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採用試験を受けに行った時に見てくるべきこと・7(適性検査・教職教養編)

前回の記事はこちらになります。

今回からいよいよ採用試験の中身について論じていきます。

1.筆記試験の種類について

大半の学校(私の体感では7割以上)は、筆記試験といしていわゆる専門教養的な筆記試験のみを課している気がしています。

教科指導力につながる、教科の中の理解力について見る部分です。

これに加えて、一部の学校では教職教養や、適性検査、一般教養も課しているように思います。

今回は適性検査や教職教養、一般教養について書いていきたいと思います。

2.適性検査と課す学校とその意図

そもそも、適性検査とはどういうものか。

すでに別記事で詳しく書いてありますので内容についてはそちらをご参照ください。

これが全てというわけではないでしょうが、実際に私が過去に受験したものです。

適性検査を課す学校は、女子校大学関連校(附属や係属)に多いように感じています。

あとは、学力筆記試験(専門教養)をしない割合もそれなりにあるように見受けられる小学校でしょうか。

単純に、検査料の出費を捻出する学校側の資金力も関係しているような気もしますが、丁寧に応募してきた人を見たいという現れなのかもしれません。

適性検査を課す学校は、たいていの場合、教職教養も課している気がします。

もちろん、適性検査を課すけれど教職教養がない、教職教養を課すけれども適性検査はないという学校もあります。

そもそも、どれだけの種類の試験を課すのか、という観点でも学校の考えがにじみ出ている気がします。

私立の小学校で筆記試験をしないのに適性検査があるというのはある意味納得してしまいます。

小学校に向かないタイプの人は採用したくない、という思考回路があるように思えます。

3.教職教養とその難易度と出題傾向と意図

教職教養も課されるのか、と思うと単純に試験科目が多くて負担だ、と思ってしまってそこで思考が止まってしまう人も少なくないような気がします。

試験問題からは学校の考えが見えることもありますので、試験問題を通して学校側とコミュニケーションをとっていると考えると、逆に試験の科目数が多いのは楽しくも思えてきます。

例えば、過去に私が受けた聖心女子学院の試験には、適性検査はなかったけれども、教職教養はありました。

問題を見て驚くとともに、どういう人材が求められているのか考えるようになりました。

また自分の中でも学校に対しての向き、不向きも考えるようになりました。

大切なのは内容なのではなく(内容ももちろん大切なのはおいといて)出題してくる学校の意図です。

難易度の設定の理由、出題テーマの理由、とか。

具体例①

例えばですが、学校の保健衛生やカウンセラー等との連携について、教職教養試験の中に多めに問うてくる学校もありました。

そういう学校の試験を受けていると、その学校は保健室やカウンセラーなどと上手く連携できる人を求めているのではないかとも思ってしまいます。

私が実際に過去に働いていた学校では、スクールカウンセラーを3人雇っていた学校もありました。

もちろん、出勤する曜日の組み合わせも変えて、性別や年齢も違うタイプのカウンセラーを3人配置していました。

もともと公立で勤務していたときからスクールカウンセラーとの連携で問題を解決してきたこともあったので、自分としてはとてもありがたい職場環境でした。

しかし、スクールカウンセラーや保健室には一切頼らない、または頼り方を知らないという方もかなりいます。

様々な学校で勤務してきましたが、どちらかというと、昔ながらの、自分で抱え込んで解決しようとする人のほうが圧倒的に多いような気がしています。

私自身は、違う学校に異動する際に必ず養護教諭とスクールカウンセラーに挨拶に行くタイプなので、この学校の試験問題を見て、いろいろと考えてしまいました。

具体例②

保護者の義務とか、児童相談所などについての出題比率が高い学校もありました。

そのほかの出題を見ても、いじめ対応とか不登校件数とかDV件数とかについての割合も多かったのです。

もしかして本人だけでなく保護者にも課題を抱えているのではないかと邪推してしまいました。

学校側が毅然と対応していることも考えられますが、対応に追われることもあるからこそ、こういう問題を知っていますか、対応できますか、というように試験問題を通して試されているような気もしてしまいました。

学力偏差値帯を考えると、こういう問題とは無縁そうに思えた学校だったのに、実際は違うのかもしれない、と感じた瞬間でした。

もちろん、実際は入って中で働いてみないとわかりません。

ただ危機管理意識が高い学校なのかもしれませんし、こちらの想定以上に保護者も絡んだトラブルが多いのかもしれません。

その他の例

逆に、広く浅く、常識程度で解くことが出来る問題を大量に教職教養で出題してくる学校もありました。

このタイプの学校は、「教職教養を勉強する時間がない経験者にも優しくしたい(暗に即戦力の経験者を欲している?)」とも思えてしまいます。

他には、やたらICTについての条文が多い学校、道徳や総合について多めに問うてくる学校もありました。

教職教養試験について気になる方は以下の記事もご参照下さい。

4.一般教養試験の意図

学校によって配点や試験時間も違います。

それでも、問題の傾向から学校側の思考が読み取れることもあります。

コンピューターやタブレットの知識を問題にしてきた学校もありますし、最低限の数学力を求めてきた学校もあります。

また、4教科(国語・数学・社会・理科)の内容を英語で答えさせるというような学校もありました。

こういうところから、学校が何を大切にしているのかがわかります。

国際教育などをウリにしている学校だからこそ、4教科の内容を英語で答えさせてきたのだろうな、とか。

逆にICTに力を入れていきたいからそういうことに長けた人を求めているのかもしれないな、とか。

受ければ受けるほど、もしかしたら学校の個性や考え方が見えてくるのかもしれません。

5.まとめ

いかがでしたか。

どの見出しにも「意図」という言葉が自然に入っていますが、やはり学校にはそれぞれ考え方があるからこそ問題として出題してくるわけです。

我々が定期試験を「意図」があって作成するのと同じなのかもしれません。

今回は、教職教養と一般教養、適性検査などの学力検査意外に焦点をあてて記事にしました。

次回の記事では学力筆記試験について述べたいと思います。

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