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第5話 内装コンセプトは "縄文美術室"



【課題】内装はどうする?

 内装設計者TOAStさんとの出会い

内装設計をどこにお願いするのか。これも店舗づくりで重要なポイントです。
いくつか心あたりをあたり、決めたのは株式会社TOAStさんです。第1話で紹介しました株式会社井出コーポレーションさんと同じフロアに事務所を構えていらっしゃいます。この2社はとても仲良く連携が取れており、お昼ご飯は、いつもスタッフが交代して作ってみんなで召しあがっているそうです。一緒に食事するって本当に大事なんですね。

 決め手は
ひょうひょうとした風を纏った小滝氏に初めてお会いした時に、街に人が集まるための空間、建物、ものつくりについての未来を語っていらっしゃた姿が印象深く、また、ご自分の生活を題材に様々な日常空間スタイルを提案なさっていることが決め手になりました。
しかも、その活動の動画発信がとても清々しく、魅力的でいらっしゃいます。




【コンセプト】 イメージが軸

押さえたい条件2つ
① 寺子茶屋では、茶道、発酵食、音楽が中心となっており、日本人の本来持っているエネルギーが溢れる空間にしたい。

② ブログ第2話に書きましたが、見つけたイメージは「重ね」「居る」「変わらぬ」「ぬめり」「浄化」「筋」「移る」「ゆるぎない」です。迷ったら立ち戻る地点はこのイメージにあります。これは日本の土地を生きたご先祖様だと思います。

この① ②を満たすべく考えている中で、動かされた言葉があります。

好きな言葉に動かされる

 ・ 岡本太郎氏の言葉

好きな芸術家です。岡本太郎の書籍には、至る所に縄文時代の芸術について書かれています。今の私の気持ちを代弁してくれているかのようです。

伝統とは似たような形式を繰り返すことではありません。我々が縄文土器のあの原始的なたくましさ、純粋さに触れ、今日瞬間瞬間に失いつつある人間の根源的な情熱を呼び覚まし、取り返すならば、新しい日本の伝統がより豪快不敵な表情を持って受け継がれるのです。そうありたい。

 岡本太郎「日本の伝統」より

 ・ 棟方志功氏の言葉

棟方志功の版画や書を観て感動した方は世界中に沢山いることでしょう。私もそのうちの1人です。彼はこう言っています。 

"悲しみ" が感動の中で一番大切



【結論】縄文美術室

「縄文」はこれらの経緯から、数年かけて私の中で育ってきたものでした。
では「美術室」は?
小中学校の時の美術室って、狭くごちゃっと色々なものの中に、両腕がもげてオッパイ丸出しにして腰布巻いた外国の女の人がいきなり居たり、絵の具と木屑が混ざり合った湿っぽく錆びついた匂いや、薄暗い中に訳の分からない怪しい実験室みたいな空気などに包まれ、何か力を秘めたものがドヨヨンと漂っていたのを覚えてます。
何かありそうで、なさそうで、恐ろしいようで、美しいようで…
そんな怖いもの見たさの 室内への憧れから「美術室」を付け加えました。

来月9月からは、床、壁、天井、家具など、内装の雰囲気を決定していきます。予算との戦いですぅ。

以上