#1349 学級会における意見と人格の区別~所有ではなく内容を重視する~
学級会では、出た意見の元つまり「誰が話したか」が注目されやすい。
子どもたちは無意識のうちに、「〇〇さんの意見」という言葉を口にする。
このことから、意見と人格が混合していることが分かる。
つまり、「~という意見」は「〇〇さん」が言ったものであるから、「〇〇さんが所有する意見」だと勘違いしているのである。
これが「所有の問題」と言われるものである。
しかし、意見というものは「所有の問題」ではない。
確かにその意見を発したのは「〇〇さん」かもしれない。
けれども、一度その意見が話し合いの場に出現したのであれば、それは「その話し合いにおける1つの意見」となるのだ。
つまり、「〇〇さんの所有する意見」ではなく、「みんなで考えるべき1つの意見」になるのである。
これは「内容の問題」と言われる。
本来、話し合いにおける意見は、こちらの「内容の問題」で考えなければいけない。
意見と人格を区別すべきなのである。
「〇〇さんが言ったから…」とか「〇〇さんに反対で…」という言葉はナンセンスである。
意見の所有先は問題ではないのだ。
問題なのは、その意見の内容なのである。
その意見が、「クラスをもっとよくするため」「クラスの問題を解決するため」に機能するかどうか、魅力的であるかどうか、創造的であるかどうかが重要なのである。
そして、このことを教師は自覚し、子どもたちに分かりやすい言葉で説明する必要がある。
そうでないと、子どもたちは無意識のうちに、意見を「所有の問題」で考えてしまう。
意見を「内容の問題」として捉え、より創造的な話し合いにする必要があるのである。
これが実現できれば、話し合いは「他者を否定する『競争』」ではなく、「よりよい結論を導く『共創』」となるだろう。
ぜひとも、そんな意識で学級会指導をしていきたい。
では。
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