見出し画像

母へ、娘は大きくなっています


わたしって,おばさん構文なんですね

おばさん構文っていうのを説明しますとね,
ラインとかって,短い会話のやり取りであたかも会話している感覚が楽しめるっていうのが最初の売りだったと思うんですけども
おじさんおばさんは,「字面の冷たさ」が気になるのか
気持ちをちゃんと伝えられるように絵文字をいっぱいつかっちゃう。
それが若者から見ると,「ダサい!」ってやつですね,悲しい。


そこで思い出したのが「母構文」,だったんです
いわゆる「おかあさんの話し方」です

例えば

「早く寝なさい!」
「ご飯ちゃんと食べたのお!?」
「手紙ちゃんと出したあ!?」
「傘持ってってよ!?」

はいはい,こういつやつですよ
母の小言って,子供が高校から大学生になるくらいまでは
毎日,顔を合わせるたびに言われていた気がします

でも今になって思い返すと
当時はやっぱり,思春期だからか
「わかってるよもうっ!」とか
「うるさいな!」
とか,執拗に強く切り返してしまっていた気がしたんです

あの、母の口調って
語勢が強いせいか
瞬間的に、「かあっと」怒りの沸点に達してしまう

でも
よ〜くみて見たら
とんでもなく、”ぬくい”と,思いませんか?

語尾が,特徴的だと思うのですが
「!」には、後ろに「もぅ!」がつきそうなニュアンスがあります
その余白には、「心配」と「愛情」を感じます。
命令ではなくて、”お願い”に近い感じ、です


母の小言は、一生続くような気がして。
でもそれは
母に残された、”一生分”です。

いつか、言われなくなった時
「大人になったんだな、私」と、感じるだろうな
同時に
「もう、聞けないんだな」と、計り知れない寂しさを感じるだろうな

これを読むあなたが、だんだん大人になれてきたのなら
これからは
あの小言を
慈しみませんか
今しか聞けない
最上の、愛の言葉です

ことばって、角を取るだけでとっても柔らかくなるものだから
ちょっとしたことも,柔らかく伝えられる人になりたいものです

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?