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#1453 問いかけて終わりにしない~目標-問い-可視化-評価の重視~
私は学級経営において,子どもたちの主体性を大切にしている。
つまり,教師がトップダウンで「あれやこれや」を指導せずに,子どもたちに問いかけ,自ら思考・判断・行動させることを重視している。
まさに,「コーチング的な手法」を大切にしているわけである。
これにより,「受け身的な指示待ち人間」ではなく,「主体的に思考・判断・行動する人間」を育てることができると信じている。
しかし,重要なのは「問いかける」ことだけではない。
「問いかけ」だけを重視すると,「問いかけて終わり」となってしまう。
子どもたちは教師から問いかけられるのだが,思考・判断・行動できるのは一部のエリートだけである。
その他大勢の子どもたちは,教師からの問いかけを一度受け止めるが,それ以上思考することはなく,「まあいいか」で終わってしまう。
こうなってしまうと,ただの放任となる。
教師は問いかけて満足し,あとは放任しているのである。
「この子どもたちなら主体的に思考・判断・行動してくれるだろう」と妄想して。
このように,「問いかけ絶対主義」に陥ると,教師の問いかけに全員の子どもが反応し,適切に思考・判断・行動できると錯覚してしまうのだ。
しかし,そんなことは現実ではありえない。
エリート以外のその他大勢の子どもは,教師の意図に反し,適切な行動をすることはないのである。
なぜなら,子どもたちは自分の思考・思いをアウトプットしていないのだから。
なので教師は,「問いかけて終わり」にせず,さらに深追いする必要があるのである。
そこで,私が提案するのが「目標-問い-可視化-評価」という流れの指導である。
以下,順に説明していく。
まず必要なことは,「目標の共有」である。
これを疎かにしてしまうと,集団として目指すべきところが曖昧になってしまう。
目標がないと,子どもたちは自由奔放に好き勝手に行動してしまうのである。
なので,教師がリーダーシップを発揮し,目指すべき目標を共有する必要がある。
ちなみに「目標の共有」の際は,子ども側から引き出してもよいが,教師のトップダウンでも構わない。
子どもたちを「目指すべき高み」へと成長させる望みをもっているのは教師なのだから。
次に,「問いかけ」である。
共有した目標を達成するには,「どうしたらよいか」「どうすべきか」を子どもたちに問いかける。
これにより,子どもたちの思考が活性化される。
ここで,子どもたちの主体性が生きるのである。
なので,この段階では教師からのトップダウンではなく,子どもたちの主体的な発想・思いを重視するようにする。
しかし,この段階で終わってしまうと,冒頭で述べたような失敗に陥ってしまう。
まさに「問いかけて終わり」になってしまう。
そこで必要になるのは,次の「可視化」である。
教師の問いかけに対して,うやむやな状態で終わらせず,子ども個人の考えを可視化させるのである。
ホワイトボードに書かせたり,子どもたちの発言を板書したりして。
このような「可視化」により,教師の「問いかけ」によって出現した子どもたち発の「主体的な思い」を目に見えるようにする。
これにより,「目標を達成するためにはどのような手段が必要なのか」を全体で確認・共有することができるのだ。
そして,可視化された意見・思いをもとに,集団で合意形成をしたり,個人が意思決定したりして,「進むべき道」を決めさせる。
※ここは,教師が全体で確認・共有するのみでもOK
あとは,子どもたちが自分たちで「決めた道」通りに適切に行動できているかを「評価」するのだ。
できていれば承認し,できていなければ「どうすれば目標を達成できるか」をフィードバックする。
このような,子どもたちの行動への「評価」が必要不可欠なのだ。
そして,教師は前もって「評価すること」を子どもたちに伝えておくのである。
これにより,子どもたちは教師からの「評価」を前向きに受け取ってくれるだろう。
以上が「目標-問い-可視化-評価」の流れである。
これにより,子どもたちは目指すべき目標に向かって主体的に思考・判断・行動できるようになっていく。
私はこれまで「問いかけ」の段階で終わっていた。
問いかけて満足し,子どもたちが適切に行動するだろうと妄想していたのである。
しかし,そんな理想的な現実はやってこなかった。
それには以下の原因がある。
私は「目標の共有」をしていなかった。
ましてや「可視化」や「評価」なども考えていなかった。
これでは,「問いを投げっぱなしで,あとは放任」するようなものである。
このような「偽指導」をしていたのだ。
私は,授業づくりの方では「目標と学習の評価の一体化」を重視している。
であるならば,学級経営においても「目標と活動と評価の一体化」を重視しなければならない。
#929 学級経営における目標と学習と評価の一体化|眼鏡先生 (note.com)
#1324 学級経営における目標と指導と活動と評価の一体化|眼鏡先生 (note.com)
↑これらの記事でも書いたとおりだ。
その流れを具体的な順番にしたものが,「目標-問い-可視化-評価」である。
つまり,「①目標の共有」「②問いかけ」「③子どもの思いの可視化」「④評価とフィードバック」という流れである。
さらに,「集団での合意形成または個人での意思決定」と「実際の子どもたちの行動」も必要であることを追記しておく。
今後は,このような指導の流れを学級経営の軸にしていきたい。
そして,目標に向かって主体的に思考・判断・行動できる人間を育てていきたい。
では。
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