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コーチからの手紙

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#テニスコーチ

テニスと周辺視野

テニスと周辺視野

中心視と周辺視のそれぞれの特徴と役割、その使用について

自分が周辺視野に触れた最初のきっかけは、宮本武蔵の『五輪書』にある「遠山の目付け」でした。これは、相手の剣や顔を凝視するのではなく、「相手の後ろにある山を見るような目線で構える」というものです。

しばらくして、野球で周辺視野システムという考え方がメジャーリーグから導入され、それを知った時に「遠山の目付けと同じだ」と共通点を見つけ、研究を始

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素振りの意味(型の意味改訂版)

素振りの意味(型の意味改訂版)

型、つまりフォームについて、君はどんなイメージを持っていますか?
教科書に載っている基本的な形、それとも間違いのない正解といったイメージでしょうか?
多くの人がそう感じるかもしれませんが、実はそれだけではないんです。私は型をこう考えています。

「感覚を形にするための器」

例えば、ボールをラケットで打ったときに感じる感覚――「打った感覚」。これは、プレイヤーにとって非常に大切なものです。この感覚

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道具を大切にしよう(マテリアルの意味改訂版)

道具を大切にしよう(マテリアルの意味改訂版)

君は、なぜラケットがその形になったのか、考えたことがありますか?
シューズの裏のパターンがなぜその模様になっているのか、不思議に思ったことはありますか?
物(マテリアル)が意味(機能)を持ってそこに存在している以上、それは「作り手の意志」が反映されている証です。「こう使ってほしい」「この機能を提供したい」という製作者の思いが形となり、道具に宿っています。

ラケットが進化してきた目的はただ一つ、「

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スイングスピードを上げるための方法論と応用(改訂版)

※前回の記事を間違えて消してしまいました。
100円で再設定しています。
ご了承下さい。

はじめに

テニスにおけるスイングスピードの向上は、パフォーマンスを劇的に向上させ、試合での優位性を確立するために不可欠です。本ガイドでは、スイングスピードを上げるための2つの主要な方法と、それらの技術を実際にどのように練習し、応用するかについて詳しく解説します。内容が高度で専門的ですが、技術の核心を理解し

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睡眠とテニス

睡眠とテニス

テニスにとって最も重要な才能は、

①12歳までに専念して活動し始めること。
②優秀なコーチに出会うこと。
③それを支える家族のもとに生まれること。

それ以外のフィジカル的な才能、例えば身長が高い、肩が強い、足が速いといったことは、上記の3つに比べれば重要ではありません。つまり、筋力的な優位性やメインフレーム的な大きさ(骨格)よりも、脳神経的なプロセスの方が重要視されるゲームだということです。脳

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サントロ領域展開

サントロ領域展開

ファブリス・サントロ選手右利き。177センチ。左右両手打ち。
そして、

「フォアは、ほとんどスライス」

と並べただけで、どうなっているんだろう?
と思わせる特徴てんこ盛りの選手を記事にしました。

いきなりどうした?と思われるかもしれんが、

「シンプルにリクエストがあったので。」

書いてみる事にしました。

サントロ選手は、今ほどでは無いにしろ、高速、効率化され始めた時代に

・フォアハン

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予測について(ストローク編)

予測について(ストローク編)

今回もレッスン形式で書いていこうと思います。
是非、参考にして下さい。
ただし、

・六極図
・庭球眼
・スイング系統
・ローディング

くらいは理解していないとさっぱり分かりません。
しっかり復習して下さい。

では、レッスンスタート。

「コーチ。相手によってコースが読みにくい選手と読みやすい選手がいるのですが、
どうしてですか?」

「とても良い質問だと思いますが…君は、
どうやって予測して

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復帰メニュー

復帰メニュー

今年も出場出来るか分からないですが、
大会にエントリーしました。

日常的に運動はしているものの
アスリートレベルでは、年単位でサボって
いるので、怪我をしないよいに

「イメージとフィジカルのギャップ」

を埋めないといけません、
そうしなかった場合、最悪

「運動会のお父さんのような悲惨な結末」

になりかねませんからね。
おじさん、おばさんが久しぶりに大会に出場
するなど、

「本気で動く」

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「跳ねる」ボールを使う

「跳ねる」ボールを使う

今回は、跳ねるボールをテーマに書いていこうと思います。
跳ねるボールというとみなさんは、

「トップスピン系のショット」

をイメージされる方が多いと思います。
しかし、トップスピン系イコール

「跳ねるボール」

ではないのです。

「地面に対する衝突角度が同じなら
スライス系の方が跳ねる。」

のですから。
シンプルに跳ねさせようと思うならば、

「地面対する衝突角度、速度を上げれば良い。」

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ラケットとプレイスタイル

ラケットとプレイスタイル

今回の記事は、ラケットとプレイスタイルについて書いていこうと思います。
六極図から、プレイスタイルには、マテリアルが大きく影響している事は、かなりご理解していてだけていると思いますが、例えば、

「最も大きな影響を与えているマテリアルは、コートサーフェス」

ですよね。
20年くらい前の芝のコート、ウィンブルドンは、サーブアンドボレーヤーで溢れかえっていましたし、赤土のコート、ローランギャロスで、

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技術の階層構造

技術の階層構造

今回は、技術の階層構造というテーマで書いていきたいと思います。

技術の階層構造とは、常時認識されていた方が良いもの、その時に合わせて、発動するものが複数折り重なっていることを指します。

例えば、間合い感覚は常時発動型の技術で、切れる事が=劣勢になっているような状態になります。

簡単に言うと、

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片手バックハンドへの道

片手バックハンドへの道

片手バックハンドの庭球眼

今回は、片手バックハンドのレッスン記事を
書いていきたいと思います。

では、お楽しみください。

「片手バックハンドにしたいと思っているの
ですがどう思いますか?」

「片手バックのメリット、デメリットが分かった上でチャレンジするのであれば良いと思います。」

「片手バックハンドってカッコイイじゃない
ですか。」

「確かに、両手バックハンドにない華がありますよね。自

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プレッシャーとスリーポケット

プレッシャーとスリーポケット

今回は、認識の壁、許容量について書いていきます。

スリーポケットとは、人間が意識して認知行動を取れる数の平均です。
もちろん、四つ、五つの方もいれば、
二つの方もいます。

マジックナンバーセブンは、
一瞬で認識できる数が人間は、だいたい
7くらいが平均です。

大なり小なり差はあれど、

「有限である事には変わりがなく、
しかも、訓練によって数の上限が上がる
事はほとんどありません。」

体調

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関節の使い方(基本編)

関節の使い方(基本編)

今回は、関節の基本的な使い方について書いていこうと思います。

初級の方や中級以上でも、

「あれ?何でなんだろう?どうだっけ?」

というシンプルな疑問に対する記事ですので、

「当たり前でしょ。」

という方は、非推奨です。

では、お楽しみください。

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