「駅までランナー」について

少しでも長く眠りたい。
朝の布団の一分、一秒をストックして一日分にし、休日にまとめて感じてみたい。
精神と時の部屋のような、あるいはメロンパンの外側集めたやつのような。

いや、決して出掛けるのが嫌なわけではない。仕事に行きたくないわけでもない。
ただただ、少しでも長く眠りたいのだ。

大阪に帰ってきて一ヶ月が経とうとしている。
最寄り駅まで徒歩十分という好立地に住まいを構えた僕は、チキンレースを始めた。
もともと目覚めはよくて、SSD搭載パソコン並みに起動が早い僕。

何分に出たらギリギリ間に合うのか。
だが、ギリギリだからといって駅まで走りたくはない。
せいぜい早歩きまで。

そんな気持ちで毎日少しずつ出発の時間をずらし、起床の時間も遅らせている。

もちろん社会人として、万が一電車乗り遅れても遅刻しないような時間設定しているので、そこまで焦らないし走りはしないのだが、毎日駅までダッシュしてる人がいる。
走るにはどう考えても不向きな靴と服装で、カッカッカッカッカッ!と僕を抜き去っていく。

あと一分早く出るだけで走らなくていいだろうにと思いながらも、明日も僕は至高の惰眠を貪り食べる。

いただいたサポートは楽器関係、創作活動に使います。決してアルコールには使いません。でもアルコールが音楽や文章に必要と判断される場合はその一滴を力に変えます。よろしくお願いします。