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あっけなく

これまで長く乗ってきた車との、さよならがやってきた。
まだ乗れる、まだ走れる。だけど費用がかかりすぎて、その費用が自分たちにみあわなさすぎて。泣く泣くのさよならがやってきた。
古い車を大事に乗ることが、こんなにもたいへんな時代だ。乗れば乗るほど経費がかかる。税金は高くなり、車検をはじめとしたメンテナンス代で古い軽自動車なら買えそうになってきた。
情けなくて涙が出る。ごめんねと思う。
廃車にすることを決め、依頼した業者の方は、
今の時代、普通車はたいへんだよ(買い手がつかない、値がつかない)と言っていた。
おまけにここは離島だ。ネットで査定、中古車売るならなんとか、と賑やかしく広告は出ているけれど、やはりここは離島だ。
知人に聞いてみたら島内での売買は個人間でSNSで、が主流なよう。そして普通車は、、、やはり、思うようにはいかないらしい。

私は車は単なる移動手段で、走ればいいと昔は思っていた。それは免許をとった、内地にいた頃の話で、内地では公共交通機関が発達してるから電車もあればバスもある。車がなくたって大丈夫だから思えたこと。
それがそうでなくなってきたのは、やはりこの島にいるから。
個人的には徒歩でいける範囲の勤め先を探してそこへ通い、徒歩で買い物をし、徒歩でどこへでも出掛けていたけど、先月から私も車でないと通えないところへの転職になった。あちこちへ出かけ、送ってもらったり迎えたり、とにかく車を運転している時間が長くなった。
愛着のある車だから、さよならが近づいてきて運転中に泣けてきたりもした。いろんなところにいっぱい行ったね。海に森に、一緒にいってくれてありがとうね。たのしかったね。
そのわりに、前に乗っていた車もそうだったように、まともに写真を1枚もとっていない。今日、廃車の手続きに出してきたのだけれど、ひとりではなかったのでぐずぐず泣くこともできず、写真の一枚も撮れずに帰ってきてしまった。よけいにさみしく情けなく思う。
帰ってきて写真のフォルダを検索してみたら、まあまあな感じで写っているのがこの1枚だけだった。なんということでしょう。泣けるわ。


乗り換えには義理の両親が1台を、今あまっているからと譲ってくれることになった。
その車と仲良くなるのもこれから。
たいせつにしよう。そして、写真も撮ろう。
車にたいした思い入れのない方も、そう思ってたとしても、いざその時が来るとけっこうガクッとくるものです。日頃から写真を撮られることをおすすめしたいです。

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