死にたくなければ風呂に入るな? へんな学説4 ~続・瘴気説~
お風呂を愛していたローマ人。でも、16-18世紀のヨーロッパ人は滅多にお風呂に入らなかった、という話。これも瘴気が関係してました。
年2回!!!!( ゚д゚)
色々な意味で心配になりますが、垢で毛穴を塞ぐのは、感染症対策に良いとされていたようです(身分の高い人は医者の忠告もあり、特に風呂に入らなかったそうな)※地域や時代によって差はあり。
14世紀頃までは公衆浴場もあり、もう少し風呂に入っていたみたいなのですが、風俗化して病気の温床になっており、そこへペストの大流行が起こって、「死にたくなければ風呂に入るな!!」となったそう。
お風呂に入ると病気になりやすくなると考えられていたので、こんな事件も起きました↓
「いいからお前はパジャマとスリッパ履いて、家で待ってろ!(意訳)」と、王が命令したそうです。優しい。。
じゃあいつ風呂に入ったのかと言うと、病気の時。
具体的には、熱があるとき、リウマチ、不妊症等。お風呂は医療行為でした。熱があるとき入ると、余計具合悪くなりそう...
代わりに、リネンのシャツ浴がメジャーに。
体を洗うこととは、下着を取り替えることである。
... ... ... えっ?
現代の感覚からするとかなり奇妙なこの説、1550年~1750年頃まで常識となってました(ペスト流行期間とリンク)。
ルイ14世は、1日に3回も下着を取り替えていたので、超キレイ好きだと思われていたとか。勿論、風呂には入ってませんが。
それ以外の箇所のお手入れ方法は、以下の通り(※一例です)
これでどれだけ綺麗に見えるのか謎ですが、とにかく見た目重視でした。手はよく洗っていて、食事の前に手を洗わないとドン引きレベルだったらしいですが、見えないところは洗わなくてOK。今とは価値観が全然違って理解に苦しみますが、逆に我々の綺麗の感覚は、現代社会の産物みたいです。
ただ、当然ながら貧民から貴族までノミにたかられ、ペスト対策には逆効果になってしまいました...。
19世紀から、お湯じゃなくて水ならよくね?と、徐々にお風呂がカムバックして、ようやく今のような清潔の概念が出てきたらしい。
一方で、バーデン、バースなど古くからの温泉地は、湯治などで栄えていたそうなので(そして湯治といいつつリゾート化したりもしている)、全然お風呂が無かったわけではないみたいです。
最後に。
ルネッサンス時代、はたしてあの有名絵のモデルたちは、風呂に入っていたのか!?
元画像: wikipedia
これは、永遠に謎のままの方が良いのかもしれません... 。
<参考文献>
図説 不潔の歴史
お風呂の歴史 (文庫クセジュ)
シェイクスピアの時代のイギリス生活百科
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