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電界怪異図鑑:【けしかけぼうず】
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【けしかけぼうず】
学名:Stimulatus spiritus
式神:自立行動型
恐怖レベル:★★★
「けしかけぼうず」とは、サボり癖のある弟子たちの怠惰な心を叱咤し、修行の道を進むよう促すため、ある僧侶によって作られた式神です。
この小さな僧侶の姿をした式神は、サボっている弟子の肩にひっそりと乗り、その耳元で声をかけます。それは面倒さや辛さによって隠された、心の底にある真の目的への行動を促す言葉です。
しかし、その声は外から聞こえるものではなく、弟子たちには自分の心の声として感じられます。
その効果は非常に高く、この式神は一時期幅広い寺院や修行地で活用されていました。如意真言宗の清風、天台宗の純水、曹洞宗の悠然など、多くの僧侶がこの「けしかけぼうず」の導きで修行を積んだとされており、彼らは心の迷いを払いのけ、真理を追求する道を突き進んでいったと伝えられています。
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名前は意図的に消され伝わっていない
しかしながら、この式神には大きな欠点も存在していました。
正しい感情や意志だけでなく、弟子の中の悪意や恨み、怒りまでけしかけてしまったのです。けしかけぼうずを作った僧侶は、その副作用に気づく前に、恨みを増幅されて抑えられなくなった弟子に命を奪われるという最期を遂げてしまいます。
その後、制御する者を失ったけしかけぼうずは散り散りになり、全国に広がってしまったようです。
現代ではかなり駆除が進んでいますが、都市部での目撃例も増えています。恐らく、迷いが多い場所に集まる習性があるのでしょう。
多忙な日常に追われる人々の肩に乗り、彼らを前進させるための言葉をささやきます。しかし、それと同時に、過度なストレスや負の感情も増幅させてしまうため、彼の言葉に従うかどうかは慎重に選ばなければなりません。
急に心の声が大きくなったと感じても、それが本当にやって良いことなのか、一度冷静に考えてみてください。
良くも悪くも、けしかけぼうずは私たちの心の中で活動しているのです。
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