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なななななな、なななな。

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ままならぬ感情や個性を持て余す歯車たち。 ないならないで手持ち無沙汰、あったらあったで持て余す。 激しく、時に凪ぐ“感情”について描いた掌編、短編集。
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2020年12月の記事一覧

死んだ小さな仔猫

死んだ小さな仔猫

 学校へいく途中、道端で小さな仔猫が死んでいました。
 死んだ小さな仔猫はコチコチになっているようでした。
 毛並みもボサボサで、ところどころベッタリとしています。
 少し気味が悪かったのですが、それよりも悲しくて、可哀そうで、小さな仔猫を小さな段ボールに入れて、両手かかえて歩いてゆきました。
 とぼとぼと歩きながら、学校へは連れてはいけないと思いました。
 そこで、肉屋の隣にある空き部屋の隅に、

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ヒール女とサンダル男

ヒール女とサンダル男

 ヒール女は思った。
 サンダル男は気が利かない。
 いつもぼけっとしていて、計画性はなくいき当たりばったり。パチンコや競馬にのめり込んで、金をせびってくる。
 それでもヒール女はいつも笑ってお金をわたした。
 自分で稼いだお金は自分が自由に使ってもいいはずだし、誰に文句をいわれるものでもない。
 だから女は男にお金を渡す。
 男は闇金に手を出して法外な利息を払い続けていたが、女がソープランドでフ

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市松人形

市松人形

 目の裏に焼き付いてはなれない映像がある。雑多な小物のなかに一体だけ寝かされている小さな日本人形。合羽橋にあるお気に入りの骨董屋での出会いだったが、普段特に人形など興味はなく、幼い頃から怖いと思って避けていた私にとって、その日本人形に一瞬で目を奪われたのには少し不気味な感じがした。
「日本人形だ」
 それを指さして、彼に伝える。彼は振り返りもせず、
「却下」
 と言った。ほとんど反射的と言ってもい

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