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『白隠フォーラム 英一蝶と白隠』(冝雲寺(一蝶寺))

先日観に行った『大吉原展』で、見掛けて気になっていた英一蝶についての講演会があるとのことで、行ってみることにしました。
開催したお寺である冝雲寺は、英一蝶が仮住まいさせてもらっていたことがあるとのことでした。
室内は50脚以上のの椅子を並べた本堂にびっちり人が入っていました。

禅宗である臨済宗の中興の祖である白隠と、三宅島に流刑になったことのある英一蝶についての講演とのこと。
臨済宗系の定例的に行われている勉強会の一環で開催されているそうです。
トイレ待ちしていたら、「私は静岡からきました」とかといった会話が聞こえてきたり…
実はインサイダーな感じもある集まりで、結構その高名な学者さんが来られているとの話しがあったり、独特な雰囲気の会でした。

講演の内容としては、白隠が、一蝶の絵から影響を受けた絵を描いていたのでは…
なんなら、2人は会っていたのではないかなとなどの話がありました。
また、実際に展示してあった英一蝶の作品に、白隠の書と思われるものが書かれているのではないかなんて話があったりしました。そちらの分野には、詳しくもなく、そこまで興味のない自分にとっては、へーそうなんだあ…といった感想しか持てなかったりもしますが…


会場の片隅に、実際の英一蝶の掛け軸が3幅掛けられており、休憩時間に間近に眺めることが出来ました。『大吉原展』にあった絵は稚拙さを感じる物でしたが、今回観れた絵は、かなり達者な筆運びと、生き生きとした人物描写の作品でした。
というか、あの藝大美術館で展示されていたのは、本当に一蝶の作品だったのかなあと、ふと思ったりしました。あの絵はあまりにも稚拙だったなあと…
今回展示(?)されている掛け軸は、トークしている横に吊るされ、その前を扇風機がブンブン回っていたりして、なんかラフな感じだなあと…
まあ窓は開けられていましたが、クーラーのないという室内は結構暑かってので、仕方ない面もあるとは思いましたが…
まあ、こうしたインサイダーな集まりならではのラフな感じで、貴重な作品を間近で観れたり、そうした人たちの話を聴けるというのもこれはこれで悪くないなあと思ったりしました。

その中で、禅は直接の説明ではなく、比喩的な表現でその教えを解くとか…本とかでは目にしたことがある禅宗的な理屈も、研究者やああした場で語られると、なるほどこうした空気感で語られうる物なのかという感覚もありました。

暑いこともあって、講演中は途中しばらくぼーっとしながら聞いていたりしていたのですが、終わりの頃は、窓から涼しい風が吹き込んで来ました。

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