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中村功平という男

彼はビビりである。

死角の壁からでも
隠密しながらの後ろからでも

「うわ!!!」と驚かせば

それよりも大きい「うわ!!!」で返ってくる。

実にビビらせ甲斐がある男なのである。

かく言う私も、驚いた時の声は彼にも劣らないのだが......。


そんなビビリの彼だが、バスケとなると人が変わる。

打点の高い彼のシュートフォームは分かっていてもブロックできない。

そして弧を描くような綺麗なアーチで射抜く3Pをクイックで尚且つ高確率で決めてくる。

またシュートもさることながら、そのキレキレな動きから前後左右と縦横無尽にドリブルと緩急を駆使して相手を翻弄して抜き去るスキルは天下一品である。

とてもトイレを終えて、この顔で出てくる人とは思えない程のギャップである。

ADみとアリーナのトイレにて

ただ自慢じゃないが、いつも彼と勝負する「21」というシューティングゲームは何十回もしている中でまだ1回しか負けたことがない。

もちろん私はズルもしていないし彼の横で「うわ!!!」とかも言っていない。


さて、そんな彼だがみんなも周知の通り

右鎖骨骨折
右肋骨骨折
右外傷性血気胸

と書いてあるように、この文字列を見ただけでも痛々しい程の大怪我を試合中にしてしまった。

今は手術こそ無事に終えて家で療養している彼だが体にボルトが1本入っている。

功平から送られてきた実際の写真


退院したての頃は横になると激痛がするため、しばらくの間、夜は座ったまま寝ていたという。

そしてまた来年には体に入っているボルトを取るための手術をしなくてはいけない。

ビビリな彼だからこそ心配でしかないのである。


先週の水曜日(3月30日)、私たちが練習する体育館に三角巾を巻いた彼が久しぶりに姿を見せた。

渋谷戦ぶりの再会に私も含め、みんな少し照れ臭そうに話していたのが印象的だった。

そして一通り会話をした最後に彼はみんなにこう言った。

「病院には半年はかかると言われてるんですが、僕は最終戦の5月8日には復帰するつもりでいます」と。

もちろん怪我の深刻さを考えるとそれは不可能に近いのだけども、その言葉が聞けただけでもチームは心強かったと思う。


最後に

今シーズン、もう彼とは一緒にプレーすることはできないけど、この場を借りて彼に伝えたい。


功平、
焦らずゆっくり身体と心を休めてくれ。





本来、ここで終わるつもりだったのだが、最後にオチが無いなと気付いたので彼が復帰した時に同じ過ちをさせないために一つだけ最後の最後に忠告しておきたい。

昨シーズン、私と同じタイミングで茨城ロボッツに移籍してきた彼。

おそらくほとんどの人が記憶にない或いは気付いていないと思うが、彼は入団する前のオフシーズンに少し気持ちがたるんでしまったせいか10kg程太って入団してきた。

あの時の彼に比べ今の彼は、腹周りの体積も顔の面積も10%ほどシャープになっている。

だから来シーズン彼が帰ってくるまでにリバウンドしないようここに入団当初のインタビュー写真とその比較画像を戒めとして載せておく。

今シーズン(左)、入団当初(右)


みんなで待ってるぜ、こーへー!!!

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