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大人ベンチャー「てにをは」だからできること~Vol.5:辿り着いたこと、そしてこれから

こんにちは。インタビュアーの大曽根です。合同会社てにをはのメンバーや、事業内容、今後の展望などについて3人に伺っている本企画。最終回の第5回では、 「てにをは」だからできることと、今後の展望についてお伝えします!

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人に焦点を当て、問題解決への架け橋を築く
大人ベンチャー「てにをは」だからできることとは

もくじ


第1回 面白さとわかりやすさで人を魅了する:岡本真梨子さん
第2回 守備範囲が広いMr.人たらし:中山大志さん
第3回 仕事面や精神面のバランサー:大塚万紀子さん
第4回 気になる「てにをは」の事業内容とは? 
第5回 「てにをは」だからできることと、今後の展望について ←今ここ

メンバープロフィール

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岡本真梨子

専門は心理学、その他リベラルアーツ全般を越境して学ぶ。修士課程在学中に、アカデミアとビジネスをはじめとする様々な分断と、その分断により多くの”生きづらさを抱える人”が適切な支援に届かない現状を知り、架け橋的な存在を志す。その後15年で、ビジネス(企業人事・ベンチャー経営)、アカデミア(心理学研究職)の両極を経験。2018年に合同会社てにをはを創業。現在は日々、子どもから経営者まで、ベンチャーから上場企業まで、あらゆる”生きづらさを抱える個人と法人”の支援を行うコンサルタント・研修講師・カウンセラー・コーチとして活動中。その傍ら、企業・心理医療職・アーティストや、自治体・官僚等とプロジェクトを組み、職種やセクターを超えたあらゆる「分断をつなぐ」ためのコラボレーションや実証実験を行っている。

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中山大志

大学にて、中小企業・ベンチャービジネス論を専攻後、メガバンク系金融機関の法人営業を経て、(株)帝国データバンクに転職。20代後半で新規事業としてコンサルティング部門の立ち上げ・事業化とマネジメントに注力。全国を駆け回り、経営相談にのった社長の数は、4,000名にのぼる。2008年にギランバレー症候群を発症し、寝たきりに。”意識がある植物人間状態”から、奇跡的にほぼ健常者状態に回復した後に、「個の能力の最大発揮」を目的に、脳科学・心理学等、様々な自己理解のためのアセスメントや組織を変革する手法を習得する。専門用語を使わずに難しいことをシンプルに分かりやすく、良いことをおもしろく、相手に受け取りやすく伝えるのが特長。

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大塚万紀子

楽天(株)営業・管理部門を経て2006年(株)ワーク・ライフバランスを創業。経営者とともに経営戦略の再設計・組織開発に携わるなかで、組織内のコミュニケーションが課題でありながらも「自分らしいコミュニケーション」について誰も確信を持っていないことに愕然とし、自己理解からスタートすることの重要性に開眼。2020年春より、WLBでのチャレンジと並行して、てにをはに合流。「ビジネスと社会的意義の合わせ技」「事業と自分の融合」を追求するプロフェッショナルとして支援。MBTI®を用いた一人ひとりの自己理解の支援と、組織におけるコミュニケーション促進が専門。​地方創生や新規事業開発といったプロジェクトにも多数関わる。

第5回 「てにをは」だからできることと、今後の展望について



3人が辿り着いた、自己理解の大切さ

――(大曽根)第4回でも少し触れましたが、自己理解についてのエピソードがあれば、教えていただけますか?

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岡本:私は心理学の研究領域と、人事・マネジメント・経営などのビジネス領域を経験してきたんですが、あるとき、はたと気づきまして。

組織は「人」。どんな組織であれ、「関わっている『人』を理解しようとする」ことで良くなる、前に進むんだなと。まずは「自己理解」、「他者理解」そして「相互理解」。ビジネスではその現れが営業でありマネジメントであり、経営なんだな、と。人のメカニズムを解明し、より良い生に役だてていくのが心理学です。あぁ、全部心理学の応用じゃないか、と腑に落ちました。それからは、苦手意識を持っていた営業もとても好きで得意になりました。

大塚:私は数年前に、「自己理解」が、個人だけでなく、組織や企業にとっても非常に大事であることに気づきまして。自分がマネジメントとして足りないところがたくさんあることに気づき、なんとか成長したいともがくなかで、他人の理想に一生懸命合わせようとすればするほど、空回りしてしまう。当然チームもギクシャクすることも出てきます。
自分の得手・不得手を理解して、先輩・後輩関係なく人を頼ることができる。そんな成熟したチームを目指したいな、と思ったときに、まずは自分のことをもっと知る必要があるな、と思ったんですよね。相手を知るよりも先に自分を理解しないと、相手との違いもわからないなぁ、と。

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岡本:人間社会では、親子、パートナー、組織、どんな関係性においても、自分とは全く異なる他者と関わって生きていきます。他者と協働するには、「自分は何者か? に向き合い続けていくこと」が重要なんだということが、当たり前なようで、これまであまり大事にされてこなかったように思います。

ビジネス領域では、いくらテクノロジーが進歩して、システムや仕組みが社会を動かしているように見えても、それを作り出し動かす「人」がいて他者と協働していく限り、一人ひとりの「自己理解」を大切にしている組織が、やはり圧倒的に、特にこのVUCA時代では強い組織だと思います。

――学問でもビジネスでも入り口が違っても、行き着いた先が「自己理解」だったのですね。ちょっと鳥肌が立ってしまいました!



いつも根底にあるのは“人”ということ

――「てにをは」ならではの強みと言いますか、他社と比較して「てにをは」だからこそという部分について皆さんはどうお考えですか?

中山:やっぱり人の可能性を信じて、そこを大切にしているところでしょうか。もちろん色々な手法を用いてアプローチをしていきますが、自分と他者との違いや、自己理解を深めることを大事にしていることが、個性であり強みだと思います。

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岡本:私は本当に、人にしか興味がないんですが(笑)、世の中には逆に、人間に興味がないという人もたくさんいるんですよねぇ。従業員が頑張っているからこそ、素晴らしいサービスや商品がある、だけどなぜ、経営層の中でそこに気づかない人、軽んじる人がいるんだろう? と思います。

大塚:人に対して可能性を感じられるか、そうでないか、では大きな違いがありますよね。これからの時代、さらにそのことが大切になってくるのはないでしょうか。ありきたりな言葉で「人が大事」と語るだけではなく、人を大事にする具体的な方法を研究し実践していること、現状に満足せずに探究を続けていることが、「てにをは」の強みなのではないか、と考えています。それは、私たちの提供するプログラムに参加していただくと実感いただけると自負しています。

岡本:私たち3人も、自分自身の可能性については、まだまだあると思って生きています。多くの人に、人の可能性の凄さを知ってもらえたら嬉しいですね。そんな気持ちでいつも仕事をしています。

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――今までお仕事をされてきた中で、人が変わって会社が変わったということはありましたか? 具体例があればお聞きしたいです。

岡本:忘れられないお客様ばかりですが、ひとつ挙げさせていただくとすると・・・。とある大手企業様で、全社選抜の管理職向けに、継続的に人材・組織開発支援をさせていただきました。

最初は、メンバー同士が目を見て率直な話ができないような状況だったんです。どうせ何をやったってダメだ、何か言ったら自分がやらされてしまう・・・というネガティブな空気が立ち込めていて。そこで、一人ひとりの自己理解からスタートして、様々な心理学的な手法を用いながら、少しずつ皆さんの意識改革と、管理職としてのスキル研修を行っていきました。

中山:心理学と聞くと身構えてしまう方も多いので、そこはいかに、ビジネスとしての指標や成果を前面に出して、興味を持っていただくかというのも、コツがありまして。

大塚:そのことも、わたしたちならではのアプローチの仕方ですよね。

岡本:そうですね。ベースが心理学かどうかは正直、クライアントには関係ない。大切なのは、いかにして、クライアントにとって馴染みのある言語を使いつつ、自己理解と相互理解を深め、心理的安全性を高め、より良いチームになるために必要なスキルを知り、具体的な行動変容、一人ひとりにとってのより良い未来につなげていくか・・・というところですね。

このクライアントでは、管理職向けの研修として、アセスメント用いた自己理解ワークから入り、コミュニケーション能力や人材育成力向上のためにカウンセリングのスキルやマインドをお伝えしたり、ロールプレイや実践課題を通してそれらを習得いただいたり、自分の状態を知り安定させること=セルフマネジメントの大切さを理解いただいたり、1on1のトレーニングや全員の個別コーチング、場合によってはカウンセリングをしたり・・・。様々な心理学的なアプローチで関わってきました。

最初は、通常業務にプラスで実施するという負担感への反発もあり、メンバーの温度差もかなり大きく、心が折れそうになることも多々ありましたが、徹底的に寄り添って、一人ひとりの個性や強み、「もっと成長したい」という気持ちを信じて、伴走してきました。

すると、最初の頃の様子が嘘かのように、物言わぬ・ことなかれ主義だった方々が、意見を表明し、対立を乗り越え、各々が個性を活かし、その人らしいリーダーシップを発揮してマネジメントをしたり、会議体を進めたり、プロジェクトを推進したりできるようになってきたんですね。何より、社員の方の顔つきと社内に漂う雰囲気が、ぐんと変わりました。研修終了後は、受講生を中心とするワーキンググループがたくさんできて、学びを社内に展開するプロジェクトが始まっています。

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中山:数値的成果としては、業績の改善、エンゲージメント調査やコミュニケーションアセスメントのポイント上昇、管理職の世代交代(次世代人材の発掘)などがありました。

大塚:その成果は、経営者が人の大切さに気づいて委ねてくれた結果ですよね。「委ねる」ことは言葉にすると簡単ですが、行動するのは本当に難しい。これは実体験をもって語れることですが(笑)、そうした経営者の姿勢・行動の変化に、徹底的に寄り添う。結構大変ですが、それを厭(いと)わずにやる、というのが「てにをは」かな、と思います。

――会話もない状況から自主的にプロジェクト推進を行うまでになるって、本当にすごいことですね。売上や数字はとても大切なことですが、本質的に改革をする、会社を良くすることを考えるときに、一人ひとりのことを考えることがとても大事なんですね。

これからも、もっともっと軽やかに

――最後に、これからの展望をひと言、聞かせていただけますか?

大塚:これから、「個」がより大事で、「個」がより生きる時代になると言われています。そこに向けて私自身も、お客様も、改めて原点回帰かなと思っています。

ただ、「個」を見ること、磨くことは、ちょっぴり勇気や思い切りが必要だなぁと思っていまして。そのエネルギーを蓄えるためにも、自分自身の心身の土台を固めることにも意識を向けていきたいですね。てにをはの事業では、てがかり事業・とびこえ事業を力強く進めるためにも、ととのい事業に着目していきたいですね。

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↑2019年に開催した、ととのうを語る会↑
サウナの効果効能や、脳科学からみた「ととのい」について、
専門家や愛好家を招いてのトークライブを開催


中山:昨年はコロナ禍でいろんなことがありました。自分たちはつながっている、共に働いている、という実感が薄まるとともに、その重要さを改めて噛みしめる機会でもあったと思います。

チームを構成するビジネスパーソン一人ひとりが、自分が「チームや組織に貢献できているんだ」という手ごたえを日々感じながら仕事をしていれば、「明日も頑張ろう」と思える日常が当たり前となる。その感触を、チームメンバー全員が実感していると、そのチームや組織が発揮できる力は、個人が発揮する力の総和より、増える。これから、そんな社会になる、していきたいと思うんですよね。

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岡本:これから、私自身も、世の中も、みんなみんなもっと軽やかに生きて行けたらなと思っています。コロナ禍によって色々なことが揺らいでいる。もちろん大変なこともたくさんありますが、この変化の中には、本質的なもの、より良い未来につながるものもたくさんあります。

これまで何があっても動かなかった重い蓋が、いよいよずれかかっている、それを吹き飛ばして、もっと軽やかに波に乗っていきましょうよ、と。どんな社会になっても、己と向き合って生きている人は本当に強い。「てにをは」を通して、『それで大丈夫ですよ~!』と伝えて行けたらなと。

大塚:多くの方に勇気を出してもらえるような後押しができたらいいですね。

岡本:自己理解を深めることも、自分に正直に軽やかに生きることも、個人でも組織でも怖くない、って、面白おかしく私たちなりに伝えていきたい。なにより、私たち自身が楽しくやっていきたいですね!ヒャッホウ!!!!(叫び)

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――皆さん長時間に渡りありがとうございました! 正直、お話しを聞いても聞いても聞き足りない、もっと聞きたい気持ちと共に、こんなに自分の人生に響いた取材は今までなかったです。

テープ起こしでは、岡本さんの話す言葉の速度に純粋に驚きました(500人以上取材してきましたが、最速!)。でも、皆さん話す仕事をなさっているので聞き取りやすくて、それはとても助かりました(笑)。言葉にも感情が乗っている取材時の音源は、これからも私の宝物です。

自己理解や自分を大切にすることに改めて気づき、すでに軽やかになってすでに複業まで初めている私です。2021年、私ももっともっと軽やかに! 自分の心に正直に丁寧に向き合って生きて行きます!
ヒャッホウ〜(笑)!!!!

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インタビュアー:大曽根桃子

ライター、編集、撮影、広告、などひとり編集プロダクション的な活動しています。社会問題、子どものこと、地域のこと、グルメ、など、ジャンルは幅広いです。<掲載実績一例> UMU ハルメク リクナビNEXTジャーナル



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