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ぬいぐるみとわたし〜不器用さんがハンドメイドに挑戦するまでの軌跡〜


私はぬいぐるみが好き。
子どもの頃から好きだと思う。


わんわんという犬のぬいぐるみを肌身離さず持ち歩いていた。
だけど子どもだったので外出先で手が塞がってるのが嫌になるとすぐお母さんに押しつけて怒られた。



あと、小学生のときに本当にあった怖い話のCMが流れてきて、それを留守番中にひとりで目にしてしまった私はもう全てが怪奇現象に感じて、一刻も早く外に出たくなり、わんわんを抱えてお母さんの職場に向かった。



レジに立つお母さんは私を見て目を見開き「どうしたの?」とびっくりしていた。
それから仕事が終わる時間までお店の奥で絵を描きながら待たせてもらった。

皆さんにも、このようなぬいぐるみとのエピソードはあるだろうか?



高校生の頃、ツイッターでぬい撮りという文化を知った。


ぬいぐるみは、洋服をつくったり、お出かけしたり、ラインスタンプメーカーでスタンプをつくったり、チェキを撮ってデコったり、イラストを描いたり、詩を綴ったりと色んな形で愛でることができる。


好きなアニメのコラボカフェで推しぬいやアクスタと並べてもいい。
キラキラ、ふわふわなフィルターをつけると一気に映える。


カフェでコーヒーと、海と、お花と一緒にぬいぐるみを撮ればとっておきの1枚になる。


綺麗だなぁ…パシャリ、と何気なく撮っていたものに被写体がいることによってピント合わせのひと手間ができ、無意識のうちに他者の存在を意識することになる。


ぬいぐるみは小さい子だけのものではなく意外と大人たちも好きなんだなあと思った。


フィギュアは飾って眺めるのがメインだけど、ぬいぐるみは触って愛でるのがメインだ。
物体としてそこにいる安心感はいつも安らぎを与えてくれる。



もともと写真を撮ることは好きだから、ぬい撮りを知ってまたたく間に沼にハマっていった。
目に反射する光、角度、フィルターを調節してたくさん撮り、アルバムにおさめた。


その頃、ぬい撮りで癒やされるTLには穏やかな日常とともに自ら手作りする人たちもいた。


それまでぬいぐるみを作る=本格的なテディベアという固定観念をもっていたのでそもそも作るという発想がなかった。

ぬいぐるみは工場で量産されるものだと思い込んでいたので、既製品ではない一点物は職人がつくるような手が届かない気高いものだと思っていた。


そんなとき『はじめてぬいぐるみつくった』といってバズっているツイートを見かけた。

それはシンプルな子だが何とも言えない愛らしさがあり、たくさんの人を惹きつけて反響を呼んでいた。主さんは企業から声をかけられ、ガチャガチャが出たりプライズ化されたりと商品展開されている。


私はこういうのを見ると、とても夢があるなあと思う。

SNSが盛んな現代は手軽に趣味を始められる。

次第に私はハンドメイド作品をお迎えしたり個展やイベントにいったりして手作りぬいぐるみに親近感を覚えていった。



ある日、自分で作ったぬいぐるみに小物をつけてぬい撮りするアカウントを見つけてすごく羨ましくなった。


別に職人レベルのものを作らなくていいんだ。小学校の図工クオリティーでもいいんだ。ハードルは低いほうが気楽に飛び込んでいける。


新たな趣味を探していた私は決心したら行動が早かった。


中学の家庭科以来まともに針をもったことはない。
今まで気にも留めずに通りすぎていた手芸屋さんについに足を踏み入れた。


無難にクマでも作ろうと、茶色い布、綿、ビーズを選んだ。
家に帰ってさっそく取りかかる。作り方はすでにイメージできていた。


その記念すべき1体目がこちら

2時間かかった。
出来上がるとうれしくてすぐに写真をアップした。


型紙の面影はなくボタンは取れそうだけど味があっていいとお姉ちゃんはいう。
フォロワーさんにも可愛いねといわれて本当にうれしかった。

制作で一番楽しい工程は顔のパーツ決めだ。自由に表現できるところが良い。

ぬいぐるみは作り手の性格が出る。手足を左右対称にピシッと固く取りつけるところがまさに几帳面な私に当てはまる。


そしてハロウィンはオバケ、冬は雪のぬいぐるみなど作りながら季節を楽しんだ。



こうして1枚の布から形にしていく喜びを知り約半年で18体が生まれた。


私はYouTubeを見ながらの独学だ。
毎回新しい子をつくる際にやったことがないことを取り入れている。


ワイヤーを入れて物を持てる&お座りできるようにしたり、お茶パックにペレットを入れてずっしり感をプラスしたり、ヘッドドレスやスタイをつくって着せた。



次にチャレンジするのは刺繍、小物・洋服作り、ミシンだ。こうやって少しずつ成長していきたい。



それでは最後に私の子たちを紹介して終わりにしよう。

昔から布に縁がなかった机に、いまは裁縫セットが置かれている。
不器用だけど、やりたいことにしっかり向き合えばちゃんと上手になっていく。

だからわたしは、きょうもあしたも針をとる。

ここまで読んでくれてありがとう。




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