てるるな話 第五葉 落ち葉の哀
少しの風が、肌を通り過ぎていく。
少しの風は、少しずつ冷たくなっていく。
空は、なにか考え事をしているようで。秋。紅葉。あたしは、落ち葉。
落ち葉赤色や黄色になるあたしたち。それは、冷たい冬の前に、わずかでも世界を暖かく色づかせたいから。風景の、暖炉。
その暖炉を感じるために、人々はあたしたちを観に、訪れてくれる。家族や友人と来てくれたり、一人で来てくれたり。
一人で来てくれる人は、必ずなにかをかかえている。ため息があたしたちにかかり、あたしたちは、自らの色で、その人を包み