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電界怪異図鑑:【花頭の呪い】

花頭はなあたまの呪い】

呪い:呪縛型
恐怖レベル:★★★★★★★☆

花頭の呪いとは、人の頭が「花」に変わってしまう呪い、またはその症状のことです。
この恐ろしい呪いの原因は、かつて特定の地域に存在したとされる贄種ししゅという呪いの種だとされ、その起源はある村の古い信仰に遡ります。

X村では、ある花の神を信仰しており、その神の種を生贄に飲ませる習慣がありました。この種は飲むと意思を神に操られ、自ら喰われに向かってしまうという恐ろしい呪いの種でした。
しかしある時、強い霊能力を持つ女性が生贄として選ばれます。その女性は生贄にされる口惜しさから、種に別の呪いを重ね掛けてから飲み込んだそうです。
すると、女性を食べた花の神はみるみる腐り落ち、それと同時に多くの村人たちが花頭と化してしまいました。

その後、この二重に呪われた種「贄種」は全国に散らばり、今も一部が現存しているとされます。

現在、全国で花頭の呪いの発症が報告されていますが、幸いその数は多くありません。主な発症の原因は、呪いの源である贄種に近づくことだとされていますが、例え触れても発症しないケースも多く、正確なことは分かっていません。
ただ、全発症者の共通点として、一種の降霊術を行った形跡が見られます。危険なので詳細は伏せますが、これは贄種にも花頭にも関係のないおまじないの類で、なぜ花頭を誘発するのかはまったくの謎です。

花頭の呪いの初期症状としては、頭部が蕾のように膨らみ始め、意識が朦朧としてくることが挙げられます。この状態は霊感がない人でも視認できることがあります。
それから蕾が完全に成長すると、開いて花となり、完全な花頭となるのです。その変異の瞬間が非常に凄惨であることは言うまでもないでしょう。
その後、花頭となった人は一時的に活動的になるものの、数日後には突如として姿を消し、ある村へと向かいます。

農作業をする「花頭」になった人たち

その村こそ、かつて花の神を信仰していたX村です。
ここの住人たちはすべて花頭で、彼らはこの村の中でのみ生活をします。花頭と通常の人間との間で意思の疎通は不可能とされており、なぜこの村にやって来るのか、どのような思いを持っているのかを尋ねることはできません。
さらに一定の期間が経過すると、彼らは動かなくなり、遂には完全な花に変わってしまいます。
現在、村の人口は20名程度とされていますが、その地には完全に花化した者の痕跡が至る所に残されているそうです。

この花頭の村は、完全に封鎖されており、その正確な場所は公にはされていません。ただ、国の怪異対策室がこの場所を保護し、呪いの解呪方法の研究が進められています。
これまでのところ、解呪に成功した事例は徐々に増加しており、希望の光が見えてきました。

最終的に、この恐ろしい呪いの原因となる「贄種」を根絶するため、怪異対策室は全国各地で捜索、除去活動を続けています。
最新の情報によれば、残された贄種はあと僅かとも言われており、その捜索は最終段階に差し掛かっているとのことです。近い将来、花頭の呪いが終息する日が来るかもしれません。


《お詫び》一部具体的な名称や情報など、関係者から指導があり変更しました。ご了承ください。

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