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電界怪異図鑑:【めめ屋】
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【めめ屋】
怪異:無機物 商店型
恐怖レベル:★★★★★
古くからの歴史を持つ「めめ屋」は、特異な義眼を販売する商店型の怪異です。
元々この店は、事故や災害、あるいは戦争などにより目を失った人々に向けてサービスを提供していました。ただ、ある夜、突然の歓喜の狂った叫び声が店の中から響き渡り、それ以来、店のシャッターは開きっぱなしとなってしまいます。疑問を抱いた近隣住民の通報を受けて警察が調査した結果、カウンターの上に新鮮な人間の目玉が二つ置かれていましたが、店主の姿はどこにもなかったそうです。
その後、この店は一度閉鎖の運命を迎えます。
しかし、それから十数年の時が流れたある日、突如として「めめ屋」は再び現れます。店は以前とは異なり、特別な能力を持つ義眼を提供するようになっていたそうです。
まず、めめ屋の店主は顧客に対して「見たいものは?」とだけ尋ねます。その答えに基づいて、顧客の要求する物が見える義眼を用意してくれます。
その種類は非常に豊富で、また用途が妙に間接的だったり限定的だったりします。一例をあげれば、死んだ家族が見えるようになる目、自分に嘘をつくか迷っている者を見分ける目、奇抜なものだと嫌いな食べ物が入っているか見抜く目などがあったようです。
ただし、その義眼の対価は非常に重く、通常は顧客の新鮮な両目が要求されます。眼球以外での取引に応じた例は今のところ確認されていません。
また、強力な能力の場合、必要な目の数が増えることもあり、両目以上の要求がされることもあります。確認できている最大数は、眼球約1000万個を要求された未来を見通す目です。
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この不可思議な義眼屋の存在は多くの噂として広がりました。
店は神出鬼没で、たびたび騒動の中心となり、警察も複数回その場所を調査したものの、めめ屋の正確な場所を特定することはできていません。現在のところ、「見えない何かを見たがっている者の前にだけ現れる」との説が有力です。
訪れる者たちはさまざまな運命を辿ります。目の力を利用して大きな成功を収めたり、あるいは見えすぎて狂ってしまう事例もあるようです。
また、強力な能力の義眼は複数の目が要求されるということもあり、不正な臓器取引や目を狙った犯罪が増えたりもしました。そのため国の怪異対策室から危険視されている一方、その根絶は進展していない状況です。
この怪しい義眼屋は、今も古びた街角で禁断の欲求を持つ者たちを待ち受けています。
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