見出し画像

LOONA(今月の少女)日本初単独コンサートは歓喜と涙に包まれて…「これからもLOONAは続きます」~LOONA 1st Japan Concertライブ体験記21/青春という名のKPOP Vol.139

2023年3月3日。それは記念碑的な一日となった。

今月の少女(LOONA)が日本初の単独ライブ「LOONA 1st Live “LOONA THE WORLD in TOKYO”」を立川ステージガーデンで開催したのだ。

それはとても長い道のりだった。

元々、単独コンサートは昨年の10月1日に開催予定で私も行く予定だったが、ビザ取得の許可が下りず、延期となっていた。今回のコンサートは振り替え公演となる。

まずは今月の少女(LOONA)をよくご存じない方に記事を紹介しよう。

今まで今月の少女(LOONA)の記事は2つと彼女たちが出演したサバイバル番組QUEENDOM2の記事を書いている。※今月の少女やイダレソニョ、或いは通称イダレと呼ぶ方も多いですが、この後LOONA表記で統一します。

LOONAのデビューの成り立ちから楽曲の魅力の特集記事はこちら!

LOONAが参加したQUEENDOM2のパフォーマンス紹介記事はこちら!

3月31日〜6月2日にMnet主催のカムバックサバイバル番組「Queendom 2」に出演し、第一次競演は全員の新型コロナウイルス感染により棄権したものの最終的に巻き返し、見事準優勝!LOONAのパフォーマンスの力を魅せた。

LOONAメンバー紹介と昨年までの彼女たちの軌跡を特集記事はこちら!

上の記事でも触れているが、10月1日公演の延期発表の前から3月3日の公演開催までの5か月間、彼女たちには実にいろいろなことあった。

元々日本で開催予定の公演は、8月に始まった初のワールドツアー「2022 LOONA 1st World Tour : [LOONATHEWORLD]」をアメリカ・ロサンゼルスを筆頭に米国各地でツアーを開催していたが、現地は熱狂的に迎えられたもののあまりのハードスケジュールに体調不良者も出て、Orbit(LOONAファン)から心配の声が上がっていた。

上記画像に掲載のスケジュールの後もアトランタ、ダラス、ヒューストンとツアーは続き、8月28日メキシコシティでの公演中にメンバーのヨジンが、ツアー中に失神した。

その後、ヨーロッパでワルシャワ、アムステルダム、フランクフルト、パリ、ロンドンの公演と9月16日まで続き、9月28日、日本2ndシングル『LUMINOUS』をリリースするも、来日公演は実現しなかった。

その先はLOONAメンバーにとってもOrbitにとっても辛い時期が続く。

11月25日、所属事務所Blockberry Creativeが、メンバーのチュウのスタッフへのパワハラを主張し、チュウの脱退を発表した。その後、彼女は自身のInstagramのストーリーを通じて恥ずかしいことはしていないと伝え、パワハラ疑惑を否定した。

11月28日、メンバーのヒジン、ハスル、ヨジン、キムリプ、ジンソル、チェリ、イヴ、ゴウォン、オリビアへがチュウに続く形で所属事務所BlockBerry Creativeを相手に専属契約の効力停止を求める仮処分申請をしたと報じられた。

12月22日、当初、1月3日に新しいアルバム『0』をリリース予定であったも、ファンダムからの相次ぐ事務所への批判の影響も大きく、無期限延期が発表された。

そんな不安定な状態の中、2023年に入っていった。

【2023年】

1月14日、メンバーであるヒジン、キムリップ、ジンソル、チェリが専属契約効力停止仮処分を求める訴訟で勝訴をし、ハスル、ヨジン、イヴ、オリビアへ、ゴウォン敗訴した。勝訴したメンバーは所属事務所であったBlockberry Creativeとの契約が終了した。

2月3日、訴訟に参加していなかったヒョンジンビビも専属契約の効力停止を求める訴訟を発起した。

つまり3月5日現在、3つの立場に分かれているのだ。本当に難しい状況。

勝訴:ヒジン、キムリップ、ジンソル、チェリ
敗訴:ハスル、ヨジン、イヴ、オリビアへ、ゴウォン
提訴中:ヒョンジン、ビビ

こんな中、海外Orbitを中心に所属事務所Blockberry Creativeへの批判とボイコット運動が過熱していき、日本でのコンサート開催反対の声が相次いだ。

それからちょうど1か月の3月3日に、初の日本公演「LOONA 1st Live “LOONATHEWORLD in TOKYO 2023」を立川ステージガーデンにて開催されたのだ。

今回公演が実現できたのはLOONAの日本活動の権利を持つユニバーサルミュージックジャパンが昨年開催できなかったことをBlockberry Creativeの契約不履行とふまえ、粘り強く調整したのではないかと予測する。

チケットを買った多くのOrbitも、そして私も3月3日、無事コンサートが開かれ、彼女たちと会えたのは奇跡だと思っている。

ではその日のことを振り返ろうと思う。

5時過ぎに目覚め、二度寝しようと思うが案の定眠れず、6時前に起きて朝食。LOONAワールドツアーのセトリを聴きつつ車でファミマに行きラテを買う。

その後、月刊ルセラフィム3月号を執筆・投稿し、さあ、立川に出発!

遠かったけどようやく到着!

立川ステージガーデンにはグッズ販売開始の13時に着き、既にけっこう人が並んでいる。私はそこでイヴとヒジンのうちわ、トートバッグ、ランダムトレカ11枚、CD3枚(初回限定盤/イヴ盤/ヒジン盤)を購入。

CD購入には公演後のメンバー撮影2ショットの抽選があったがあえなく落選。でも、前の人は10枚買って落選してたからなかなか倍率も高そう。

さあ、まだ14時。どうしよう。

ということで近くのラーメン屋で塩柚ラーメンを食べる、さっぱりして美味しい!

その後、会場近くの立川シネマツーという映画館で見ようと思っていた映画「エブリシング・エブリウェア・オールアットワンス」がちょうどいい時間(14時37分-17時)でやっていたので見に行く。これがめちゃめちゃ面白い!さすがアカデミー賞作品賞筆頭候補!時間は17時過ぎ。開場までまだ1時間弱。。

本当にグッズ買った方でぼっち参戦の人、どうやって過ごしてるの!?

開場までの1時間は立川ステージガーデン隣接のカフェでアイスラテを飲みながら、映画のレビューを執筆。※後日noteにも投稿します。

気づくと18時20分!ということで会場に入り、席へGO!

私は1階12列目の左端の方、近い!見やすい!

そして彼女たちの対面にドキドキしながら30分待ち、ついに登場!

彼女たちが来日公演を行うのは今回が初めて。2018年に本国でデビューして以来、ようやく日本でリアルに交流できる機会とあって、場内は期待に胸を膨らませたファンで既に泣きそうになっている方もいる。

昨日までは本当に公演が開かれるのかどうか不安に思っていた方も多かっただろう。それがついに実現したのだ。

まずはセトリをどうぞ!

loona the world in Tokyo Setlist/2023年3月3日

1.#
2.So What
3.star
4.Butterfly
5.Rendezvous 18.6y
6.Rain 51db
「LOONA's Got Talent
VCR
7.My melody
8.Chaotic
9.Need U
10.Star seed ~カクセイ~
11.Flip that
12.HULA HOOP
「LOONA's Got Talent」Part2.VCR
13.LUMINOUS
14.Heat
15.Why not?
16.PTT Paint The Town-Japanese ver.-
ec1.playback
最後の挨拶
ec2.hi high-Japanese Ver.-

開演の瞬間から彼女たちの登場を想い、涙している観客もいた。

LOONAを象徴する“月”をはじめとする動画が流れた後、11人のメンバー(ヒジン、ヒョンジン、ハスル、ヨジン、ビビ、キムリップ、ジンソル、チェリ、イヴ、ゴウォン、オリビアヘ)が舞台の中央へ登場!

オープニングは低音ビートから唸りを上げるようななインストゥルメンタル「#」でカルグンム(一糸乱れぬダンス)を見せつけ、そのままLOONAの一際力強いヒット曲の「So What」で幕を開けて、会場は一気に歓声が起こる!

その後、日本語を頑張って使って挨拶してくれた。「こんにちはー、みなさん!」「東京にやっと来ることができました!」。LOONAメンバーの久しぶりに聴く肉声に早くも涙するOrbit(LOONAファンダム)が続出。でも、そこには「やっと会えた」という安心感と幸福感と満ちた雰囲気に包まれていた。

撮影:上山陽介
撮影:上山陽介

その後北米で人気を博したミディアムテンポの「star」や幻想的なメロディの「Butterfly」を歌いあげた。この曲を聴いていると胸を締め付けられるような切なさがこみ上げるが、でも一方で癒される不思議な名曲だ。

撮影:上山陽介

トークタイムでは、数年前に来日してプロモーション映像の撮影をした時のエピソードで「同曲の撮影が深夜から朝にかけて行われたため、とても眠たかった」と話した後、各自が笑顔で挨拶してくれて(でも、最後のヨジンは言葉が出ず無言のままマイクを渡した)。

そして「行くぞー!」と日本語の掛け声をOrbitと共に叫んで始まったのは、ユニット曲の披露だ。ユニット別にyyxy(イヴ、ゴウォン、オリビアへ)「Rendezvous 18.6y」はとっても爽やかで、次に1/3(ヒジン、ヒョンジン、ハスル、ビビ)「Rain 51db」でしっとりとした甘いメロディを美しく歌い上げた。

撮影:上山陽介

それから「LOONA's Got Talent」というLOONAメンバーが一人ずつ変な特技をユーモアたっぷりに披露する映像が流れた後に、ハスルとヨジンの美しいヴォーカルが会場に響く「My melody」(ヨジンのソロシングル収録曲)を歌ってくれた。心にキュンとくるようなアコースティックポップだ。そしてODD EYE CIRCLE(キムリップ、ジンソル、チェリ)「Chaotic」はR&Bのグルーブ感が心地よかった。一人一人が皆、各ユニットの世界観を心を込めて歌い上げてくれた。

撮影:上山陽介

各ユニットに関するトークをしてくれた後で、昨年夏のアルバムFlip Thatの収録曲でしっとりとした冒頭からダンスポップに繋がる「Need U」でLOONAメンバーの伸びやかな歌声を聴くことができて、本当に多くのメンバーの歌唱力が高いと改めて思った。

その後は日本語オリジナル楽曲でポップで華やかなメロディの「Star seed ~カクセイ~」で会場は更に盛り上がり、次に私の大好きな韓国最新アルバムのタイトル曲「Flip that」は爽快感に満ちて、背景のMVには脱退したチュウもいて心に迫るものがあった。日本デビュー曲でキャッチ―なメロディで中毒性がある楽曲「HULA HOOP」で彼女たちも笑顔で観客と目を合わせながら爽やかに歌い上げた。

また、各メンバーで特に印象に残ったのは、ヒジンの快活なエネルギーと笑顔、美声とキレのあるダンスと万能センターとしての輝きを強く感じた。

また、キムリップのカリスマ性溢れるパフォーマンスに目を奪われ、私の一推しのイヴの流麗ダンスと艶のある雰囲気に酔いしれた。

ヒョンジンジンソルチェリの可憐な雰囲気やオリビアへ(へジュ)の不敵な余裕の笑みも魅力的で、ビビゴウォンの日本語は可愛らしく、ヨジンは元気が無いように見えたが(その理由は最後に言葉にした)後半は愛嬌が溢れた。

今回、ハスルはずっと痛めている肩のケアで座っての参加(だいたいでダンスはできなかったけど、それ以上に美声を響かせてくれ、絶え間なくファンサをしていてその懸命な姿に感動させられた。

撮影:上山陽介

再び「LOONA's Got Talent」パート2の映像を挟んだ後、昨秋の日本オリジナル最新曲「LUMINOUS」で疾走感でテンションが上がり、次にスローなムーンバートンが心地いい「Heat」、テンポが良って個人的にサビのノリ大好きな「Why Not?」を歌った後、次が本編最後の曲と触れた後、チェリが「これからもLOONAは続きます!」と力強くコメントし、会場は大きな拍手が沸いた。そして迫力あるパフォーマンスが見事な「PTT Paint The Town-Japanese ver.-」で本編を締めくくった。

その後、メンバー一人一人の日本語の手書きメッセージ映像〈LETTER FROM LOONA〉が映し出されて、これが胸に迫り、泣けました。会場からもそこかしこですすり泣く声が聴こえた。今回の公演に至るまでの葛藤やOrbitへの感謝もしみじみ伝わり、彼女たちの切なる想いが伝わってきた。そして「これからも会いましょう」といった未来に向けての前向きな言葉も。

アンコールでは日本公演Tシャツに身をつつみOrbitに手を振りながら、応援し続けてくれたOrbitのために作った「Playback」を歌い上げ、最後の挨拶になったのだけど、これはもうメンバーも会場のOrbitも涙涙の時間でした。

最初に話し始めたハスル、次のイヴ、そしてオリビアへと皆、涙が止まらなくなり、特にイヴは自分の挨拶を終えて他のメンバーが話している間、後ろを向いて肩を震わせて嗚咽するほどで一度袖に帰り、写真撮影の前に戻ってくるほどだった。

正直、今回のコンサートでも勝訴メンバーと敗訴メンバーでは表情と発言も微妙に違っていた気がする。敗訴メンバーのヨジンが「今日ステージに立つことがOrbitにとって本当にいいことなのか本当に悩んだ」と率直に現状の難しさを一番長く言葉にし、堪えきれないような涙を流していたのはハスルとイヴとオリビアへだった。

一方、ヒジンは涙ながらにもすべて日本語で今回の公演実現の喜びを語り、キムリップは「Orbitのみなさんが泣いている姿を見ると、本当に長い間待たせてしまったと胸が痛みます」ビビは「(日本語で)待ってくれてありがとうございます!」、ジンソルは「おかげでたくさんの力をもらったと思います」と話してくれた。アンコール前にチェリが「LOONAは続きます!」と力強く宣言してくれたように、今後のことはまだわからないけれど、LOONAとしての活動が続いていくのではという期待感を持てたと思う。

本当にアンコール後には会場の半数以上が涙したのではないだろうか。

そしてフィナーレは「hi high-Japanese Ver.-」で今日一番大盛り上がりの中、メンバーもOrbitも涙から始まって再び出会えた喜びへの笑顔に変わっていくように、お互いに手を振りながら彼女たちは舞台を後にした。

今まで見てきたKPOPコンサートの中で一番胸に迫るライブだった。

昨年のワールドツアーでグルーバルな人気を実証したLOONAだが、それ以降、様々な困難があり、メンバーと事務所との係争も続き、心身的には本当にメンバーにとって非常に辛く難しい状況の中、アーティストとして、プロとしての彼女たちの歌やパフォーマンスの素晴らしさに感動すると共に、1人の人間としての彼女たちのリアルな想いが強く伝わってきて心が深く揺さぶられる時間だった。

日本の多くのOrbitは、ボイコット声明を出している一部の海外Orbitから「コンサートに行くことは彼女たちを苦しめることだ。行く人は不当契約で彼女たちを拘束している事務所の罪に加担することだ」と批判を浴びせられ(私も辛らつなコメントを2件海外Orbitから頂きました)

彼らの論理では事務所が金銭を支払わず彼女たちを余儀なく拘束していて、日本でのコンサートもその不当契約の一部という見方なのだが、確かに昨年から続く契約履行での日本でのコンサート実現ではあるが、本当に彼女たちにとってこのコンサートをすることが、彼女たちを苦しめることなのか、それとも彼女たちを癒すものなのか、私は完全に後者だったとこのコンサートに参加して強く思えた実感があった。

私はこの日のコンサートの終盤のLOONAメンバーと会場のOrbitが心を通わせながら、涙を流し合った光景を見た時に、彼女たちの心の癒しになったのではないだろうか、声出しOKとは言えども内気であまり声を出せない日本人気質の方も多くいて、そんな中多くの人がハンカチで涙を拭っている姿を見た時に、彼女たちは「本当に心底自分達に想いを寄せ、心配し、そして愛してくれている」という深い確信を抱いたに違いないと思う。だからこそ今回のライブはLOONAメンバーにとってもファンとの心の交流と癒しを心に刻んだ大切な日になったのではないだろうか。両者が過ごしたこの貴重な時間は、きっと互いの胸に永遠に残り続けるだろう。

本当に彼女たちには幸せになってほしい。

いまだ余韻が消えることは無いが、とにかく彼女たちの未来に幸せが訪れるよう、また会える日が来るよう祈りたいと思う。

LOONAの未来に幸あれ!

追記:

3月17日に勝訴組の4人であるヒジン、キムリップ、ジンソル&チェリは新事務所モードハウスと専属契約した。モードハウスにはtripleSが所属。これからの動向に注目したい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?