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手のひら先生の高麗手指鍼療法 13 東洋医学の謎と秘密(自立神経の考察も)


東洋医学の根本の考え・哲学は、共通感覚に基ずいた「感じること」です。(共通感覚論 中村雄二郎明治大学教授著参考に)

ですから経験を積んで一定レベルで共通感覚を磨いたもの達のみが理解し合えるものなのです。

そこに訓練をしてこなかった者が異論を出したとしても、異端のもの間違ったものでしかありません。

西洋医学の哲学は見ることが基本になっています。

したがって見て得られた知識を学ぶことが共通認識で共有の知識になります。

そのレベルに知識を積み上げれば同じ土俵で認識できるのです。

紀元前256年、キングダムの時代に書かれた「黄帝内経素問霊枢十八巻」は時代の叡智が詰まった医学書でした。

解剖図が掲載されていますが、肺は竹の葉が集まったような現代解剖図から見れば異様な形に描かれています。

それは加納喜光東大教授が「解剖を行ったのは東洋医学は内科しかないので、素人同然の者が行ったことによる拙い間違いである」と説明されています。

このような枝葉末節を取り上げて、昭和年代まで東西医学の優位性を論争してきました。

明治時代富国強兵の国策のもと、西洋医学はますます重要性は増しました。

なぜなら鉄砲で撃たれて血が流れている将兵を治療するにあたり、まず火を起こしてせんじ薬を煮出す時間は戦場にはありません。

弾を取り出し消毒し包帯を巻く医者が必要でした。治療をしたらまた戦場に送り出すのです。

そのような背景から江戸時代までは医療の中心だった漢方医や、庶民のホームドクターであった鍼灸師は軽んじられてきたのです。

このころの論争は、竹山晋一郎著「漢方医術復興の理論」績文堂刊 にあるように、「そのように言うなら君たち西洋医もまず東洋医学を学んでから、(東洋医学)を批判したまえ」ぐらいがせいぜい反論でした。

西洋医からは「黄帝内経」には第一に大切な神経が描かれていないではないか、と批判の根拠になっていたのです。

高橋晃(日辺に光)正 東大講師は批判の急先鋒でした。

『漢方薬は効かない 中国二千年のウソを検証する 見逃せないこれだけの副作用』ベストセラーズ ワニの本 1993が出版された後でしょうが、漢方界は大騒ぎになったそうです。

漢方薬を飲み始めると瞑眩と言う現象が現れます。それは当然のことと思われていて、むしろその現象が出ることによって早く病気が治るのだと思われていました。

ところが高橋先生の本にはそれは副作用と推計されると書かれていたので、漢方界に激震が走ったと言うことでした。

よく読みこんだ漢方専門医の先生方が、根拠のある推計と納得された以後はこれが正しいと認められたというわけです。

その後が問題です。

東洋医学の臓器論とここでは呼びますが、三焦と心包と言う臓器があります。

三焦は消化器をいくつかまとめた想像上の臓器であり、心包とは心臓をまとう膜のような臓器と考えられています。

これを批判する根拠に、12本の経絡のつじつま合わせだと言われているのです。

脈診を行いますが、左手で3か所、手首から心臓小腸 肝臓胆嚢 腎臓膀胱 右手は手首に近い方から肺臓大腸 膵臓胃臓 その次が三焦と心包を診ます。

左手の3か所は実際にある臓器ですが、右手は実際にある臓器は2か所しかありません。

それで数合わせとして臓器を増やしたとして長い間批判の的とされたのです。

高橋コウセイさんの本では臓器の位置関係から想像されたものだと批判されてたはずです。

果たして二千年前だからと言ってその時代の俊英たちが集まって、デッチアゲの臓器を作るでしょうか。

私は臓器を先に考えるのではなく、オーリングテストとテスト試料を使って臓器や脳神経のツボを検証することから入りました。

古代の治療家たちは神経を云々ではなく、経絡さえあれば治療は可能だと思っていたはずであると推計しました。

しかし様々な病気治療を検証するとどうしても理論ないし理屈に合わない事例が出てきた。

そこで初めて臓器のいくつかをまとめたものと、いくつかの器官をまとめた経絡を考えて治療した方が効果が出たことで、理論的に納得できる経絡と臓器を考え出したのだと思うのです。

そこに自律神経の交感神経と副交感神経を絡めてこの臓器を考えると、頭で理論的に考える臓器としてもオーリングテストを使って実証する方法で検証できるのです。

以前は治療家の共通感覚だけで理解できたものが、オーリングテストと言うツールが生まれたことで試料さえあれば、検者と被検者 さらにそれを見るものも同時に共通体験が出来ることになっています。

謎の臓器三焦と心包は秘密の自律神経を加えることで一気に解決してしまいます。

ここまでは昨年出版した著書「手のひら先生の高麗手指鍼療法」に書いたことです。

そこには三焦と心包を同時に補瀉することが交感神経・副交感神経を同時に整える方法を載せいています。

その後検証したところ、さらに2か所でも行えることが分かりました。

1か所は同時に調整できますが、もう1か所は少々難しいことになります。

もうず~と考えているのですが、それが任脈と督脈です。

古代の治療家たちもその使い方は書いてないようだし、もしかすると本当に謎だったのかもしれないと思っているのですが。

もし解けたら意外な秘密がわかるかも分かりません。

いま手がかりになるかもしれないのが、脳神経の免疫と関係あるのかな?という事です。

解けたら認知症治療にも効果が出るのではないでしょうか。


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次の本は「手のひら先生スタイルの高麗手指鍼療法」がどのようにして生まれたのかを書いたものです。
他の鍼灸書のようにこのツボを使えば治るというような本ではありません。手のひらのツボのことや治療法については
「高麗手指鍼講座」柳泰佑著 たにぐち書店 刊 日本語訳がありますのでご覧ください。鍼灸は見たり読んだりしても身につくものではありません。

一般の方には病気を治す鍼治療とはどういうものか理解できるように書いてあります。さらに私なりの簡単自律神経調整法を図解しております。

サポート頂いたら最先端の医学雑誌と、最先端の進化論本を購入し難病治療研究に役立てる予定です。