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少数精鋭で行うTEPのビジネスプラン作成セミナーの魅力とは

TEP Deep Tech Journal

TEPが毎年開催している「ビジネスプラン作成セミナー」は、毎年夏に十数名程度の少ない人数で開催される、短期のビジネスセミナーです。2022年は7月2・3日、17日、30日の4日間を中心に、約1ヶ月間にわたって開催されました。
 
4日間のセミナーでは、ビジネスプランの作成の仕方だけでなく、実務経験豊富な専門家によるセミナーやプレゼンの練習、収支計画の作り方、メンターによるメンタリングなどもプログラムとして用意。思うように成長できていないスタートアップやアントレプレナーが一歩踏み出せるようなサポートを行うため、受講者にとっては自らのビジネスをとことん見つめ直す機会になります。壁打ち相手である講師に本音をぶつけ、仲間である受講生とも議論を交わす中で、期間中にビジネスのピボットを決意する受講生もいるほどです。
 
TEPサポート会員の木村 康紀さんと八木 志津馬さんに、ビジネスプラン作成セミナーの特徴や強み、プログラムの工夫などをうかがいました。

木村 康紀氏
サポート会員代表世話人。弁護士。企業法務を中心とした法律事務所において、M&A、知的財産、労務、訴訟等多岐に渡る法律問題を取り扱う。その後、内閣府に出向し、国の会計事務に関与。2020年4月に日本橋東京法律事務所を設立し、スタートアップ支援も行う。

八木 志津馬氏

サポート会員副代表世話人。公認会計士。IPOの支援、M&Aのご相談から、法定監査まで、日本の企業を応援しています。

ビジネスの種を開花させるチャンスをつかんでほしい

ーーはじめに、ビジネスプラン作成セミナー(以下、BPセミナー)の目的や立ち上げの背景を教えてください。
 
木村氏(以下、木村):ビジネスプラン作成セミナーでは、ビジネスを考える際の基本的な思考プロセスや、資料作成、投資家への伝え方などを実践的に学んでいただくことを大きな目的としています。
 
八木氏(以下、八木):本当は良いものを持っているけれど、なかなか機会やチャンスを掴めずに殻を破れない企業やアントレプレナーも少なくありません。なので、このセミナーがアントレプレナーの成長を促す機会になってくれると良いなと思っています。「あのときが一つのターニングポイントだったな」と言ってもらえるような場を目指しています。
 
ーースタートアップが思うように成長しないとき、どのようなことが大きな課題点として挙げられるのでしょうか。
 
八木:スタートアップのよくある悩みとして「資金調達」と「販路開拓」が挙げられます。ビジネスの種はあるけれど売り方がわからないケースや、手元資金がないときの対応などですね。TEPとしては、資金調達の部分で何かサポートができればと考えています。
 
そのためにこのセミナーでは、投資家の心を掴むビジネスプランのコツをアドバイスしています。投資家の心をつかむことができれば、出資を募ることもできると思いますし、そのビジネスプランを金融機関に出せば融資を受けることもできるかもしれません。
 
また、お客様に魅力的なビジネスプランを提示することで販路開拓にもつながります。スタートアップ企業は資金がないと立ちゆかなくなってしまうので、その部分をサポートできればと思っています。
 
ーーBPセミナーがはじまったきっかけはなんだったのでしょうか。
 
八木:TEPが立ち上がったのはリーマンショック後。世の中でお金が回っていなくて、スタートアップにもお金が回る時代ではなかったんです。スタートアップエコシステムを作ろうとしていました。その当時、アントレプレナー会員という会員制度があって「ビジネス成長をしたい」「世話してほしい」という人たちから問い合わせがきていました。最初の面談の際に、ビジネスプランを見せてもらうのですが、内容がズタズタだったり、そもそも作っていなかったり。なので、そこをサポートするセミナーが欲しいということで立ち上がりました。


TEPサポート会員 八木 志津馬氏

講師と受講生が本音で語り合い、自分のビジネスを見つめ直す機会を創出

ーーBPセミナーのプログラム全体ではどんな工夫をしているのでしょうか。
 
木村:本当に初歩的なところからアドバイスをすることを意識しています。
 
こういったセミナーは、ある程度考えがまとまっている方や、ビジネス経験が豊富な方向けのものであることも多いのが現実です。
 
しかし、BPセミナーでは簡単な内容から講義を進めて、最後に収支計画の講義に入っていくプログラムを組んでいます。他にも、できるだけプレゼンをする機会を設けたり、中間のメンタリングを実施したりなど、受講者が離脱しない工夫もしています。
 
八木:一方通行な講義にならないようにも気をつけていますね。話がうまい講師を集めて、話を聞いてもらうだけの講義ではなく、受講生にも手を動かしていただく。講義の内容をきっかけにしながら、ビジネスプランに落とし込んでいくサポートをしたり、メンタリングしたりする時間も設けています。双方向のコミュニケーションを作る機会を、セミナーの中に入れるようにしていますね。
 
また、初日の夜は懇親会を実施して、講師と受講生の距離をグッと縮めることで、より本音で話しやすい関係を構築することも心がけています。BPセミナーは、単にビジネスプランを作成するスキルや技術を学びに来るのではなく、本当に自分がやりたいビジネスを突き詰めて考えてもらう場。その壁打ち相手として、いろんな話を聞いて、提供できるノウハウをお伝えしたりもしています。
 
ーー参加者同士がディスカッションをする機会や、講義とディスカッションを混ぜたプログラムもありますが、チーム体制なども工夫しているのでしょうか。
 
八木:受講生のビジネスや、立ち位置によってチームを分けることもありますが、あえて似たようなビジネスを検討している人たちを組み合わせたり、全く逆の組み合わせにしたりすることもあります。講師側も、スキルや得意不得意が異なるので、受講生に合わせて組み合わせを考えていますね。
 
「違う業界の常識は自分の非常識」といわれるように、他の業界の方とお話をすることは必要なことです。他人を見ることで、鏡のように自分のことが見えてくることもありますし、自分より先に進んでいる方であればお手本になるケースもあります。
 
木村:メンターが他の参加者に対してアドバイスしている内容を聞くことで、自己反省につながっている方も多いように思います。自分が直接言われると過剰に反応してしまったり、必要以上に落ち込んでしまったりするけれど、他の人が言われているのを見て、気づきを得ている人もいますね。
 
また、受講生同士がお互いの悩みを共有する様子も見られます。スタートアップの経営者というのは孤独になりがちなので、同じような立ち位置の人に悩みを共有することができる点はメリットの一つです。


プロフェッショナルなメンターが勢ぞろい

ーーTEPのメンターは、どんなバックグラウンドをお持ちの方が多いのでしょうか?
 
八木:弁護士や公認会計士、弁理士などの士業の方やコンサルタントなどのスペシャリストの方が多いですね。社会保険労務士や税理士の方に参画いただいたこともあります。他にはベンチャーキャピタル系の方もいらっしゃいます。皆さんTEPの趣旨に賛同してくださる方ばかりで、ほぼボランタリーにご対応いただいています。これだけ幅広くプロフェッショナルをそろえていて、この金額で開催しているセミナーは、少ないのではないでしょうか。
 
木村:さまざまな講師を集めているセミナーは結構ありますが、士業の方が夜中まで一緒にビジネスプランを作成してくれるようなセミナーは、なかなかないと思いますね。
 
八木:ビジネスプランは、ビジネスのあらゆる面をカバーしないといけないので、そこにうまく対応できるようなメンバーはそろえていると思います。担当メンターや担当講師だけではなく、「〇〇さんにこれを聞きたい」とご相談いただくケースも多いですね。
 
ーー参加企業1社に対して、一人のメンターが専属で入るのでしょうか。
 
八木:複数対複数ですね。過去には、講師ではないTEPのサポート会員の方に、ボランティアとしてメンタリングの部分だけ参加いただいたケースもありました。
 
木村:メンターは複数人いたほうが、いろんな視点が生まれます。メンターが1人だと、「その人の言うことが絶対」となってしまう懸念もありますからね。TEPのセミナーでは、メンター同士の意見が異なることによって、受講生が新たな考えを生み出すきっかけになるケースもあります。


TEPサポート会員 木村 康紀氏

ビジネスプランを俯瞰することで新たな気づきや発見が得られる

ーーセミナーの参加者の中で印象的だった方はいらっしゃいましたか。
 
木村:私が面白いなと思ったのは、発表に慣れている研究者の方の変化でした。場数を踏んでいるので発表自体は上手だったのですが、最初の頃はビジネスの発表になっていなかったんですよね。そういう方がビジネスの発表の仕方やビジネスプランの作り方を覚えた後の変化は面白かったですね。
 
八木:セミナーは3〜4日の短い期間ですが、この期間にビジネスをピボットされる方もいらっしゃいます。熟慮した結果、「これではうまくいかないぞ」と新しいビジネスに展開してプランを考え直す方も多いですね。
 
ーー参加者の目の色が変わってきたなとか、プレゼンの仕方が変わってきたなと感じるのはどういったタイミングなのでしょうか。
 
八木:DAY1の夜は、大きなきっかけになるんじゃないかなと思います。昼間は講義やワークショップをしながら過ごし、後半は喧喧囂囂(けんけんごうごう)しながら、その流れで懇親会に行ってさらに深い話をします。「明日の朝一でプレゼンをするからそれまでに資料を作っておいてね」と言うと、朝までプレゼン資料を作って、目を擦りながら来たりする方もいらっしゃいますね。そのタイミングで目の色が変わる方もいます。
 
木村:自分のビジネスプランを周りの人に発表して受け入れられなかったときに、「セミナーに参加するのをやめようかな」と落ち込む人もいます。しかし、メンターが「次はこうしたら良いのではないか」とアドバイスをする中で、やる気を取り戻して目の色が変わる方もいらっしゃいますね。
 
ーーどんな方にセミナーに参加して欲しいなと思いますか?
 
木村:アイデアはあるけれどビジネスプランを作ったことがなくて迷っている人や、何から始めたら良いかわからないという方にも来ていただけると、お力になれるかなと思います。
 
八木:ビジネスを成長させたい、大きくさせたいと思いながら、なかなか殻を破れない人にはぜひ来てほしいなと思います。良いコア技術やノウハウを持っているけれど、ビジネスに転換するところで立ち止まっている方がいれば、僕らがスッと次のステージに進む後押しをしたいですね。

ビジネスプラン作成セミナー2022
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