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という男シリーズ

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全選手の「という男シリーズ」をマガジンにまとめました。 是非ご購読下さい。
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記事一覧

福澤晃平という男

福澤晃平という男

彼を知ったのは私が茨城ロボッツに移籍した2シーズン前。

「福ちゃん」の愛称で皆に呼ばれる彼は3Pシュートはもちろんのこと、ボールハンドリングやピック&ロールの技術、ゴール下付近でのフィニッシュのバリエーションと精度、どれを取っても目を見張るものがある。

移籍して間もない頃から何故彼はB1でプレーしないのだろうか?と疑問に思っていた程だ。

そんな彼は今ではBリーグの中でも屈指のシューターとして

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多嶋朝飛という男

多嶋朝飛という男

彼は間違いなく努力家である。

まだBリーグに統一されていなかったJBLとbjリーグがあった時代。

当時8チームしかなかったJBLは本当に狭き門だった。

現に私たちの代では6人しかJBLに入れなかった。

そしてガードが豊作だったこの時代に「多嶋朝飛」の名前はなかったのである。

彼がその数年後に北海道に入団して躍進するまでにどれほどの努力をしてきたか私には想像できない。

悔しかっただろうし

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チェハーレス・タプスコットという男

チェハーレス・タプスコットという男

愛称は「シェイ」

茨城ロボッツに同じタイミングで移籍してきた彼がそのあだ名で呼ばれていた頃、

私は勝手に「チェイ」と思っていた。

名前の中に「シ」なんて文字はどこ探しても見当たらなかったからチェハーレスの「チェ」から取った愛称かと思っていた。

チェハーレスのチェイ。

英語でも「chey」と書く。

そう、どう読んでもチェイになるのだ。

だから私は3日ばかりの間、彼をチェイと信じ込んでい

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中村功平という男

中村功平という男

彼はビビりである。

死角の壁からでも
隠密しながらの後ろからでも

「うわ!!!」と驚かせば

それよりも大きい「うわ!!!」で返ってくる。

実にビビらせ甲斐がある男なのである。

かく言う私も、驚いた時の声は彼にも劣らないのだが......。

そんなビビリの彼だが、バスケとなると人が変わる。

打点の高い彼のシュートフォームは分かっていてもブロックできない。

そして弧を描くような綺麗なア

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高橋祐二という男

高橋祐二という男

彼について何を書こう。
そう考えた時に真っ先に浮かぶのは

「良い子」だということ。

故にイジるところがない。
故に書くことがないのである。

人のことを思いやれる優しい彼は私と似ている。

どこが似ているかって?

説明しよう。

先日、私と彼に取材の依頼がきた。

茨城ロボッツ×SAKURASAKULIFEコラボ

あなたの推しメン、さてどっち?
〜ワタシの恋は、優柔不断〜

というものであ

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マーク・トラソリーニという男

マーク・トラソリーニという男

「ストレッチ4」の代名詞でもある彼。

206cmとは思えないほどシュートタッチが柔らかく3Pもシューター並みにクイックで高確率だ。

そして身体能力も高く、多少パスコースがズレてもそのままゴールに叩きつけてくれる。

ガードとしては物凄くありがたい。

勢いが欲しい時に彼の「アッ」と驚くダンクと3Pにチームは何度も勢いづけられた。

島根戦のリバウンドからのブザービーターは今シーズンのハイライト

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エリック・ジェイコブセンという男

エリック・ジェイコブセンという男

彼と出会ったのは福岡がB1に昇格した年。
新潟から移籍してきた私はその時から彼のプレーに心惹かれている。

まず初めに驚いたのは、あの巨躯で誰よりも身体を張り、誰よりも走るその姿であった。

ディフェンスで身体を張ったと思ったらリバウンドを取るや否や競馬の最終コーナーで群の中から単騎で追い上げる馬みたいに敵陣地まで走り抜け、再びそこで身体を張る。

ピック&ロールのディフェンスもハードショーと言わ

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ハビエル・ゴメスデリアニョという男

ハビエル・ゴメスデリアニョという男

まず初めに、私は彼の名前を早口言葉で3回言えた試しがない。

同じチームメイトなのに非常に申し訳なく思う。

彼がチームに合流したのはシーズンが始まってしばらく経った10月21日の練習会場だった。

体育館に入るなり一人一人に握手をしながらみんなに挨拶をする彼に最初に抱いた印象は"好青年"。

私のつたない英語を、目を見ながら話を聞き、柔らかい物腰で返してくれる彼は、アメリカとは違った訛りの英語を

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平尾充庸という男

平尾充庸という男

彼は生粋の悪ガキである。

今年33歳にもなる彼は隙あらばイタズラに走る。

人を「うわ!!!」と驚かしたかと思えば、不審者になって私の車の周りをうろつき、舐め回すように車内を覗き込んで去っていく。

そこまで身体を張る必要はないのに。とドライブレコーダーに映る彼の姿を見て冷静に私は思った。

彼はよくオナラをする。

生理現象だから"それ"が出てしまうのは100歩譲って仕方がない。

しかし彼は

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鶴巻啓太という男

鶴巻啓太という男

まずは彼の話をする前に、彼の小指について話そうと思う。

皆さんはお気付きだろうか?

彼の右手の小指には必ずテーピングが巻いてあることに。

実は彼はシーズンが始まる前にこの小指を脱臼している。

そして普通は脱臼したら練習を休むのだが、彼は休もうとしなかった。

いや、正確には休めなかったのである。

何故なら彼が小指を怪我したのは練習中や試合中ではなく練習前のシューティングだったからだ。

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谷口大智という男

谷口大智という男

彼はスベり知らずである。

もちろん

何をしてもスベらない

ではなく

何をしてもスベる

という意味でのスベり知らずである。

故に

スベることを知らない

ではなく

スベることしか知らない彼は

選手入場が始まる前、他の選手は自ずと彼のそばから離れていく。

誰も巻き込まれたくないのである。

間もなくしてRDT(ロボッツダンスチーム)のパフォーマンスが始まるその裏で自称RDT(リアル

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