『没後50年 映画監督 田坂具隆(国立映画アーカイブ)』〜国内外で評価された監督の軌跡に触れる、田坂具隆展を訪れて
【内容】
戦前、戦後に活躍した『ヴェネチア国際映画祭映画祭』での受賞やその他、数々の受賞歴のある映画監督の田坂具隆に関する展示。
【感想】
たまたま近くに用事があったので、国立映画アーカイブの展示室に立ち寄ってみました。
国内外で評価された映画監督とのことでしたが、私自身は不勉強で、これまで彼の作品を観たことがありませんでした。山田洋次監督が映画監督を志すきっかけとなった作品を撮った人物で、後世への影響も大きい監督だと知り、改めて興味が湧きました。
展示では、数々の有名俳優が出演した作品や、多くの賞を受賞した映画が紹介されていました。また、監督が広島で被爆し、その後4年間の闘病生活を送り、体調不良に悩まされ続けたことにも触れられていました。今ではあまり作られなくなった文芸映画で評価された監督であり、彼の作品には当時の時代性を強く感じさせました。
今回の展示を観て、ちょっと作品を観たくなり、試しに加入している配信サービスで監督の作品を調べたところ、意外にも多くの作品が配信されていました。良い機会ですので、まずは代表作から観てみようかと思います。
そういえば、展示室のある建物に入ろうとしたとき、「田坂具隆じゃないか!」と大きな声が聞こえてきて、思わず振り返りました。見ると、かなり高齢の男性が、ヨロヨロと歩いていました。どうやら、建物前の展示告知を見ての独り言だったようです。
展示ブースで作品を見ていると、先ほどの男性が再び現れ、口をペチャペチャ言わせながら大きな声で独り言を話し始めました。展示室には他に誰もいなかったので、私は少し距離を取って観ていましたが、なぜかその男性は私の近くに来て展示を見始めました。今思い返すと、もしかしたら話しかけたかったのかなと思ったりもしました。
これからネットを扱える年齢の人間があれくらい高齢になった時、もう数え切れないくらいのああした独り言のような投稿が今以上に爆発的に増えていくのだろうなあ、なんてことも感じたりしました。
https://www.nfaj.go.jp/exhibition/film-director-tomotaka-tasaka2024/