ITで企業と人を「つなげる」サービス

世の中はIT全盛の時代であり、下の記事のように県/市役所などでも様々なデータをビジネスや地域課題の解決に利用しようという活動が始まっている。

そこで僕も、中小企業から大企業まで15万社以上が利用する、世界でNo.1のクラウド型CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理システム)を提供しているセールスフォース社の基調講演を聞いてきた。今回はその内容をまとめてみようと思う。

1.セールスフォース社のサービスとコンセプト

(1)サービス内容

今回の基調講演は、セールスフォース社のCustomer 360の話が中心。
Customer 360は、お客様とのつながりをサポートするCRMで、企業とお客様の様々なタッチポイントにおける業務・データをつなげるクラウド型の統合プラットフォーム。主に次のような部門/役割/機能を相互に「つなげる」ためのサービスである。

・セールス
・カスタマーサポート
・マーケティング
・コマース
・データ分析を行うTableau
・他のシステムやデータとつなぐミュールソフト
・ローコード開発を実現するプラットフォーム
・業種ごとに必要な機能やデータモデル

(2)コンセプト

セールスフォース社のサービスの根幹は「カスタマーファースト」。お客様のことを第一に考え、「部門を越えてデータを共有することで、お客様に快適な体験を提供すること」に主軸を置いている。たとえば、

①営業にe-コマースでの商品購入履歴を連携することで、お客様個別のニーズに合ったアプローチをする

②営業に技術的な問題が発生してしまったお客様の情報を連携することで、そのお客様に別の商品PRの連絡をしてしまうなどのミスコミュニケーションを避ける

といったことで、お客様は快適にサービスを受けられるようになるだろう。

お客様がいてこそ企業が成り立ち、お客様がいてこそサービスに価値が生まれる。セールスフォース社はその強い思いを持ち、製品/サービスを常に向上し続けている。

2.カスタマーサービスの役割の変化

カスタマーサービスの役割/重要性も、また大きく変化してきており、たとえば次のようなアンケート結果が出ている。

(1)アンケート結果

お客様は企業のサービス体験する際、「次回以降も継続してその企業のサービスを利用したくなるために必要なこと」として、「企業/製品/サービス担当者に対して親しみを感じられるような、思いやりのあるサービスを受けること」が86%と、以前の調査より多くなってきている。

またそれを受け、製品/サービスを提供している企業の経営幹部の69%が、3年前よりお客様のためへのサービスの役割が向上してきていると考えている。

(2)個々のお客様の状況に応じた対応を求められる

そうしたお客様の要望に応えるため、コンタクトセンターの役割は単なる問い合わせへの回答や一般的な問題解決だけでは足りなくなってきた。お客様の状況をきちんと理解して話を聞き、「信頼されるアドバイザー」としてお客様の問題を解決に導くことが求められるようになってきているのだ。 

だが上記のような対応をしたくとも、必要なデータや資料が社内外に分散しているために「どうすれば先回りしてお客様の状況を理解し、快適な体験を提供できるだろう」と頭を悩ませている企業は多い。そうした課題解決を下支えするのが セールスフォース社のクラウドサービスなのである。

3.進化し続けるサービス

こうした企業の悩みを解決すべく、セールスフォース社のサービスクラウドは、全世界のお客様の要望を順次取り込んで進化し続けている。この常なるサービス向上の結果、ガードナー社のカスタマーエンゲージメントセンター部門の調査で、13年連続最高の評価を得ているのだ。

(1)様々なサービスを一つのプラットフォームで「つなげる」

「サービス」と一口にいっても、コンタクトセンター/現地で修理作業を行うフィールドサービス/社内の従業員に対する支援サービスなど、様々な形態が存在する。これらすべてを一つのプラットフォーム上で提供し、部門を越えたコラボレーションをいつでも、どこからでも実現することができるところが評価ポイントの一つであろう。 

(2)すべてのエンゲージメントをパーソナライズできる

また、セールスフォース社のサービスクラウドは、冒頭で話したCustomer 360の製品群とつながっており、電話/メール/ウェブ/チャットなど、あらゆるチャネルを1つのプラットフォームにシームレスに連携することができる。

もちろんお客様の属性情報/購入履歴情報/過去の問い合わせ情報などとも連携し、先回りしてお客様にとって最適な対応ができ、親しみのあるサービスにつなげることができるのだ。

(3)業務の自動化

サービスクラウドはサービスをつなげるだけではない。強力なAIやナレッジ、ワークフローがサービスクラウド上で提供されているのだ。

こうした仕組みを使うことで、お客様に最適な提案やナレッジを提案することを自動化したり、経験が浅い方の早期立ち上がりのサポートをしたりすることができるなど、業務効率化や企業内のメンバーのスキルの向上も期待できる。

4.まとめ 

今回の基調講演は短い時間だったが、セールスフォースのサービスの良さを体感できた時間だった。「つながる」をキーワードに、様々な情報をつなげてサービスレベルを向上させ、お客様と企業をつなげていく。セールスフォースのクラウドサービスは、優れた顧客体験提供の要となることは間違いないだろう。


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寺澤伸洋@FIREしたビジネス書作家
最後まで読んでくださって、ありがとうございました! これからも楽しみながら書き続けていきます!