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DAO型シェアリングエコノミー:プラットフォーム協同組合について考える

最近流行りまくっているDAO型の組織。DAO(分散型自律組織)とは?というのは以下のnoteでお示ししたので、既知でない方はぜひご確認いただきたい。

DAO型のシェアリングエコノミーを考えるとき、パッと思いついたのか「プラットフォーム協同組合主義」について。今日はDAOの流行に乗って、プラットフォーム協同組合主義を、私見たっぷりで解説していきたい。

プラットフォーム協同組合主義とはなんぞや

まず、シェアリングエコノミーと聞いて、すぐに思い浮かぶのは、UberやAirbnb、日本だとメルカリなどのプラットフォームビジネスだろう。サービスの提供者と利用者をマッチさせるプラットフォームにみんなで参加しよう、というノリ。

利益の一定の割合がプラットフォーム提供者である企業とその株主に配当される仕組みになっていて、もちろん、今までの社会の中では、中央集権は圧倒的に必要だったし、それを緩和したのもシェアリングエコミーだったと思う。

ただ、ブロックチェーンが出てきて、DAOが出てきて、利益の一定の割合を支える人や組織ってどの程度必要?中央集権的なシステムって必要??っていうのが問われているように思う。次の未来では、もっとDAOなシェアリングエコノミーが良いよね、という空気が広がっていくように思う。


「プラットフォーム協同組合主義」というのはDAO型シェアリングエコノミーに近い。「プラットフォーム協同組合主義」というのは、プラットフォーム上で情報を共有して価値を生みだしている利用者こそがプラットフォームを協同組合的に所有すべきとする思想で、2014年頃から提唱され始め、近年注目を集めつつある。

また「プラットフォーム協同組合」とは、ウェブサイトやモバイルアプリあるいは通信接続(プロトコル)を通じて商品やサービスを提供するものであり、そのプラットフォームは、労働者やユーザー自身による民主的なガバナンスと共有(共同所有権)を基盤としている。まさにDAO!!

コロナ前にNewYorkで感じた感動「プラットフォーム協同組合

2020年2月、世界がコロナ渦中になる前に、僕はたまたまNewYorkにいた。NewYorkはブルックリンのこのスーパーに行ったことがとても衝撃的だった。

みんながユーザーで、みんなが労働者で、みんなで経営していく。ウェブの所有権はますます少数の企業の手や個人の手に握られるようになってきた時代に、そんな仕組みは、労働者が本当の意味で力をもち、利用者には高品質のサービスが届けられる可能性をもっていると感じた。


世界に広がるプラットフォーム協同組合

他の海外事例について、詳しくは別日のnoteでお示ししたいが、少しだけ触れてみる。参考文献はこちら「プラットフォーム協同組合主義とはなにか?
―デジタル経済における協同組合の可能性を探る―」

Coopify :NewYorkの英語を話せない移民の多くが清掃業務に従事して、そんな働き手と顧客のマッチングサービス。これによって同じ仕事をしても報酬は従来の倍となるよう。プラットフォームを共有することでその95%が手元に。他の従来型のプラットフォームは20〜30%取られてしまいますが、労働者自身が協同して出資すれば5%で済むというようなモデルになっている。

Equal Care Co-op:イギリスで最初のデジタル・プラットフォーム型の福祉介護協同組合。介護を受ける人と提供する人とがともに所有し運営している、マルチステークホルダー協同組合である。非営利組織ならではの方法を通じて、労働者への十分な所得と質の高い介護の提供の両立を目指している。

Fairmondo は、ドイツで運営されているオンラインのマーケットプレイス。2000人が出資し運営している。

Stocksyは、世界47カ国から1000人ほどの写真家たちが作品をストックし、販売するプラットフォーム。2019年売上は1300 万ドル。

Evaは、カナダのケベック州モントリオールで運営されているブロックチェーン技術を用いた協同組合型の相乗りサービス事業。P2P技術を用いており、Uberに取って代わるビジネスモデルといわれている。

Smartは、ベルギー。どこにも雇用されていないフリーランスの労働者たちへ仕事を仲介するが、同時にSmartが雇用して契約先に送りだす。企業ではハラスメントが大問題になっているが、フリーランスは最も被害に逢いやすい。

Fairbnbは、コミュニティベースでの短期の民泊プラットフォーム。アムステルダムや特にバルセロナやベニスでは市場を席巻。バルセロナは観光客がこの4年で倍増。住民の意思を受けてコミュニティが宿泊施設の提供数を決定。コミュニティが一丸となることで、これ以上は収容できないという主張も行える。


MIDATA.coopは心拍数や血圧などの医療情報をどの範囲まで共有するのかを患者自身が選択できる。データを集団で共同所有することで管理する。データの信頼性も高く、正確で安全性を確保した医療開発に結び付く。

COTABO というイタリアのタクシー配車の協同組合もある。

Resonate という協同組合版の Spotifyのようなものもあります。ブロックチェーン技術を用い、音楽家は他のサービスに比べて2倍の収益が得られているよう。

例えば、GAFAより優れたサービスになりうるのか?

従来型の協同組合では、GAFAより優れたサービス難しいだろう。そこにはブロックチェーンの技術と、それをDAO的に運営できるどうかにかかっているのではないかと思う。次回は、現状の課題やメリデメなど、考察していきたい。

day13

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