中学3年☆天声人語くん

正しく美しい日本語と幅広い教養を培うため、毎日、朝日新聞の天声人語を書き写します。タイ…

中学3年☆天声人語くん

正しく美しい日本語と幅広い教養を培うため、毎日、朝日新聞の天声人語を書き写します。タイトルと感想は自分で考えて書いています。コメント大歓迎ですが、中学生のためお手柔らかにお願いします。 写真は僕が小学生の頃のものです。

最近の記事

忖度なき真の報道の役目は果たせているか?

どうして新聞記者になったのですかー。若いころ、よく聞かれた。おそらく記者っぽくなかったからだろう。馬齢を重ねたいまは、逆に自問することが多くなった。なぜ自分は記者をしているのか。もしやり直すなら、どんな職業を選ぶだろうかと。 1位はケーキ屋・パン屋、2位は警察官、3位がスポーツ選手・・・。この春、小学校に入った新1年生の「将来就きたい職業」だという。ランドセルの素材で知られるクラレの毎年恒例の調査である。先週、発表された。 へえと驚いたのは、ユーチューバーがトップ10から

    • ガザの悲惨な戦争被害は現在進行形

      映画におけるリアリズムとは何か。『オッペンハイマー』を観てから、ずっと考えている。原爆を開発した物理学者の半生をたどった作品で、主人公のエゴや苦悩は完璧に演じられた。しかし、被爆地の惨状を伝える場面はない。この「現実」が描かれなかったのは残念だ。それでも、これは反戦映画だと思う。 映画で戦争の悲惨さを描くとき、オッペンハイマーのように物語性を重視した作品もある。一方で、記録映像で迫るドキュメンタリーは力強い。最近、注目を集めているのは「アニメーション・ドキュメンタリー」とい

      • 世界には人間という怪物がいるじゃないか!

        レイ・ブラッドベリのSF短編集「ウは宇宙のウ」のなかに「霧笛」という作品がある。はるか大海の底から、巨大な怪物がやってくる話である。恐竜の生き残りが、灯台の霧笛の音を仲間のほえ声と信じ、会いにくるのだ。 おそらく、年齢は100万歳。絶滅を逃れた最後の一頭だという。いったい彼は何を思い、やってくるのか。そんな作者の問いが、たまらない。「100万年のあいだ、ひとりぼっちで、二度と帰ってこないものの帰りを待ている」のはどんな気持ちだろうかと。 1934年4月21日、ちょうど90

        • 戦争を止める方法はないのだろうか?

          医者になろうと思ったことはないのですか。看護師の白川優子さん(50)はそう聞かれ、ハッとしたことがある。「そういば、ない」。世界の紛争地での医療を担ってきた国境なき医師団の一員である。『私は看護師として、患者さんのそばにいるのが好きだから』 思い出すのは、シリアに行ったときのことだ。一人の高校生の少女が、運ばれてきた。空爆で両足の踵が粉々にされていた。ふさぎ込む彼女の手を何度も握り、話しかけた。一か月ほどして、少女が笑顔を見せたとき、白川さんは「看護師として、自分にしかでき

        忖度なき真の報道の役目は果たせているか?

          1人部屋に20人が暮らすガザ

          In years past, we would pray in the mosque after iftar and then visit our close relatives, sharing qatayef, a Ramadan dessert drenched in syrup. 昔は、イフタールの後にモスクで祈りを捧げ、親戚を訪ねて、シロップをまぶしたラマダンのデザートであるカタエフを分け合っていました。 These visits would present a

          1人部屋に20人が暮らすガザ

          裏金議員に言われても

          青春は若いやつらにはもったいないー。ノーベル賞作家バーナード・ショーの名言をひいたのは日本大の理事長である。「大人のやっかみ」だけれど、若いときには「可能性という道路が広くどこまでもある」のをわかってほしい、と。この春の入学式の言葉から。 「ほんまもん」とは何か。京都工芸繊維大の学長は説いた。大学の学びとは、偽物と本物の違いを見分けるようになること。AIを駆使したフェイクがあふれる世に「見極める力は人との交流で培われる」。 失敗を恐れるな。鹿児島国際大の学長は「大学は、安

          裏金議員に言われても

          今や忘れられかけている戦争のむごさ

          吉行淳之介は、重さよりも、軽さを選んだ作家だった。1970年代にベストセラーになった随筆集『軽薄のすすめ』で、重厚さを「一も二もなく良し」とするような風潮に、苦言を呈した。「必要なのは重々しいコワモテ風の姿勢ではなくて、鋭い軽薄さである」 それから半世紀が過ぎた。人気作家が「カラカイと皮肉」を込めて発したという問いかけをいま、反芻してみる。この軽薄さに満ちた人の世で、あえて彼が重厚さを嗤ったのは、どうしてか。 吉行は敗戦の1年前の夏、徴兵されている。20歳の学生だった。甲

          今や忘れられかけている戦争のむごさ

          政府、国民に何を隠している。

          激しく、反対する声があったという。明治の元号が終わった1912年、咢堂(がくどう)・尾崎行雄が東京・荒川堤の桜を接いだ苗木3千本をべいこくに贈ったときのことだ。「門外不出の国の花」を外国に贈るのは「許すことのできない暴挙」とされたからだとか。 日露戦争の講和で労を尽くした米国に、尾崎は感謝を示そうとした。だが、多くの日本人はそうした事情を知らされておらず、米国に「恩義を感じている人は少なかった」。娘の相馬雪香さんが、そう振り返っている。返礼のハナミズキは戦中、切り倒された。

          政府、国民に何を隠している。

          戦争により破壊された人生

          Since the war began, my life has been turned upside down. 戦争が始まって以来、私の人生はひっくり返りました。 My home in Gaza City, where my children and I used to hang Ramadan lights, is now destroyed and my family scattered. ガザ市の私の家は、私と子供たちがラマダンのイルミネーションを吊るしていました

          戦争により破壊された人生

          助けを求め壁をたたいた者、気づいて手をさしのべた者までもが殺されている

          「なぜおまえたちはタンクの壁を叩かなかったんだ」。パレスチナ人作家、ガッサーン・カナファーニーの小説『太陽の男たち』は、給水車の運転手が漏らす嘆きで終わる。おまえたちとは3人のパレスチナ難民だ。密入国を図って給水タンクの中に隠れ、助けを求めずに熱さで3人とも死ぬ。 小説は1963年に発表された。その15年前にイスラエルが独立を宣言し、第1次中東戦争で約70万人のパレスチナ人が故郷を追われた。12歳で難民になったカナファーニーも解放闘争に身を投じ、36歳で暗殺された。 ガザ

          助けを求め壁をたたいた者、気づいて手をさしのべた者までもが殺されている

          男女平等の実現はいつか

          「はて」と首をかしげる寅子に、朝から深く共感している。今月から始まったNHKの連続テレビ小説『虎に翼』の主人公は、古い価値観を押しつけられそうになるたび頭に疑問符が浮かぶ。舞台が昭和ひとけたの戦前だから「はて」の種はそこら中に転がっている。 お見合いの相手から「女のくせに生意気な」と言われたとき、明治民法では妻は「無能力」で、様々な行為に夫の許可が必要だと知ったとき、大学の新設した女子部法科への進学を「女だから」と反対されたとき、寅子は「はて」と漏らす。 日本国語大辞典に

          男女平等の実現はいつか

          昨年10月からガザではラマダンだった

          The idea of fasting is to train yourself to be patient, to elevate your soul from mundane desires, to try to free your mind from evil impulse and do good deeds for people around you. 断食の考え方は、忍耐強く、世俗的な欲望から魂を高め、邪悪な衝動から心を解放し、周りの人々のために善行をするように

          昨年10月からガザではラマダンだった

          ガザのラマダン

          1923年創刊、発行部数368万部。世界200カ国、2000万人が読む世界最大の英文週刊ニュース誌「TIME」の最新号に、気になる記事があったので日本語に訳しました。 政治、経済、環境、文化、エンターテイメント、最新医療事情等、様々な分野の、日本では入手しにくいニュースを独自の見解・視点で伝えてくれます。また、現代英語のお手本とされ、洗練された英語表現を駆使した世界の情報を通して生きた英語表現が身につきます。 Ramadan in Gaza ガザのラマダン Ramada