったら住みたいなぁ、この街は素敵だなぁと思った。好きすぎて贔屓しまくっているが、そんな「ビーコン」の特徴的なポイントを3つ紹介しようと思う。

理由(1)現代美術館、ディア・ビーコン(Dia:Beacon)の存在

元ナビスコの包装紙印刷工場だった場所をリノベーションして作った美術館。田舎町ならではの贅沢で広いスペースに、アンディ・ウォーホール、ヨゼフ・ボイス、アグネス・マーティンなどディア芸術財団が収集している作品が展示されている。22,000平方メートルにわたる展示室内部の照明は、ほぼ自然採光だけでまかなわれている。約5メートルの高い天井、広い柱間、カエデの床といったリノベ前のそのまま特徴を生かした展示空間になっている。

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どの作品もスケールが大きい。何より一度の訪問で数多くの作品を体感できる。これは都心の美術館では難しい。ニューヨークの中心部や、都会の美術館と比べて、作品がのびのびしているように思える。フロアは1階と地下1階がある。

展示の仕方も画期的。展示の企画の中には、ワンフロアを贅沢に使って、爆音で音楽をかけると行った展示も過去あったようだ。どこの美術館で爆音の音楽をかけているだろうか、そんな美術館は聞いたことがない。

また、作品の制作コストも考えられているようで、アーティストが指定した材料と模型図が美術館に送付されてきてそれを模型図通りに美術館スタッフみんなで作る、といった方法で展示されているという話も聞いた。驚きを隠せなかった。そんなやり方があったとは。

さらに、既に亡くなっているアーティストの作品が展示されていて、このアーティストだったらこんなものを作るだろう、という想像で作った作品が展示されていた。そんなのありなのか。しかもそのアーティスト名で展示されているし。発想が超画期的。すごく新しい、いけているなぁと思った。

このエリアは若者の移住者が増えていて、そのきっかけはこのディア・ビーコンがあることが大きそうだ。若いアーティストやデザイナーが住んでいるということだった。

理由(2)驚くほど美味しかったクラフトビール「Hudson Valley Brewery」の存在

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めちゃくちゃに美味しかった。今まで飲んだクラフトビールの中でダントツに美味しかった。特に僕がすごく気に入ったのは、ゴーゼビール、という種類のクラフトビール。ゴーゼは乳酸菌を含んでいて、ちょっと酸っぱい味のビールなんだが惚れてしまった。

創業してまだ数年であるものの、熱狂的なファンの多い注目のブルワリーで、缶ビールの発売日には醸造所に大行列が出来るほどの人気だ。クラフトビール好きの友人が、スマホにこのHudson Valley Breweryのステッカーを貼っていて見覚えがあった。クラフトビール好きなら一度は訪れたいBreweryなのかもしれない。飲んでみたら本当に衝撃の美味しさだった。ぜひ騙されたと思って一度飲んでいただきたい。

このようないけているBreweryがあることで、街の価値を一段も二段もあげているように思う。周辺にはおしゃれなカフェや雑貨屋、ギャラリーなどが並んでいる。地域の不動産価値というものはこのようなお焦がれられる小さなお店によって引き上げられているということをすごく体感した。

理由(3)隣町のニューバーグは、空き家だらけで夢がある

ビーコンに隣接しているハドソン川を超えた向こう側には、ニューバーグという未開拓の地域がある。未開拓、というよりかは、既に開拓が失敗した地域という表現の方が正しい。NYTimesでは「ゾンビーホームズが大量発生」と紹介されていた。

ニューバーグという街は、過去、大企業が撤退したことで打撃を受け、ゾンビーホームズつまりは廃墟、ローンが払えずにオーナーから放棄された家が大量に発生していて、同時に、高い犯罪率と失業率も高い。治安も悪く、暗くなったら大通り以外は歩かない方が良い、と現地の方に教えていただいた。タクシーで通った時の廃墟っぷりにはロマンを感じた。(僕は少し頭がおかしい笑)

だが、僕が行った時は少し変わっていておしゃれなカフェやショップなどが少しづつではあるけど、出来はじめていた。

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Mama Rouxという若者たちが立ち上げたレストラン

ビーコンはもう地価が上がってきてしまっているが、ニューバーグではセルフで空き家をリノベーションするんだったら無料で住んで良いよ、その代わり住まないならダメ(お金だけが入ってしまうと地域の良さが死んでしまう)という政策があるようで、その話もすごく興味深かった。

このように地域市民や移住者が徐々に街をよくしていくという仕組みや流れが生まれていることに素晴らしさを感じたし、やっぱりそんなエリアには地域おこしを頑張っているキーマンたちがいたり、リノベされたおしゃれなレストランにはいけている若者たちがいた。そんな若者たちをみていて、本当に魅了されていた。そういう若者が自由に遊べるのが価値なんだろうと思う。

まだまだ世界には行ってみたい魅力的な地域があるし、魅力的な地域はつくれる

ビーコン(Beacon)について熱く語りすぎてしまった。が、まだ見ぬ魅力的な地域はたくさんある。もっともっとたくさんの地域をみにいきたい。

一方で、地域を作っているたくさんの人と出会うことで、地域というのは作っていくものなんだなとも思う。本当に魅力的な地域は探すのではなく作る、そういうのにもとってもロマンを感じる。僕自身のライフミッションとして、たくさんの、あるいは特定の地域にもっとどっぷり地域づくりに関わっていけたらなと思う。

とにかく、現地点では、ビーコン(Beacon)がめちゃくちゃおすすめです。

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