見出し画像

2022年夏、彦根デートのこと

遅すぎる振り返り


何回か、さりげなく書いていた。
彦根デートでもらった味噌汁のことを。

これが私のアマノフーズデビュー



もっと早く8月の彦根を振り返りたかった。
ここで言う彦根とは、2年前にnoteを始めてから幾度となくやりとりさせて頂いているのりまきさんポン子さんとの初デートのことだ。


EUを出たり入ったりしたり、パン代稼ぎに追われたり流行り病にかかったりスペイン語試験を受けたりしていたら、12月になってしまった。もう2022年が終わってしまう!

しかし、私としてはこんな大事な日のことを振り返らずに2023年には行けない。


noteを書くにあたり、当時やりとりしたメッセージを読み返したら、面白くて笑ってしまった。みんなそれぞれにめちゃくちゃである。
 
のりまきさんとポン子さんは、高校生時代からのお友達らしい。

お二人の書くnoteが好きだ。
読み手の心をがっちりつかみ、鋭く鮮やかなドリブルでぐいぐいと風を切っていく(最近私はワールドカップに夢中です。)のりまきさんのnote。日々お考えになっていること、そのときそのときののりまきさんがこちらにストレートに届く。
一度読み始めたら、「やめられない、とまらない」のかっぱえびせんのような魅力がある。
ちなみに、かっぱえびせんはアンダルシア田舎では手に入らない。
そして、育ってきた環境がそうさせるのだろうか。なぜだかわからないが、のりまきさんがつぶやかれる内容や彼女の考え方を読んで、何か自分と似ているようなものを感じることがあった。

心のままに、を大事にされているポン子さんのnote。
控えめにいって、ラブが溢れている。
好きなものについて語られるときのパッションが好きだ。
ご本人は文章を書くのが苦手だと何度か書いていらっしゃるが、ポン子さんはご自分のnoteの魅力に気づいていらっしゃらないのかもしれない。

と書いてみたところで、私の語彙力ではお二人のnoteの素晴らしさをうまく説明できないから、実際にお訪ね頂きたい。

ときにひとり言のようであり、ときに隣の誰かに話しているかのように書かれているお二人のnote。
共感したり陰ながら応援したりして、この2年間お二人のnoteを拝見してきた。


それが、今回実際にお会いすることになった。



なぜお会いすることになったのかを含め、詳しいお話はのりまきさんが書いてくださっている。

これを読んで、涙目になってしまった。
そして、私がずいぶん美化されているような気がするが、気のせいにしておこう。

のりまきさんの素晴らしい振り返りの後に私が改めて書くことなどないような気がするが、お会いしたときに「三者三様の振り返りを」という話になったので、ここでは私の振り返りを残しておきたい。


さて、夏の帰省時。
憧れのお二人にお会いすることになった。
 

田舎暮らしの私にとって、大事件だ。
「姉さん、事件です」と言いたかったが、私に姉はいない。
誰にこの興奮を伝えたらいいかわからないので、ここはやはりnoteの皆さんにお伝えしようと思う。

いつも私のぼやきにお付き合い頂いている皆さんになら、この緊張と興奮がわかって頂けるかもしれないと思いながら。
 

大好きなnoterさんに会う。

昭和生まれが無理をして2022年風に言うと、「推しに会う」ということでいいのだろうか。
 
これまで、noteでやりとりをしている方とお会いしたことはない。
そのnoteにいたっては、機能も十分に使いこなせておらず、未だ目次の設定すらできない。下書きでは目次になっているのに、実際にアップされると目次がないというマジックにかかり続けている。今回のnoteもきっと目次設定できていないだろう。

 
noteの方と会うってどういうことだろう。
 
想像すると、ちょっと緊張した。
  

事前打ち合わせと夫の参加


 
お二人ともこの度のデートのために有休をとってくださっている。
これは、なんとしても楽しいデートにしなければならない。
 
  
「是非行ってらっしゃい。私は恥ずかしいので、申し訳ありませんが行きません」 
 
夫が言う。
何も言っていないのに、最初から自分も誘われていると考えているところがすごいと思った。
 
 
日にちが近づくにつれて、毎日のように彼は言う。
 
「ちょっといいアイディアがあるんですけど、私は行きませんから無理ですね」
 
「車があったら便利かなと思うんですけど、私は恥ずかしいですし。運転だけしましょうか」
 
「私は無言で運転しますから、目的地についたら私は一人で買い物に行くということでどうですか」
 
「お二人のお名前は何でしたか。こないだ教えてもらいましたが、すぐに忘れるので練習しておかないとと思って」
 
「私は糸切り餅が食べたいです」
 
 


結局、夫も参加することになった。
 
「そんな、私が行ったら皆さんに気を使わせてしまいますよ」
 
そう言いながら、滋賀県の地図を嬉しそうに眺めていたのを私は見逃さなかった。
 
 
当日の待ち合わせは彦根駅。
ホームのようなアウェイのような不思議な感じがする。

滋賀に詳しいのりまきさんがいろんなプランを提案してくださった。

彦根城
キャッスルロード
琵琶湖ランチ
河内の風穴
多賀大社
糸切り餅
たねや

こうなったら、全部行きたい。
一日で全部まわれるかわからないぐらいの盛りだくさんなプランだ!
 

ポン子さんからメッセージが届いた。
 
「じゃあ、待ち合わせは11時ごろでしょうか?」
 
これだけのプランが出た後で、11時集合にできるポン子さんだ。
これがポン子さんがポン子さんである所以なんだなあと、お会いする前から感動する。

「11時は遅いと思います」

すかさずおっしゃったのりまきさんのスピード感と、その後のポン子さんの返事。
お二人のメッセージを読んでいるだけで、会う前から楽しみが増した。これは、当日楽しくならないわけがない。
 
その後、ポン子さんは干支の漢字を調べ出し、検索に時間をとられすぎたとして、LINEから突然消えた。
スペイン人もびっくりの軽やかさだった。


 

当日のプラン


 
【待ち合わせ場所】
午前10時、彦根駅
 
【目印】
・キノコヘア、湿度でちびまる子ちゃんみ増し(のりまきさん)
・ダンサー(ポン子さん)
・七三陸上部、唐草かばん(私)
 
【テーマ】
思春期
中二男子と高校生
 
【ランチ】
オープンスペースで四方に空気が流れているところ
晴れていたら琵琶湖ランチ
 
【デートコース】
天気に合わせて、彦根城、キャッスルロード、琵琶湖ランチ、河内の風穴、多賀大社、糸切り餅、たねやなど臨機応変に。
 

目印は、わかったような全然わからないような感じだ。
いざとなったら、彦根駅前でダンサーのポン子さんに踊ってもらおう。
 
アンダルシア田舎から持ってきたお土産を車のどこに置いたら最後までお二人に見つからないか考えた。
夫は、誰も頼んでいなかったが、滋賀県の地図を毎日見ながら、どの順番でまわるか計画を立てた。
 

彦根城


検温パニック


 
当日、かなり早起きをした。

パンデミア以来、外で食事をしたことがなかった。
春に誰もいないバルでコーヒーを飲んだぐらいだ。

アンダルシア田舎では、基本的に徒歩圏内を活動範囲としている。
車も自転車も持っていないからだ。

それがどうだ。
今日は「デート」だ。
中二男子のような心持ちになる。
中二男子もデートの前はきっと早起きするに違いない。


人に会うので、念のため体温を測る(当時、日本では出かけるたびに検温をしていた)。
36.5度。
よし、問題ない。
 
夏なのに朝から雑炊が食べたくなった。
食べた。
 
出かける前、なぜかまた体温を測った。
37.2度
 
あれ?
ちょっとあせりながら、車に乗り込む。
なぜか体温計も車内へ持ち込んだ。
 

数日前に抗原検査を済ませ、その後は誰にも会っていない。
しかし、今日は一日ご一緒するお二人に、ご迷惑をおかけするようなことがあってはならない。有給まで取って頂いているのだから。
 
やめりゃいいのに、心配になった私は、その後も車内で何度か検温する。
車は動いているし、私の体も微妙に動いている。
 
夫も私も37度。
 
あら、どうしよう。
車内からのりまきさんとポン子さんに連絡する。
 
 
「興奮しているんじゃないですか。大丈夫ですよ」
 
のりまきさんからお返事がある。
 
確かに私はとんでもなく興奮していた。
夫からも、落ち着いてくださいとなだめられる。

今から考えると当時の自分の行動がよくわからないが、その後も数分ごとに体温を測り、そのたびに上がったり下がったりする数値を見てパニックに陥っていた。
 
運転している夫が冷静な声で諭す。
 
「ほら、あなたは今日は朝から興奮しているんですよ。大好きなお二人にお会いできるから。私なんて、こんなに冷静ですからね。そんなに心配するなら、もう一度測ってみればいいじゃないですか。私も測ります」
 

順番に測定する。
 
37.5度、37.3度
 
 
ぎゃー!!!
 
今度は夫が叫ぶ番だった。
 
もう、これはお会いしないほうがいいかもしれない。
今すぐ帰った方がいいかもしれない。
 
彦根駅到着を目前にして、車内は大混乱だった。
 
ああ、何をしているんだろうこんな大事な日に!
 

郵便ポストに彦根城が

デート始まる


彦根駅前に、お二人らしき姿が見えた。

笑顔で手を振ってくださっている。
あれは、のりまきさんとポン子さんに違いない!
 
 
私としては、落ち着いてご挨拶をしたかった。
最初ぐらい、もう少しかっこよくきめたかった。
 
それなのに、車を出てやったのは、「かっこいい」が聞いたら腹を抱えて笑うぐらい、かっこいいからかけ離れていた。
 
あの!えっと、すみません、体温がですね、車内で測ったらなぜか高くてですね!朝は大丈夫だったんですけど、これもう5回ぐらい測ってまして。めちゃくちゃ元気なんですけど、もし何かあってはいけないので、今日もうこのまま帰ったほうがいいかとも思っているんです。どうしましょう!
あ、はじめまして!!
 
今思い出しても、とても恥ずかしい。
私だったら、初めて会う人がいきなりこんなわけのわからないことを言い出したら、帰るかもしれない。

 
夫にいたっては、車から出てこない。彼は彼で車内で検温パニックと静かにたたかっていた。
 
突然車から出てきて体温がどうのとうるさい私を前に、きっと引いていたであろうお二人は、帰らなかった。
それどころか、大丈夫大丈夫、興奮してるんですよと笑顔でおっしゃった。
 

お二人の笑顔を見て思った。

落ち着かなければいけない。
 
落ち着こう。
 
呼吸を整える。

  
 
その後、落ち着いて検温したら二人とも平熱だった。

一体何をやっていたんだろう。
 
食事(雑炊)後、
異常な興奮状態で、
真夏の車の中で、
何度も何度も検温するものではないことを学んだ私たちだった。
 
そんなわけで、お二人にお会いする前から、今日はもう終わった感でいっぱいだった。 
 


 
彦根城に向かった。

夫は、え、ここで?とのりまきさんとポン子さんが言った場所でUターンをした。
彼も検温パニックが抜けきっていなかったのかもしれない。
 
 
後部座席には、noteでやりとりしてきたのりまきさんとポン子さんがいらっしゃる。
お二人の会話のリズムと大阪弁が心地よい。
 

はじめましての瞬間もそうだったが、今思い返しても、最初から最後までお二人のまなざしがとても温かかった。
 

彦根城近くで駐車場を探しているときに思った。
 
ああ、もう大丈夫
 

うまく説明できないが、お二人がまとう空気やそこにいらっしゃる感じがとても自然で、私の好きなものだったことも大きかった。

とび太くん。
彦根バージョン。


実際、私はのりまきさんの声の持つ色気にノックアウトされ(色気がすごいと興奮気味に何度も言ってしまった。半ばセクハラのようだった。改めて、お詫び申し上げたい)、ポン子さんの天真爛漫で軽やかな様子ににこにこ笑いが止まらなかった。心のままに溢れ出るスペイン語や英語の言葉の自由さといったら!
もしこの日会う前にどこかでお二人においでと声をかけられていたら、二つ返事でついていった可能性がある。私はこういう魅力的な女性にめっぽう弱い。

彦根城に行く途中、とび太くんを見かけた。
滋賀県の人気キャラクターである。


なぜか私はこれを「飛び出し太郎」として覚えており、この日はずっと太郎、太郎と呼んでいた。優しいのりまきさんは私に合わせてくださっていたが、帰ってから調べたら、とび太くんという全然違う名前だった。何をやっているんだろう。
 
初めて会う人の前ではほとんど話さない夫は、この日はとても饒舌で、途中からはお二人に敬語を使わずに話していた。
おやじギャグみたいなことまで言っている。
というか、しゃべりすぎである。
 
検温パニックの混乱が抜けず、最初の方ずっと緊張していた私は、そんな夫をちょっぴりうらやましく見ていた。

なんだこの和やかな様子は。
夫はすっかり打ち解けているじゃないか。
 
「楽しいです!楽しいですねえ!」
 
夫が言う。

のりまきさんとポン子さんもとてもリラックスしていらっしゃるように見受けられる。となると、未だパニックが抜けきっていないのは私だけか。ほうじ茶アイスクリームに力を借りて、自分を落ち着かせた。

帰ってから気づいたが、かばんに入れていたRICOHのGXカメラは、取り出しもしなかった。
検温パニックの影響の大きさがわかる。 

彦根城から琵琶湖を望む。
まだ緊張中



「彦根城の形がひこにゃんぽい」

そんなポン子さんの名言とともに、私たちは彦根城を後にした。
あれから何度か思い出したが、ポン子さんてやっぱりすごいと思う。
 

キャッスルロードを歩いた後、昼ご飯となった。
 
近江牛ハンバーガーだ!

久しぶりの外で食べるご飯。
しかも日本。
しかも彦根。
しかもデート。

感染対策のため、距離をとり黙食となったが、
目が合うたびに
えへへ
へへへ
と笑う私たちの間には、青春の嵐が吹き荒れていた。



ポン子さんと夫が食後にコーヒーを買いに行った。
その間、のりまきさんと私はあれやこれやの話をする。
お会いする前から、どこか共通するようなものを感じていたのだけど、今回お会いしてお話しして、その思いが一層強くなった。
帰宅後、夫が「のりまきさんは、ちょっとあなたみたいですね」と言った。
これについては、またいつかのりまきさんとお話ししてみたい。

さて、ポン子さんたちはいつまでたっても帰ってこない。
 
コーヒーを買いに行ったにしては遅いなと心配し始めたころ、
にこにこ顔で二人が帰ってきた。
それを見たのりまきさんと私は顔を見合わせてほほ笑む。 
なんかいいなあ、この感じ。
そして、夫とポン子さんは、どこか似ている。

その後、お土産屋さんをいくつか覗いた。
のりまきさんは、デザートを求めにゆき、夫は醤油についてポン子さんに力説していた。みんなを見ながら、それぞれのペースがあって、誰も何も言わないのが(多分思ってもいない)いいなと思った。


またね、彦根城!!


糸切り餅クエスト


彦根城の後は、多賀大社へ向かう。

私の3秒写真には、構図も何もない。


車に乗るとき、思った。

今こそ、スペイン土産を渡すときだ!


私はサプライズプレゼントをするのが苦手である。
第一に、プレゼントを用意したことで嬉しくなってしまいすぎる。
この日も、失敗した。
失敗したが、優しいお二人は驚いてくださったので成功とする。



さて、多賀大社と言えば糸切り餅。
糸切り餅と言えば多賀大社。


のりまきさんと夫は、何としても糸切り餅が食べたい。

しかし、多賀大社前のお店はほとんど閉まっている。
お盆の後だからだろうか。

炎天のもと、糸切り餅を求めてふらふら歩く四人が面白く、何枚か写真を撮った。

多賀大社!


糸切り餅は、とうとう手に入らなかった。
今度は絶対に食べましょう!
鼻息荒く約束をした。

実は、後日、新幹線の駅で糸切り餅を見かけた。

「のりまきさんと一緒に食べると約束しましたから!」

そう言って、糸切り餅を遠くから眺めるだけにした夫は、糸切り餅と
お二人との再会を楽しみにしている。


ところで、「ぶりっこ」は昭和世代でぎりぎりアウト、と学んだのはこの日の多賀大社でだった。最近は「ぶりっこ」と言わないらしいが、代わりに何と言うのだろうか。

出来立てのバウムクーヘン


ラ コリーナに向かう。

ここの焼き立てのバウムクーヘンはとにかくおいしい。

閉館間近だったが、焼き立てを無事購入できた。

のりまきさんと夫と私は、近くのテーブルで焼き立てをほおばる。

おいしい!
おいしいねえ!

思わず声が漏れる。

ポン子さんがどこかへ行った。

もう閉館するというときに戻ってきたポン子さんは、
焼き立てバウムクーヘンではなく、別のスイーツを持っていた。
このあたりにもポン子さんのアルテを垣間見た気がした。
そして、そんなポン子さんをからかうのりまきさんのまなざしは温かい。

また来年食べたい焼き立てのバウムクーヘン。
ポン子さんも次回是非。


そろそろ日が暮れる。

ああ、この楽しい時間がもうすぐ終わってしまう。

あっという間に食べてしまったバウムクーヘンの空箱を見ながら思う。

楽しい時間。

夫も連呼していたが、とにかく楽しかったのだ。


初めましてだけど、ちっとも初めましてじゃなかった。

この2年間、日本とスペインと物理的な距離はあるとはいえ、noteという空間を通してお二人との距離は知らない間に縮まっていたのかもしれない。

思ったよりも私たちは近くにいたのだなあと思った一日だった。
そして、noteをやっていてよかったなあと改めて思った。

駅に向かう途中、もっとこのお二人と話してみたいなあ、次はいつ会えるかなと何度も思った。


ラ コリーナの道



その夜、みんなが夢に出てきた。
そこでは、楽しかったデートの続きが行われていた。

よほど楽しかったんだろうな、私。

 
私はついばたばたしてしまい、気持ちを言葉で上手に表現できないのだが、それも含めてお二人は受けとめてくださっていたのだろう。
改めてこの一日を振り返り、いやこの一日だけでなく、デート前後のやりとりを含めて、このお二人ともっと仲良くなれたらいいなと思った。
 

改めて思うこと


 
四カ月ぶりに初デートを振り返ったら、胸の高鳴りを感じた。

あの後、しばらくしてポン子さんはメキシコへ向かわれた。
滞在記が更新されるのを私は楽しみに待っている。
その後のお話も個人的に聞いてみたい。

のりまきさんは、世界多分一周旅に間もなく出発される。
今年中に彦根デートについて書きたかったのは、のりまきさんへのエールもあった。

目下、仕事の引継ぎや旅の準備で忙しくされている頃だろう。
いろいろと考えることも多くなる時期かもしれないが、どうか風を切って歩いていってもらいたい。まる子のままで。

先日、日本から遊びに来た先輩が言った。

「海外に出て、ねじが外れちゃったみたいなのよね。ジーンズのポケットにレシートを入れたまま何回か洗濯しちゃって。後で大変なのよ、よれよれの紙くずを取るの!こんなこと、日本では絶対なかったのに」

そう言って笑った先輩の顔はとっても素敵で、日本にいた頃よりも、先輩がもっと近くに感じられた。仕事ができ、クライアントにも部下にも頼られ、みんなが尊敬している人だ。いつも明るく何をしても完璧で、弱音を吐いたところなど見たことがない。そんな先輩がレシートを入れたまま洗濯をするなど想像できなかった。
だからこそ、ああ、いいな、と思った。先輩が旅することを決めた理由を聞いていた私は、もっともっとレシートを入れてくれ、洗濯機に、と思った。

実際、こっちで会ったときの先輩の表情はとても柔らかかった。
先輩は話している最中に何度か涙を流した。
二人で先日亡くなった上司のことを話しているときや、先輩の個人的な話をしているときに。

とってもいいな、と思った。


「日本でも、そのぐらいねじを外しておいてください」

次はポルトガルに向かうという先輩に伝えた。
そして、日本ではしたことなかったけど、スペインだから、ぎゅうとハグをした。

だから、のりまきさんにもえらそうに申し上げたい。

ねじを一本も二本も外して、のりまきさんだけのための旅を。

特に大人になってからは、仕事を辞めて海外に行くとか、旅に出るとか、パートナーと別れるとか、何十年ぶりに学校に通うとか、これまで歩んできた道から大きく方向転換をするときは、いろいろな声が届けられるときでもあると思う。

応援や背中を押す声もある一方で、心配だから、あなたのためを思ってとかから始まる声もあるかもしれない。

のりまきさんのnoteを読んでいると、自分がエルサレムに行くと決めたときのことを思い出す。

出発後、世界のあちらこちらから届くあなたのnoteを心待ちにしている。
スペイン田舎では、夫が味噌を持って待っている。
私はあの時の話の続きを待っている。
noteの中には、のりまきさんのnoteを楽しみに待っている人たちが何百人といる。
これから行く国々で、のりまきさんと出会う人たちはとてもラッキーである。
旅先で訪れるであろうたくさんの出会いやおいしいご飯を想像したら、私までドキドキしてきた。
ところで、その御姿はもちろんのこと、そのお声は多くの人を魅了するだろうからお気をつけください、とも付け加えておく。私みたいに、あなたに声をかけられたらついて行ってしまう人がたくさん出てくるかもしれないから。

応援しています。


話がずれたが、以上が四カ月遅れでの彦根デートの振り返りである。


2年前に始めたnoteで、私の世界は広がった。

ここアンダルシア田舎で日本語の本は手に入らなくても、noteを開けば、大好きな皆さんが書かれる文章がある。
落ち込んでいるとき、くさくさしているとき、noteを読むと元気をもらうことが多い。
思いがけないところで気づきをもらったり、自分を戒めたりするきっかけも頂いている。
私のしょうもないぼやきや毎度のてんやわんやにコメントをくださる方、一緒に怒ってくださる方、笑ってくださる方、共感してくださる方、応援してくださる方、スキをくださる方。皆さんの存在は、皆さんが思っていらっしゃるよりも100倍ぐらい大きいです。

のりまきさんとポン子さんにお会いできたのは、noteをやっていたから。

今、つながってくださっている皆さんとお会いできたのもnoteのおかげ。
全く、noteとは不思議な場所だ!


のりまきさん、ポン子さん、
近いうちにまたお会いできるのを楽しみにしています!
!Os quiero!

この記事が参加している募集

#noteでよかったこと

48,357件

#夏の思い出

26,374件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?