『A2』(ドキュメンタリー映画)

視聴環境:U-NEXT

【内容】
森達也監督によるオウム真理教(宗教団体アレフ)に関する2001年公開のドキュメンタリー映画『A』の続編。


【感想】
自分の住む地域にいきなり事件を起こしたばかりのカルト教団であるオウム真理教が越して来て、地域住民が団結して監視小屋を建てる…
そこには、『人殺しカルト集団オウム真理教は出ていけ!』などの看板が立てられおり…
沢山の報道陣詰めかけ取材合戦が行われている。

と、ここまでは当時の報道などで知っていましたが、実は…
当初は没交渉だった近隣の住民たちが監視小屋に集まることで、交流が始まり、地域社会として活性化していき…
オウム信者が引っ越して来た当時は、物凄く忌み嫌っていたはずの地域住民が、オウム信者と仲良くなって、一緒に笑いながら写真を撮ったりするようになっていく。
なんだそれっていう展開…


オウム信者に取材した毎日新聞の記者は、その信者と同じ大学の同級生で、オウムの取材して、記事まで書いているとか…
2人話している時は、旧友としてはなしているのに、あくまでも取材と微妙な関係性を撮っていたりして、なんか凄い場面だなあと感じたりしました。

あと、『A』の時にはメインで取材されていた荒木氏が数年で物凄く疲れた感じになっていたのも印象的でした。
あれだけ、オウムの広報官として報道などで顔出ししてしまうと、他に選択肢がなくなってしまったんだとは思ってりして…


どのエピソードも、報道されない裏側というか意外性を含んだ事実が垣間見れて、とても興味深かいなあと…


良いとか悪いとかいうことを越えて、当時というか今の日本社会を反映したような不思議な状況に、何とも言えない気持ちになりました。
これがよくある結論ありきで作られたドキュメンタリーや創作のドラマで見ることの出来ないドキュメンタリー映画なのだと思ったりしました。
何かが起こると、良いとか悪いとかを関係なく色んなバタフライエフェクトが起きていくことの興味深さ…
とは言え、全然オウム真理教が行ったことに関しては、絶対的に否定的な気持ちしか湧いてこないことも事実としてはありますが…

https://filmarks.com/movies/21045

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