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【ネタ記事】家のシェーバーにインタビューしてみた

2022年の始まりにこんな記事を書いた。

インタビューした際の実際の音声はこちら。

2021年9月からインタビュアー見習いとして、自分の身近なヒトにご協力いただき、そのヒトの半生をインタビューさせてもらっている。自分なりに試行錯誤しながらインタビューに取り組んではいるのだが、如何せんまだまだ素人の域を出ないので、場数を踏むためにも"モノ"にインタビューしていこうと思ったのがきっかけだ。その一発目が長年愛用している"家の髭剃り"であった。

そんな1月中旬のある日、普段メールなんてしてこない父親からこんなメールが届いた。


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奇跡が起きた。





え、俺の髭剃りインタビューの記事見たん?
タイミング良すぎひん?
怖。





確かに正月実家に帰ったが「髭剃りが欲しい」なんてことは一言も言ってないし、ましてや「インタビュアーやってます」なんて恥ずかしくて口が裂けても言えないので"髭剃りにインタビューしてみた記事"を父親が知る由もない。

なんなら今使ってるラムダッシュの髭剃り、通称ラム兄にインタビューした後から、急に愛着が湧いてきて「あと10年ぐらい使いきろう、、、ラム兄が燃え尽きるまで、、、」と思い始めた矢先だった。

長い結婚生活で冷め切った夫婦の日常に、インタビューを通じて一筋の光が差し込んだと思ったら、、、、急に恋愛ドラマの無邪気な恋敵みたいなことすなよ親父。"髭剃りプレゼントしちゃいました"みたいなTBS系の新ドラマみたいなことすなよ親父。御年75歳。





1月28日の僕の誕生日に、自家栽培で育てた野菜と共に本当にブラウンの髭剃りを持ってきた。

「今まで以上に一日の始まりを気分ようスタートしてやっ!」
(スタートしてやっ!てちっちゃい「つ」はええねん!ルンっとすな!)

まぁでも普段メールもしてこない、ましてや誕生日に、息子に、プレゼントなんてしたことのない父親からの贈り物は、受け取らざるを得ないのが現実。素直にありがとうはありがとうなのだ。

ラム兄と僕、僕とブラウンのシェーバー

全10話のうち、3話で打ち切りになるであろうTBS系ラブコメディー"髭剃りプレゼントしちゃいました"の初回が今始まろうとしている。

インタビューでヒト柄ならぬモノ柄を炙り出してから、僕の髭を差し出してやろう。

ということでモノへのインタビュー、モノタビューの第二弾は、ブラウンのシェーバーにしてみることにした。

※以下記載されているインタビュー的な文章は、私がインタビュアーとして質問し、私がモノに成りきって答える"セルフインタビュー形式"を取らせていただいております。

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【プロフィール】ブラウンシェーバー シリーズ7さん

2020年生まれ。ドイツで生まれ、日本に留学。帰国することなく、そのままジャパネットたかたに入店する。その類まれなるボディーとシャープなスタイルでお客様を魅了。替え刃と鼻毛カッターのセット販売につられた75歳の男性に購入される。人工知能と音波テクノロジーを搭載した次世代型シェーバーとして深剃りと肌への優しさを両立している。
好きな車:ランボルギーニ・レヴェントン



髭剃りではなくShaver!

ー本日はよろしくお願いいたします。実際にお会いしてみると写真で見るよりシャープですね、めちゃめちゃスタイルいいです。

あぁ、スタイル?ありがとう。言われすぎて逆に新鮮だわ。

ーそうでしたか、それはすいません。すれ違ったら誰しもが二度見するんじゃないかなと思いました。髭剃りとしては№1のビジュアルじゃないですか?

あ?今、なんつった?

ーあ、、、"髭剃り"としては№1のビジュアルじゃないですか?と。

インタビューを受けるにあたってのNGワード聞いてないの?俺は自分のこと"髭剃り"ってカテゴライズされるの大嫌いなのよ。なんかおじさんぽくてダサいし、モサい。俺は髭剃りじゃなくて"シェーバー"。言える?はい、Shaver!

ーシェ、シェ、、シェイバー?

違うよ!発音が全然違う。これだからおじさんは困るんだよ。もう一回ちゃんと聞いててよ?Shaver!シェとバーの間に「イ」を入れるんじゃなくて、スッとそのままシェーバー!でいいのよ。

ーすいません、私英語がすごく苦手で。。えー、、シェーバー?

ん?今「シャーオラー」って言った?亀田?亀田兄なの?ふざけてんの?亀田兄の「シャーオラー」ってよく考えたらなんなの。一つも Shaver!にかすってもないよ。もういいわ、とりあえず髭剃りっていうのは止めてね。シェーバーね、Shaver!



ジャパネットたかたへの入店

ー大変申し訳ございません。事前のNGワード等の確認不足でした。今のお話で改めて語学がご堪能だなと感じたんですが、ドイツでお生まれになったんですよね?

そうだね、のちに日本に留学することになるんだけど、ドイツのフランクフルト生まれ。ドイツはよかったよ。ソーセージとかビールも美味しいしね。でも日本も好きだよ。

ー日本のどういったところがお好きですか?

やっぱり四季折々なところかな。過ごしやすいのはもちろんのこと、春になれば桜が咲いて、夏になればひまわりが彩りを加えて、秋になれば紅葉で癒されてさ。あっ俺キンモクセイの匂いも大好き、なんか切なくなるじゃん。ドイツも四季はあるんだけど全体的にもっと寒いんだわ。
あとはモノに対するこだわりかな。ドイツもそうだけど、日本はモノに真摯に向き合ってくれている感じがするよ。俺のことを隅から隅までちゃんと見てくれてる。それもあってジャパネットたかたに入店した。

ーシリーズ7さんのビジュアルと機能ですと、引くて数多だったと思うんですが、なぜジャパネットたかたさんに入店されたんですか?

だからさっきも言ったじゃん!俺のことを隅から隅までちゃんと見てくれると思ったからだよ!初めてテレビで見た時、腰抜かしちゃってさ。1時間ずっと注目してくれんじゃん。そこいる?っていう特徴まで言ってくれんじゃん。実験とかまでして自分の良さ伝えてくれんじゃん。そこまで自分に注目が集まることって普通はないぜ。

ー確かにそうですね。実際シリーズ7さんの放送回は一瞬で完売したとお伺いしました。

その話聞いた?もう一瞬だったわ。一瞬。嵐のように来て嵐のように去る男とは俺のことだぜ。確かに"替え刃"と"鼻毛カッター"がセットだったっていうのもあるけど、そんなものなくったって売れるってPには何回も言ったんだけどね~、あぁ、Pってプロデューサーね。鼻毛カッターって髭男爵の樋口くんかよ!

ーその一夜の放送で、ものすごくお稼ぎになったとも聞きました。

あんまりそんな下世話なこと言うんじゃないよ!ランボルギーニのレヴェントン一括で買ったわ。1億6,000万。


シリーズ7のセールスポイント

ーびっくりです。一夜にして億万長者になれるんだという驚きと、ランボルギーニを一括で買われるという豪快さ。夢がありますね。

夢があるよね。ホント夢がある。でもお客さんのところに届いてからが俺の勝負だからさ、地に足つけて頑張らないといけないと思ってるよ。

ー素晴らしいですね。お客さんに対して「自分はこういうベネフィットを与えることが出来るぞ」というセールスポイントはどういうところですか?

セールスポイントはたくさんあるよ。Are you ready?準備はいいかい?

ーあっ、、Yes I am...こちらも準備万端です。

俺は4カットシステムで人工知能・音波テクノロジーを搭載した電気シェーバーなんだ。敏感肌のお兄ちゃんから深剃り希望の旦那まで、5段階の音波カスタムボタンで調節可能。最短距離で深剃りと肌へのやさしさを両立するんだ。この両立が中々難しいんだぜ、深剃りしたら肌が傷ついちまうし、優しすぎると髭が剃れなくなっちゃうからね。シェーバー界の大谷翔平って呼んでくれよ。

ー言われてみれば確かに難しい。まさしく二刀流ですね。逆にお客さんに対して自分をこういう風に使ってほしいという点はありますか?

俺はいつでも身だしなみだけはきれいしたいもんだから、出来るだけ清潔に使ってほしいと思ってるよ。お尻のところに"hygiene"、いわゆる衛生メーターがあるから常に俺のお尻だけ見ていてほしい。
で、俺は世界で唯一の全自動4段階アルコール洗浄システムも搭載しちまってるから、それでガシガシ洗ってほしいよ。99.9%除菌可能で、水道水で洗浄するより10倍衛生的だ。ここまで機能を兼ね備えてるんだぜ。他のシェーバー、いや特に"髭剃り"とは一緒にしないでほしいよ!

ーブラウン7さんのセールスポイントに"我こそはブラウンのシェーバーなり"というプライドのようなものを感じました。最後に唐突ではありますが"今の自分にモヤモヤしているヒト"に向けてメッセージをいただけないでしょうか?

モヤモヤしているヒトへのメッセージ?あぁ、いいよ。言うぜ。

モヤモヤしてる前に今の自分を全部出し切ったのか?隅から隅まで自分の良いとこ、悪いとこさらけ出したのか?それでダメなら自分の見せ方を変えて、少しでも昨日の自分と違う自分で勝負したのか?モヤモヤしてる暇なんてねーんだよ!下向いてる暇なんてねーんだよ!自分の細胞一つ一つに問いかけて勝負したのかってんだよ!少なくとも俺は雇い主の髭を剃る時は、肌の奥底にある細胞一つ一つに音波を届けて剃ってるよ!そこまでやって初めてモヤモヤしろ!わかったか!以上!

ー最後に力強いお言葉をいただきました。今日はありがとうございました!



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編集後記

正直約9年間連れ添ったラムダッシュの髭剃り、通称ラム兄を見捨てるわけにはいかない。ブラウンのシェーバー7さんにインタビューをして改めてそう思った。

ラム兄は自分のことだけではなく、自分がシェアを大きく奪うことになったT字カミソリにも配慮をしながら、髭剃り界全体のことを考えて発言しているように感じた。昔かたぎな義理人情の世界で生きてきた男。今まで雇い主の髭に向き合ってきた経験が、一つ一つの言葉に裏打ちされていた。

それに比べてシーズン7さんは、自分さえよければそれでいい、とにかく外見にこだわり物欲主義であることを隠そうともしない男。そこに"他人"は存在しない。主役はあくまでも"自分"、自分の成長にしか興味がない。そこに他者、いわゆる顧客は存在するのだろうか。

ただ、インタビューが終わった後にボソッと呟いた一言が印象的だった。


モノを外見だけで判断しないでほしい


その言葉には自分のシェーバーとしてのスキルや機能にこだわり尽くしたモノのプライドが垣間見えた。まるで今球界を賑わせているBIGBOSSのよう。

球春到来、4月の開幕から日本ハムファイターズの新庄BIGBOSSの進化が問われる。いや進化ではない、中身が問われるのだ。

僕もシーズン7さんが発する言葉や外見だけで判断するのではなく、実際に使用するという形で真摯に"中身"と向き合っていきたいと思う。

ラム兄の晩年を汚すことなくどうお付き合いをしていくべきか、答えはそれからでも遅くない。


※ちなみに僕の父親がなぜ髭剃りをプレゼントしたかというと、正月に私が実家に帰った際、家電量販店の広告の髭剃りの部分を重点的に眺めていたらしく、ちょうど父親が以前にジャパネットたかたで購入したブラウンのシェーバーが未開封で残っていたためだそうです。

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