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漫画「GANTZ」で描かれた「輪廻」とは?本当にあるなら次は野鳥かお魚か。

輪廻ってあるんでしょうかね。

奥浩哉さんの「GANTZ」は仏教やインド哲学に見られる「輪廻転生」という概念をテーマにした漫画です。サンスクリット語で「サンサーラ」と言います。ちなみに上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」もサンサーラがテーマの一つでした。

「GANTZ」では、主人公たちは輪廻を繰り返して強くなっていく。そして最後に強大な敵と対峙することになります。

輪廻を繰り返す中、主人公たちは疑問を抱くようになる。どうして毎回こんな辛く苦しい戦いをさせられるのか?
奥浩哉さんはコミックの中で、「真理の部屋の異星人」というキャラクターにその答えを語らせているのですが、それがすごくよく描かれていて衝撃を受けました。

何が凄いかと言うと、「超越的な解脱」が描かれてないこと。素敵です。
描かれているのは、人間存在の本質の悟りと、その本質との相対における「概念としての輪廻」。この辺りは作品を読んで、皆さんなりに解釈してください。
え?まだ読んでない?なにやってるんですか。すぐに本屋に行って買って下さい。

凄いですよね。
葬式仏教国と揶揄される日本でこんなコミック(経典)を出版してバカ売れさせてしまうなんて。日本の漫画は本当にスゴイ。天才はやっぱりいますね。

とにかく凄く好きな漫画。
色々とハチャメチャなのも好き。
松田優作やらイ・ビョンホンがサラッと出てきたりする。
でも、ストーリーに物凄くぶっとい基本の筋があるから面白い。
ハチャメチャだけど、冷静にリアルに軸を置いている。
クライマックスのシーンでは、本当に大切なものが描かれている。本当によく描けてる。

わたしがネタバレが嫌いなので、極力ネタバレしないように書いています。
分かりにくくて申し訳ないのですが、とりあえず読んでください。

こんなもの読んでる若い連中が、老害ジジイより色々と物事の道理を悟ってしまうのは当然ですよね。
そこらへんでハナクソほじってる若い連中があんたらジジイより物事が分かってないと思い込むのは危険ですよ。

誰かが死んだ後に、魂(意識)が新しい生命に受け継がれるという考えは素敵ですよね。死ぬっていうのは怖いから、そういう発想が生まれるのは理解できる。でも、意識はエロスを言語的に操作するために脳が内部化した機構だというのが私の考え。それで、この考えはおそらく正しい。記事を平気でパクる人がいるので、独自説を披露できなくなってしまって残念。

だから私は日頃は輪廻という言葉は使わずに、悟りとかキボウという言葉を使うようにしています。詳しくは南部洋一郎を読んでください。といっても直接的にそのようなことを言ってるわけではないのですが。

実はインドにおけるカースト制度はこの「輪廻」という概念が構想の軸になっています。皆さんはそれを知っておく必要があります。苦行が足らない最下層の不可触賤民であるダリットの女性は地域によってはウンコの汲み取りと売春しか許されていないらしい。お釈迦様がこんなことはおかしいと思ったのは当然で、お釈迦様が輪廻を否定したという主張は当然のことと思われます。そもそもお釈迦様は因果律を否定して脳みそやらを否定しているのですから(無我)。

どう考えても同じ人間を意味不明な制度を根拠に差別する人間はクズです。為政者によって仕組まれた幻想やトリックから逃れる手立ては自分で感じようとすることです。他人の痛みや苦しみを自分の事のように感じれない人間は、ハッキリ言ってもう人間ではありません。

わたしはこんなことがまかり通る世の中に時々うんざりして、逆に輪廻があるなら鳥か魚に生まれ変わりたいなあ、と思うことがあります。でも、鳥と魚だったらどっちがいいでしょう?
わたしはこの問いの答えがまだ見つかっていません。魚じゃなくてイルカでもいいです。空も飛んでみたいし、海の中を深く潜ってもみたい。エラで呼吸できるとか凄すぎですよね。
わたしは暇なときにかなり長い時間こういうことを考えてしまいます。

おわり








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