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質問060:テイクバックは早く引く? 打点をうまく合わせるには?

おはようございます。
少しづつ、ボールに集中するって意味がわかってきました。
リズム合わせが出来てるときはミスも少なくなってきて
集中も出来てる感じがします。

でも、先日はやりバウンドに合わせてテークバックしているからもっと早くって言われたんですけど気にしなくていいでしょうか?
あと、打点なんですが自分でももう少し前で打ちたいのですがどうしても少し身体に近くなってしまいます。
それはどうしたらようでしょうか?

回答
『究極のテニス上達法』による「リズム合わせ」は、「単純作業」の繰り返しを通じて、身体が自然と集中状態に入っていく技法です。
 
ぜひご活用いただき、思考ではなく、感覚的にプレーするテニスをお楽しみください。
 
没頭すると、押したり引いたりの単純作業を繰り返す「掃除」だって、大変な充実感を覚えますからね。
 
さて、お問い合わせいただきました内容についてお答えします。
 
意識してバウンドに合わせてテイクバックしているのならば「問題」ですけれども、無意識的な引き方をしていて、たまたまテイクバックがバウンドのタイミングと同時なのであれば、「OK」です。
 
身体は、ボールに集中していれば、テイクバックのタイミングを、その人が持っているスイングリズムに合わせて、勝手に調整しますから。
 
ですからロジャー・フェデラーも、ラファエル・ナダルも、ノバク・ジョコビッチも、みんなラケットを引き始めるタイミングは違います。
 
なのにむしろ、「対戦相手が打った瞬間にラケットを引き始める!」「相手から飛んできたボールがネットを越えたらテイクバックは完了させる!」などと、頭で考えて、型にハメてやろうとすると、上手くいきません。
 
常識的なテニス指導では、よくありがちな技術的アドバイスではありますけれども……。
 
そんなやり方では、まったく上手くいかなくなる理由は後述します。
 
ではテイクバックで引き遅れないようにするには、どうすればいいか?
 
対戦相手が打つ瞬間、もっといえば自分が打ったボールが飛び出していく瞬間から、ボールをよく見ておくようにしてください。
 
そうすれば(現実に対するイメージがズレていて、飛んでくるボールに突っ込むような誤った動き方でもしない限り)、遅れることはなくなるはずです。
 
※イメージのズレをイッパツで解消する「〜あなたのテニスがドラマチックに改善するたったひとつの方法〜『テニス・ベースメソッド』」
 
こちらのほうが、テニスが上手くいかない場合のより深刻な問題になります。
 
イメージがズレていると、どうしても、打球タイミングが合わなくなる(ミスする)のですね。
 
そしてイメージというのは、たとえば対戦相手の体格から受ける印象や、風の向きや有無、サーフェスの違いなどによっても「揺らぐ」から、確固たるベースとなる『基準』が備わると、飛躍的にショットの安定性は増すのです。
 
「なぜ?」「どうして?」「本当?」という不安があるのも当然でしょうけれども、ドラマチックな改善を約束しています。
 
さて打点についても、回答はテイクバックの引き遅れ問題と同様です。
 
意識して「もう少し前で打ちたい!」と頭で考えていると、打点はやはり合わなくなるのです。
 
もっと根源的なことを言ってしまえば、インパクトで大事なのは「打点」、すなわちどこで打つかの「場所」というよりも、「打時(だじ)」、つまり、いつ打つかの「時間」なのです。
 
「打時(だじ)」というテニス用語はテニスゼロによる造語なので、一般的ではなく、耳馴染みがないかもしれめせん。
 
野球では「適時打(てきじだ)」などとも言いますけれど。
 
一般的にいう「打点(場所)」は、高い、低い、遠い、近い、前、引きつけるなど、毎回変わります。
 
ロジャー・フェデラーも、ラファエル・ナダルも、ノバク・ジョコビッチも、みんな打点は違うし、毎回変わりますよね。
 
だけど「打時(時間)」は、変わりません。
 
自分が「ここだ!」と感じる瞬間のタイミングにドンピシャ合わせて打てば、テニスでミスはしないと、「大発見コラム」でご説明したとおりです。
 
飛んできた ボールに対する、自分が「ここだ!」と感じる「打時(時間)」のタイミングに応じて、「打点(場所)」が、高くなったり、低くなったり、遠くなったり、近くなったり、前になったり、引きつけられたりと、変わります。
 
たとえば歩行で着地するタイミングについて、自分が「ここだ!」と感じている「瞬間」は、自覚するしないに関わらず、いつも変わりませんよね。
 
その着地する「場所」が、急いでいたり、のんびりしていたり、カーブしたりする状況に応じて、遠くなったり近くなったり右になったりと、毎回変わるだけです。
 
場所が変わるのは、問題にならない。
 
だけど着地するタイミングである「時間」がズレると、転倒するなど大怪我するミスにもつながるのです。
 
仮にご自身が、身体に近くなってしまう打点を窮屈に感じているのであれば、先の引き遅れの対処と同じように、対戦相手が打つ瞬間、いえもっといえば自分が打つボールが飛び出していく瞬間から、ボールをよく見ておくようにしてください。
 
ラリーが繰り返される最中、ずっとそうし続けます。
 
そうすればおのずと、その時々に応じた最適な「打時」のヒッティングポイントで打てるようになってきます。
 
結果として、より身体の前でボールを捉える打点によるヒッティングも、必要に応じて、自然と増えるでしょう。
 
要するに、終始ボールを見続けるのです。
 
簡単な手出しのボールでさえ、コーチの手元よりリリースされるボールから見ておかないと、打時がズレてしまいかねません。
 
注意すべきは、頭で考えて、引くタイミングや打点の位置を、調整しようとしないこと。
 
テイクバックを早く引こうとか、もっと身体の前で打とうとか、考えない。
 
よくよく時間経過を観察すると、自分がボールを打って、対戦相手のラケットに到達し、そこから打ち返されて、また自分の手元にボールが返ってくるまでに、もちろん状況にもよりますけれども、結構な時間があるはずです。
 
その時間をあまねく有効活用すれば、テイクバックで引き遅れたり、打点が窮屈になったりする(つまり「打時」を合わせられなかったりする)エラーは、最小限内に収まるはず。
 
ところが上手く打球タイミングを合わせられない多くのプレーヤーは、対戦相手から打たれたボールが飛んできて、ネットを超えた付近から、「慌てて見始める」のです。
 
ざっくりと計算すれば、仮に、対戦相手に打たれてからボールを見始めるとすると、往復するラリーのうちの、2分の1しか、見る時間に費やせなくなります(そうならざるを得ないリターンは、だから余裕を感じにくい)。
 
ボールが近づいてきてネットを超えたあたりから見始めるような始末だと、往復するラリーのうちの4分の1しか、見る時間に費やせなくなるから、慌てる対応にならざるを得ないのです。
 
なぜ、見られないのか?
 
そろそろ、先述しました「そんなやり方では、まったく上手くいかなくなる理由」の後述に入りましょう。
 
それこそ、「バウンドに合わせてテイクバックしよう!」とか、「打点を身体の前に取らなきゃ!」とか、頭のなかで「考え事をしている」からにほかならず、それが理由で見られなくなるのです。
 
厳密に言えば、私たちは考えているとき、同時にはよく見えていないのです。
 
考えているとき、よく見えていません。
考えているとき、よく聞こえていません。
考えているとき、よく感じ取れていません。
 
分かりやすいのは、たとえばこの文章を読んでいるとき、室内に「空調の音」がしているかもしれないけれど、「聞こえていなかった」はずです。
 
それは文章を読む作業を通じて、「考えていた」からです。
だけど私にこうして指摘されると、「聞こえる」ようになった。
その瞬間、今度は空調の音を聞きながら、同時には文章を「読めなくなっている」はずです。
 
それと同じようにテイクバックや打点についてプレー中に「考えている」とき、行き来するボールが、よく見えなくなるのです。
 
「ボールならいつも見ているよ!」
 
多くの人がこう言うのですけれども、打ち方やフォームなどについて考えている以上は、見ている「つもり」になっているだけ、というのが実際です。
 
考えるのをやめれば、ボールは見えるようになります。
 
すなわち、ボールに対する高度な視覚的集中が叶うようになる。
 
たとえばボールの回転やフェルトの毛羽が見えていたり、遠近法則の科学的観点から、自コート側にあるボールは大きく目に映り、相手コート側へ 遠ざかるにつれ、小さくなっていく見え方になったりします。
 
当然ですが、ずーっと見えていないと、そのようなボールのサイズが刻一刻と変化し続けているさまに、まったく気づくことすら、できないのです。
 
遠ざかっていく車だって、パッと断片的にしか見なかったら、目に映るサイズの変化には、気付けるはずがないですよね。
 
ボールのサイズがミルミル変化し続けるダイナミズムが、臨場感をもって感じられるようになる。
 
これが『究極のテニス上達法』による、単純作業の繰り返しを通じた「リズム合わせ」による集中効果です
 
とめどなく湧き上がってくる思考を、止める効果と言い換えても、よいかもしれません。
 
自コート側に飛んで「来る」もっともっと手前の、相手コート側へ飛んで「行く」ボールから、(考え事をなくして)見るようにすると、全然、感じられる時間的な余裕が違ってくるはず。
 
そうすると、身体は目で見た状況に応じて自動的に、その時々にふさわしい最適なリアクションを行ないます。
 
「頭で考えずに、身体が自動で動くはずがない!」などと、お考えでしょうか?
 
いえ。
 
転倒しそうになったら、「腰をかがめて、片足を一歩踏み出すとともに、両手を斜め前へかざしながら転倒ダメージをガードしなきゃ!」とか、いちいち頭で考えなくても、「身体はリアクションしてくれる」じゃないですか。
 
しかも素早く、状況に応じた最適なフォームになりつつ、ベストのタイミングとバランスで身体は態勢を立て直します!
 
その身体によるリアクションを、「する」のではなく、「引き出す」というのが、素早く、状況に応じた最適なフォームになりつつ、ベストのタイミングとバランスで、テニスを上手くプレーするためのポイントなのです。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero