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エリック・ジェイコブセンという男

彼と出会ったのは福岡がB1に昇格した年。
新潟から移籍してきた私はその時から彼のプレーに心惹かれている。

まず初めに驚いたのは、あの巨躯で誰よりも身体を張り、誰よりも走るその姿であった。

ディフェンスで身体を張ったと思ったらリバウンドを取るや否や競馬の最終コーナーで群の中から単騎で追い上げる馬みたいに敵陣地まで走り抜け、再びそこで身体を張る。

ピック&ロールのディフェンスもハードショーと言われれば徹底してプレッシャーをかけに出る。

オフェンスのピック&ロールでは必ずダイブして戦火のゴール下に飛び込んでいく。

自分にパスが入らずともダイブすることで仲間がオープンになることを理解しているから。

ここまで献身的に「ビッグマン」の務めを果たせる選手はBリーグでも数少ないと思っている。

そして彼は一切、弱音を吐かない。

「疲れた」とか「痛い」とか彼が口にしているのを私は聞いたことがない。

あれだけハードにプレーしているのにも関わらずだ。

むしろ彼を見ていると、こっちが心配になる。


だから先日、たまらず本人に聞いた。

9人で試合が続く中、プレータイムは更に増える彼に

「大丈夫?疲れてない?エリックが疲れてるって言ったところ聞いたことがないからさ」と。

そしたら彼は優しい顔でこう答えた。

「疲れているさ。身体もボロボロだよ。でもわざと口にしないんだ。口にしたら俺の身体が疲れちゃうから。だから自分でマインドコントロールしてるんだ。疲れてないって思い込めば身体も疲れてないって思い込んでくれるから。」

この言葉に心を打たれずにはいられなかった。

そして、その場にいた私は労いの言葉をかけるのをやめた。

彼が自分で言い聞かせているところに私が水を差すわけにはいかない。


さて、彼が頑張ろうとしているのにこちら側がこれに悲観するのは場違いだ。

ましてや、これ以上この話題を書くと涙する者が出てき兼ねないのでここまでにしておこう。




みなさんは彼が誰に似ているか考えたことはあるだろうか?

私はずっと前から彼をアベンジャーズのマイティ・ソーと思い込んでいる。

むしろソーを演じるクリスヘムズワーズ氏とエリックジェイコブセン氏は実は双子なんじゃないかと疑いたくなる程だ。


こちらがエリックジェイコブセン氏
引用サイト:natalie.mu
こちらがクリスヘムズワーズ氏


短髪にしたら尚更、似ている。

もはや遠目で見たらどっちがどっちか分からない。

一度、iPhoneのFace IDでお互いにロックを解除してみて欲しいぐらいである。

映画「マイティソー バトルロワイヤル」
引用サイト:cinematoday.com


まぁー、どちらにせよハンサムだということに変わりはない。


ただし、この話は髭がある時に限る。

何故なら彼は年に1度、謎に髭を全部剃る時がある。

今シーズンも既に1度、ツルッツルになっている。
髭がある方がタイプである私はその度に彼に大ブーイングをする。

何故わざわざ自ら男前を捨てるのかと。

アツも髭あり派だったので、わざわざインスタを使いアンケートまで取った。

髭ありと髭なし、どちらが良いかと。

結果、髭ありが票数を上回ったのだが彼は不服そうにしていた。

髭なしのジェイコブセン氏

ただ、ここで謎が生まれる。

髭を剃って不服そうにするのに、シーズンを通してみると彼は髭を生やしている時期の方が断然長い。

故に自分では髭がない方が好きだけど周りは髭あり派が多いという事で仕方なく生やしているのか......。

いや、しかしその割には髭ありも気に入っている様子な彼。

だから私は頭をひねる。


「結局、彼は何がしたいのか?」

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