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『デビット・ホックニー展』(東京都現代美術館)

11月までで終了するということで、気になっていた現代アートの画家デビット・ホックニーの展覧会(東京都現代美術館)に行って来ました。

ポップな感覚の作品群で、観ていて元気にもらえた展示でした。

作品は初期の油絵やドローイングから、版画作品、写真のコラージュ。
そして最近の作品としては、動画を利用した作品や別の人間にCG作成を依頼して作成した作品、iPadを利用したドローイングなど、様々な種類の作品が並んでいました。

現役のアーティストとして活動し続けれている作家だけあって、色々とやっているわりに様々な表現を試みているなあと…
とはいえ、色彩感覚の良さ、独特なモチーフの捉え方、センスの良さなどを感じる作品も多く、楽しく鑑賞出来ました。
また、キュビズム的な作品や、キュビズム的な捉え方を写真のコラージュとして表現していたりして、そこら辺は現代アートに人ぽいなあと思ったりもしました。

普通は歳をとっていくと枯れていってり、イマジネーションが萎んでいくイメージがありますが、ホックニーの場合は逆に力みが抜けてカラフルな方向に向かっているといった印象を受けました。それが、またいい感じの年の取り方だなあとも感じました。


また今回の展示では、ロイヤルアカデミーの壁一面に展示するための作品というかなり大きな作品も展示されていたました。
かなり大きなボートを50枚を縦横に並べた巨大な絵画で、アトリエでは10枚ずつしか並べて描けないとのことでした。
制作過程を解説した動画も上映されており、そうとう労力をかけて作っている様子が伝わってきました。
高齢の画家がコンピュータを使って、一気には描けない大きさの作品を完成させていく…
意欲的だし、気力、体力のいる作業だなあと感心したりしました。

その他、iPadのドローイングツールで描いた絵画などもあったりしました。正直、大きく引き伸ばした作品は、ディテール、マチエールの弱さが目立ち、単品の作品としては厳しいかなあと感じました。
が、絵巻物のように超横長の作品は、マチエールなどの弱さを感じつつも、なかなか良い感じだと感じました。
長い絵の横をゆっくりと歩いていくと、気持ちの良さや爽快な感じ、気持ちいい散歩をしているような気分になったり…

画集では観たことがありましたが、実際の絵画の方が断然魅力的で、行って良かったなあと思った展示でした。

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