うらやましい話。

マグカップが2つ割れた。

1つは彼の。
小さい頃に買ってもらったという青いマグカップ。彼曰く、フジテレビ「笑う犬」のグッズらしい、思い出のもの。（今調べてみたが、そんなものはなかった。本当か…？）コーヒーを飲もうとしたとき、私が不安定な場所に置いて割れてしまった。

もう1つは私の。
実家に帰った折に寄ったスタバで出ていた地域限定マグ。地元が濃縮されてみたいで、可愛くて買った。買って3日も経ってなかった。忙しい朝に、慌てて支度をしていた彼がバッグにひっかけて割れた。

割れたマグカップは2つ。

1つ目のマグカップの持ち主は、
”「遅刻する！」と片付けもせずに出かけた犯人”の代わりに掃除までした。文句はチクリとしか言わなかった。

2つ目の持ち主は、帰宅早々犯人を詰めた、「買って3日もしてないのに…」犯人は謝った。掃除はされていた。

＊

過ぎた時間が戻らないのと同様に、モノの変化もあらがえない。
そう、今回の割れてしまったマグカップのように。

過去は変えられない、誰もが知っていることだ。
でも、その過去に対して”どう行動を起こすか”は人それぞれだ。

＊

変えられない過去を責めない彼と、責めてしまう私。
異なる二人の反応を見て、まだまだ彼には頭が上がらないなぁと思う。

そんな風に振るまえる彼をうらやましいと思いつつ、彼に触れて少しずつ私の考え方も変わっていけばいいなと願う。