見出し画像

#1314 個人思考→リストアップ→話し合い→ハーヴェスト→全体交流

授業では、子どもたち同士による「話し合い」が組織される。

より気軽に行える話し合いは「ペアトーク」である。

しかし、ある程度の時間をとり、しっかりと話し合いを組織したい場合は、「グループワーク」が重視されるだろう。

そのときの1グループの人数は、4人程度になる。

そして、そのような話し合いには、明確な「ゴール」がなければならない。

ゴールがないのであれば、話し合いをする意味がなくなる。

話し合いはあくまでも、ゴールに到達するための「手段」であるからだ。

では、4人グループにおける話し合いは、どのように進めればよいのだろうか?

まず肝心なことは、話し合いの前に、一人ひとりに「考え」「意見」をもたせることである。

これにより、「当事者意識」が芽生える。

このような「個人思考」の時間をとらないと、どうしても学力上位層の子どもが話し合いをリードするようになってしまう。

それは避けなければならない。

したがって、個人思考の時間を確保し、一人ひとりに「考え」「意見」をもたせるようにする。

次に、一人ひとりの「考え」「意見」を、話し合いの場に全て出さなければならない。

これを「リストアップ」という。
※リストアップする際、話をする順番も重要であろう。

このリストアップにより、学力に関係なく、全員の「考え」「意見」を場に出すことができるのだ。

リストアップが完了したら、次に話し合いに入る。

話し合いには、2つの種類がある。

「集団による合意形成を図るパターン」と「個人による意思決定に活かすパターン」である。

前者は、グループで話し合いをして、グループとしての意見を1つにまとめ上げることを目的とする。

後者は、グループで話し合いをするが、意見をまとめる必要はなく、話し合いの内容を受けて、メンバー一人ひとりが自分の考えを更新・意思決定することを目的とするのだ。

このように「話し合いのパターン」を明確に区別する必要がある。

話し合いが終わったあとは、グループからの意見を収穫する「ハーヴェスト」に移る。

話し合いが「合意形成パターン」の場合は、グループ代表者からそのグループの意見を話してもらう。

そして、全グループの意見が紹介される。

一方、話し合いが「意思決定」の場合は、グループで意見をまとめたわけではなく、個人が意見を更新したはずなので、ランダム指名・意図的指名をし、意見を紹介してもらう。

さらに、このようなハーヴェストの方法には、2つの種類がある。

1つは、一般的な方法で、グループの代表者や指名された人が、立って発表するというものである。

もう1つは、「ギャラリーウォーク」という方法で、話し合いの軌跡を残し、教室内を自由に歩き回りながら、それらを自由に閲覧するというものである。
※ギャラリーウォークをするためには、話し合いの中身をホワイトボードなどに記録しておく必要がある。

ハーヴェスト後には、全体交流の時間に入る。

全体交流の在り方は「さらに学級で1つの意見に合意形成するのか」、それとも「さらに個人の意思決定のために話し合いをするのか」に分けられる。

グループでの話し合いのパターンと同じである。

そして、全体交流という話し合いは、ゴール達成に向かって行われなければいけない。

その話し合いのゴールとは、「合意形成」か「意思決定」かということである。

つまり、話し合いが「合意形成ゴール」なのか「意思決定ゴール」なのかを、教師も子どもたちも認識していなければならない。

これを区別することができれば、話し合いの過程や流れもそのゴールに向け、最適なものにすることができるのだ

ここまでをまとめてみよう。

(1)個人思考
(2)リストアップ
(3)話し合い
 ①合意形成パターン
 ②意思決定パターン
(4)ハーヴェスト
 ①代表者や指名された人が発表する
 ②ギャラリーウォーク
(5)全体交流
 ①合意形成ゴール
 ②意思決定ゴール

これが4人グループにおける「話し合い」の過程である。

ぜひとも、上記のことを意識して、話し合いを組織していきたい。

では。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?