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カラダの使い方とオスグッド

成長期アスリートのケガの代表格

大半の成長期アスリートが悩まされるケガの一つにいわゆるひざの成長痛と呼ばれるオスグッドが挙げられると思います。

このオスグッドは、太ももの前にある大腿四頭筋の柔軟性低下によって脛骨粗面への伸張ストレスが原因であることは皆さんご存知かと思います。

また、その大腿四頭筋への負担を増大させる一つの原因として、動作中の身体重心の後方変位が関係していることも知られているかと思います。

そのため、実際にオスグッドによるひざの痛みで悩む選手へ大腿四頭筋の柔軟性改善のためにストレッチを指導しても痛みが改善されないケースは少なくないかと。

オスグッド治療に大事なのは、身体重心が後方変位する原因を突き止めることです。

身体重心の後方変位する原因はズバリ…。

こちらの記事では、サッカー選手がオスグッドにつながりやすい原因について紹介させていただきました。

中でも。動作中に身体重心が後方変位する理由は二つあります。

<身体重心が後方変位する原因>
✔︎過度な骨盤後傾
✔︎下腿前傾不足

オスグッドにつながりやすい動きにクセとしてこのようなことが考えられます。

身体重心とオスグッド

なぜ、身体重心が後方変位することで、大腿四頭筋への負担が増大するのか。

こちらの記事内でも紹介していますが、

上半身質量中心と大腿四頭筋の筋活動の関係性を研究した論文では、以下のような結果が報告されました。

スクワット動作において骨盤後傾位すなわち上半身重心が後方移動した姿勢では膝関節伸展モーメントが高くなり、大腿四頭筋の筋活動が増加する。(中略)Osgood-Schlater病の症例ではこの上半身の後方移動と骨盤後傾を伴う戦略を用いている場合が多い。
(引用:「スポーツ理学療法と運動連鎖」)

さらに、重心が後方変位した姿勢でのキック動作では膝関節伸展モーメントが増加し、大腿四頭筋が過活動になることが報告されています。

このような背景からも、動作時に上半身質量中心が後方に変異していないか確認する必要があります。

身体機能とオスグッド

プレー中の動きで

『あ、この選手オスグッドになりやすそうだな。』

と判断できれば理想的ですが、なかなかそのような判断をするのは難しいですよね。

そういったときは、選手の身体機能や簡単な動きからオスグッドにつながる可能性を評価していくのがいいかと思います。

成長期サッカー選手の筋柔軟性とキック動作の関係性を調査した研究では、

キック動作時の身体重心距離が長くなるほど、軸足のハムストリングスの筋柔軟性が低下することが考えられた。
(引用:「成長期男子サッカー選手における軸足ハムストリングスの筋柔軟性とキック動作時身体重心の後方化との関係」)

と報告されています。

大腿四頭筋の硬さだけでなく、ハムストリングの硬さもまたオスグッドにつながりやすい特徴の一つであることが伺えます。

このような身体機能の特徴はほんの一例にしかすぎないかと思いますが、動きのクセと合わせてカラダの特徴も治療やケアの時にチェックすることでオスグッドの改善・予防につながるのではないかと考えます。

こちらの記事では、オスグッドにつながりやすいカラダの機能をチェックする方法について紹介されています。

オスグッド関連記事

今回紹介した記事以外にもオスグッド治療・予防のために知っておいていただきたいことをまとめた記事も多数ございます。


これから部活やクラブ活動が再開するとこのひざの痛みに悩まされるJr.アスリートが急増すると思います。

すこしでも多くの方に今日ご紹介したことを知っていただき、予防や治療のヒントに生かしていただけたら幸いです。


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