僕は正直に書き綴ろうと思う。

僕には2人、彼女がいる。2018年秋から付き合い続けてもうすぐ6年目を迎えるAと、2023年6月から付き合い始めたBだ。
Aはすごく心穏やかな人で、どうしようもない心の闇を抱えている僕とずっと一緒に過ごしてくれた。現に僕が上京する前、地方で4年間も二人で暮らしてくれた。僕が彼女の家に転がり込む形だった。ずっと、ずっと、どうしようもない僕を許し続けて愛してくれていた。そんな僕は昨年3月末、仕事の関係で上京した。Aも仕事で上京した。けれど、Aからそのタイミングで出た言葉は「あなたとは暮らしたくない」というものだった。その言葉は冗談交じりにも関わらず、深く僕の胸を抉った。
3ヶ月後、新しく彼女ができた。同業他社の人だった。この子をCとする。僕は完全におかしくなっていた。慣れない土地、気持ち悪い飲み会、受け入れられない思想が東京の風となって僕に吸い込ませた。Aという存在がいながらも、Cの愛嬌やそのルックスに目が眩んでいた。最後を迎えるのは早かった。2ヶ月もなかったと思う。Cいはく、僕が彼女に対して愛情を傾けすぎていた。Cから出た言葉は「私には重たいかも」だった。
思い返せば、僕は本心から好きだと思った人に愛されたことがない。高校で初めて彼女ができてから、大学時代も自分が本当に大事にしたい人は皆「私には重たいかも」と陳述して()去っていった。家族も中学時代から折り合いが悪かった。父に馬乗りになって首を絞められた時は、死んでも良いと思った。母さんを守ったつもりが父を若干応援していたの、面白いよね。お陰様で擦れた高校生活も送った。音楽活動に明け暮れて、学校なんて行かなかった。教師が嫌いで、尾崎豊を聴いて憎しみを増幅させていた。本当の尾崎はもっと心優しかったと思う。
後年、なんだかんだ僕は親に甘えて大学に通わせてもらった。愛情なんて微塵のかけらも感じさせない人と付き合って、人生で一番深く傷ついた。その後に出会ったのがAだった。彼女はルックスが良いわけでも、特段愛嬌があるわけでもない。でも、僕と嫌いなものが似ていたし、何より僕のことを愛してくれた。一緒にいてとびきり落ち着くということは、僕にとっては今までかつてない経験だった。そんな彼女から放たれたあの「一緒に住みたくない」という言葉と、現に上京して住まいを異にした状況が僕たちを少しずつ違うベクトルへ導いた。と、綺麗に言って仕舞えばそうだが、結局は僕の身勝手で、醜悪な部分がそうさせたことは間違いない。僕はCと付き合いながらも、何食わぬ顔でAとも交際を続けていた。
そして木枯らしが吹き、多少イラつく程度の雪に降られた頃には、僕は渋谷のクラブで可愛い女の子を持ち帰ることに必死になっていた。Aとの連絡は週に一回に減っていたし、会うことは3ヶ月に1回程度になっていた。「僕は誰からも愛されたことがないから、僕を愛さなかった奴らに復讐する」ためにクラブ通いになっていた。そんなことはなかったはずなのに。誰かに愛されて高飛車になった、香水をケツの穴まで通わせた女たちの心を一夜にして奪うことでなんとか精神を保っていた。
そんな中で、2023年4月末、Bと出会った。Bは、ことクラブの中でも異彩を極めて可愛かった。可愛い子は見慣れてるはずなのに。小松菜奈とあいみょんを足して48で割ったようなルックス。俺には天使に思えた。彼女は地方に住んでいると言った。正直その日はヤれれば良かったから家に誘った。けど、彼女は明日地方に帰る上に「友達と来ているし女の子の日だから」と僕の前を去った。でも、去り際に僕にキスをした。思えば学生時代も罪な女に惹かれた。例外なく、心惹かれた。
それから定期的に連絡を取った。僕の仕事は多忙だから、適当に取っていた。ある日、彼女が住む地方に行く約束をした。1ヶ月ぶりに駅にて再会した彼女はクラブで見た時の50倍可愛かった。そりゃ、芸能事務所からのオファーもくるわ。僕は彼女の実家で飼っている犬の話を訳が分からなくなりながら聞いていた。酒が入っていたし、そんなことどうでも良いくらい彼女が可愛かったから。
何軒か飲んでいるうちに、良い雰囲気になった。彼女の方がその街に明るいから、彼女の方が僕の手を引いてホテルに入った。「キスはしないよ」とか言うもんだから、いっそのことしてみて、付き合うことになった。棒もついでに挿れておいた。
彼女は思ったより、優しい子だった。なんとなく事前に聞いてはいたけど、ホテルにも初めて入ったらしい。クラブはただ楽しくて通っていただけらしい。信じられるよ。それくらい、優しくて良い子だと思えた。だから僕は「付き合おう」とまで言ってみた。
4ヶ月の月日が流れた。Bは最近僕に冷たい。やっぱり僕はBに愛情を傾けすぎているかもしれない。「冷めた?」と聞くと「大好きだよ」という。でも普段の連絡からは、とても大好きだなんて想いは見えてこないや。
でも、Aは違う。僕がどれだけ連絡を取っていなくても、心が繋がっている。そうとしか思えないくらい、僕を疑わず、常にいつも僕を待っていくれる。読者は「Aも浮気してるでしょ」と思うかもしれない。そうかもしれないけど、そうだったとしても、微塵も僕に感じさせないことはすごい。
GOING STEADY「佳代」という曲が好きで、一緒に曲を聴いたこと。つまらない、くだらない話で笑えること。普通の子だけど、愛情を感じさせてくれる人。それがAだ。「佳代」の歌詞にも出てくる純情商店街をこの前初めて通って、一番に思い出したのはAのことだった。そりゃ一緒に聞いてたからかもしれないけど、Bとは純情ではないかもな、なんて思ったりして。見かけだけの綺麗さや、美しさに囚われて、本心に触れられない。それがBだ。僕はAとは真逆の人を2人目に選んだ。Aは家族でBは恋人だ。そんな思いが拭いきれない。

続きを書きたい。でも、もう眠い。推敲も何もない文章を垂れ流して、勝手に地に落ちたい。僕はAもBも愛している。最低だ。日々の不安を恋に縋って、愛に飢えている惨めな人間だ。救いようがない。でも、僕はなんとしても愛を得たい。得難いけど、得たい。また追記して、丁寧に思いを残したいと思う。またそのうち。

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