#1443 自己評価と評価規準と主体的に学習に取り組む態度
授業の最終目標は「知識・技能」でも、「思考力・判断力・表現力」でもない。
子どもたちに「主体的に学習に取り組む態度」を涵養することである。
なぜなら、「主体的に学習に取り組む態度」が身に付けば、枝葉である「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」は後からどんなものでも獲得していくことができるからである。
よって、授業においては「主体的に学習に取り組む態度」を涵養させるための仕組みが必要となる。
そこで鍵となるのは「フィードバック」と「自己評価」である。
フィードバックは、評価規準(目標)から見た現在地について、他者から与えられる情報である。
これは教師から与えられる場合が多いが、友達からのピアフィードバックも有効となる。
自己評価は、自らの学びの現在地を見つめ直し、自分の言葉で表現した情報である。
「振り返り」と呼ばれることが多い。
このような「フィードバック」と「自己評価」を繰り返すことを「フィードバックループ」と呼ぶ。
子どもはフィードバックループの中で、
(1)評価規準(目標)を理解する
(2)現在地のレベルと目標となる規準を比較する
(3)目標となる規準と現在地の差を近づけるための活動をする
ことになる。
このような中で、評価項目である「知識・技能」や「思考力・判断力・表現力」を獲得していく。
そして、このフィードバックループを繰り返していくことで、だんだんと子どもの自己評価が外部からのフィードバックに近づいていくのだ。
これにより、自らを評価する目が養われていき、最終的に「主体的に学習に取り組む態度」まで到達するのである。
これが授業の最大の目的なのである。
よって、授業に必須の要素となるのが
「評価規準(目標)」
「他者からのフィードバック」
「自己評価」
である。
目標となる評価規準があるからこそ、フィードバックも自己評価も機能していく。
それがなければ、フィードバックや自己評価は無意味となるのだ。
そして、以上の要素を包括する評価こそ「形成的評価」なのである。
なので、「形成的評価」だけが、子どもの学力、ひいては「主体的に学習に取り組む態度」を形成していくのである。
さらに付け加えると、評価規準や評価基準は教師と子どもが共同で構築することが望ましい。
それにより、子どもの自律性・主体性が発揮される。
「学習」「学び」というものは、自律的に行われるものである。
そこには、フィードバックを与えてくれる教師がいないことが多い。
なので、「生涯学習」という視点を踏まえると、子どもたちには最終的に「主体的に学習に取り組む態度」をもつことが求められる。
評価規準(目標)を自分で設定し、自分で学びを進めながら、自己評価をし、自己の学習を改善していく。
そのような自律的な学習者を育てていかねばならない。
そのためには、授業において、「評価規準」「フィードバック」「自己評価」の要素を取り入れ、「主体的に学習に取り組む態度」を涵養させていくことが必要になるのである。
ぜひとも、フィードバックループを重視した授業を構想・実践していきたい。
では。
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