見出し画像

電界怪異図鑑:【たてまえ箱】

【たてまえ箱】

学名:Pseudorex Apertus
怪異:無機物 呪い箱型
恐怖レベル:★★★☆

「たてまえ箱」は、一見ただの箱のように見えますが、開けることで様々な「建前」や隠れた心の中を具現化した光景が現れる奇妙な箱です。
古い記録によると、これは人間の心の深層を映し出す魔法の箱であり、開ける者の嘘や心の壁などを具現化する能力を持っています。

「対岸の文献」という古代の書物に、おとぎ話の浦島太郎が竜宮城から持ち帰ったのは伝えられる玉手箱ではなく、この「たてまえ箱」だったのではないかと言及されています。浦島太郎が時間の流れを感じずに長い時を過ごしていた竜宮城の世界は、彼の心の中の建前や隠れた欲望が具体化したものであった可能性が指摘されています。

箱を開ける者が心の強いものであれば、自分を見つめ直し成長するきっかけとなることが期待されます。しかし、心の弱い者が開けた場合、精神的な圧迫感や恐怖を感じることがあり、最悪の場合は精神崩壊を起こす危険があるとされています。

そのため見つけても迂闊に開けないよう注意が必要ですが、見た目が何通りもあるため、それがたてまえ箱と知らずに開けてしまう人が後を絶たないようです。

別の「たてまえ箱」

現代では、特定のエリア、特に都市部の古い町並みにある古道具屋やアンティークショップで見ることができることが報告されています。店主も知らない間に紛れているそうですが、たてまえ箱の存在を知る店側の自演も多く、偽物には注意が必要です。

80年代に起きた「たてまえ大規模詐欺事件」では多数の心霊物品蒐集家が騙され、大きな被害が出ています。
時に人間は怪異よりも奇妙なことをするもので、この時騙された蒐集家たちは、誰一人としてたてまえ箱を開けて確認しなかったといいます。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?