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水分の摂り方に注意が必要な季節になりました(水滞)

梅雨の季節が近づき、脾胃が弱りやすい時期になりました。
東洋医学では、脾胃は「湿」に弱いものといわれます。
水分を摂りすぎないこと(摂らなすぎにも注意)
・冷たいものを摂りすぎないこと
に注意しながら生活しないといけません。
今の時期で一番危ないのはアイスコーヒー。
コーヒー自体が身体を冷やす飲み物で、キンキンに冷やすとさらに美味しいですよね。
飲み過ぎに注意しましょうね。

水(津液)とは


東洋医学でいう「水(津液)」とは、体内の水分の中で血液中の気を除いた液体を指します。
リンパ液、組織間液、汗、尿、鼻水等がこれにあたります。

身体の中の水分は飲食物から摂った「水穀の精微」が源です。
脾の運化作用により体液(津液)がつくられます。
薄いものを津、内臓を満たす粘り気のある水を液、病的なものを痰湿と呼びます。
「水」は潤いを維持する身体や心のオーバーヒートを防ぐ役割を持ちます。

水の損傷


水の損傷には大きくわけて2つあります。

・水の不足


水の不足には熱中症による脱水を伴う熱中症があります。
軽度では傷津といい、水分摂取不足による津液の一時的な不足を言います。
水は陰の性質をもつため(気は陽)身体を冷やす作用を持ちます。
不足すると冷やすことができず潤いを失った状態となるため、発熱、口渇、粘膜の乾燥等の症状が起こります。
さらに水の不足が進むと体内の液体成分が枯渇した状態、現代では脱水症状となり、重篤であれば意識障害や心不全を起こします。

・水の過剰・停滞


水が全身性に過剰となることを水腫、流れが停滞して部分的に蓄積することを痰飲といい、これを総じて水滞と呼びます。

水の過剰には夏バテがあります。
夏バテの原因の一つとして、冷たい水分の摂りすぎが原因です。
飲み過ぎて胃が「チャポチャポ」と音がする経験ないですか?
これは脾胃の水はけが悪くなり停滞した状態(胃内停水)です。
他にも悪心、嘔吐、食欲不振が起こります。
脾胃の水滞は上記の通りですが、どこで水滞を起こすかにより症状が異なります。
肺で停滞すると痰や咳の症状、頭で起こると頭痛、めまい、耳鳴り等の症状が起こります。

水分の摂取方法


水分は2リットル(厚生労働省では2.5リットル)摂りましょうといわれますが、食事で摂取できる水分も含まれます。食事量にもよりますが食事から得られる水分は約1リットル。それ以外を飲水で補給します。
運動される方はそれ以上の水分が必要になりますので、適宜増量しましょう。
水分を摂りすぎないように常温の水やお茶で水分補給するとよいですね。
冷たい飲み物はのどごしで飲むことができますが、常温の水分は過剰に飲めないはずです。
いくら水分を摂っても喉が渇く、という方はミネラル不足である可能性が高いです。東洋医学でいう「水」は、広義の意味でミネラルも含まれます。

まとめ


・水(津液)とは、体内の水分の中で血液中の気を除いた部分のこと
・水の異常は「水分不足」と「水分過剰・停滞」の2つ
・飲水は常温で脾胃を冷やさないこと(飲み過ぎ・内臓を冷やさないことを防ぐ)
・「水分2リットル摂りましょう」は、純粋に水を飲むということではなく食事から摂取する水分も含まれる

水分の摂り方についてお話ししましたが、この時期は特に高齢者に対して水分摂取を奨励しています。理由は、明らかに暑くても異常に気づかないためです。
調剤薬局で話を聞いていると、明らかに熱帯夜であっても、猛暑日であっても、風が吹いて気持ちいいから空調をつけないという方が多くいらっしゃいます。
そういう方は脱水リスクが高く、身体を冷やすことができないため、自宅での熱中症を発症します。
喉が渇かなくても定期的にちょこちょこと水分を摂取してほしいものです。
自分の肌感覚ではなく、温湿度計を置いて数字で判断しましょうね。

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