父とローストポーク(後編)
祖父の家に預けられてからは、帰りの遅い父を待って玄関先の絨毯の上で眠ってしまうことが、ほとんど毎日であったと聞かされている。その都度祖父は寝床まで僕を運んでくれていたらしい。
翌週から新しい保育園に移った。
新しいお友達に質問してみよう!という時間を設けられて教室の前に置かれた先生用のピアノの椅子に座り、大勢の知らない子たちが柔和な表情で僕をじっと見ている。
他人から注目を浴びるのは内心苦手な方だったが、少しさびしさを抱えていた当時の僕には若干の心地よさもあった。
はい